31 文通は続ける
そんな中希里は、ご機嫌な様子でこう続ける。
「いや~それにしても、撫子さんにもこんなに乙女な一面があったのねぇ。
これはもう完全に恋する乙女だものね!
こうなったらこのまま文通を続けて、とことん撫子さんを、
乙子が作り出した架空の男の子の虜にするのよ!」
「えええっ⁉この文通、まだ続けるんですか⁉」
「当たり前じゃないの!
こんなに真剣なお返事をもらって、それに返事を返さないのは不自然だし失礼だわ!
次はもっと熱烈で過激な言葉を盛り込んだラブレターを書くのよ!」
「そんなぁ!僕、もうこんな恥ずかしい事嫌ですよ!
それに何よりお姉ちゃんに悪いし!」
「悪いと思うなら尚更返事を書かなきゃダメでしょうが!
あんたはもう、この前のラブレターで撫子さんを恋の虜にしてしまったのよ⁉
その責任はあんたにあるんだから、
あんたがちゃんと責任を取って文通を続けるのよ!
でないとまたあのチャラ男が撫子さんに言い寄って来るだろうし、
何より撫子さん自身の恋心をコナゴナに打ち砕いてしまう事になるのよ⁉」
「そ、そんな・・・・・・」
自分の責任だと言われ、紳士クンは頭の仲が真っ白になった。
だがよくよく考えてみると、撫子に宛てたラブレターの内容を考えたのは紳士クンだし、
それによって撫子が恋心を抱いてしまったのはまぎれもない事実ではある。
(じゃあやっぱり、僕がこのままお姉ちゃんと文通を続けなきゃいけないの?
だけど、それから先は一体どうすればいいの?)
あまりに未知数な事が多すぎて、紳士クンの頭はもはやパニック状態だった。
すると、その時だった。




