表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンと、撫子の恋
121/147

8 時間を置いて改めて読み返すと大体こうなる

 「ああ、あ・・・・・・」

 それから約三時間後。

ベッドに入ってひと眠りし、再びその手紙を読み返した紳士クンは、

恥ずかしさと、恐怖と、絶望に打ちひしがれながら、震える声を漏らした。

眠る前は気持ちが高ぶり過ぎて、

書き上げたラブレターがいかにも最高の出来栄えに思えたのだが、

ひと眠りして冷静な気持ちになり、改めて読み返してみると、

その大げさで、キザで、恥知らずなラブレターの内容に、

紳士クンはその場で切腹したい気持ちになった。

 (こ、これ、本当に僕が書いたの?

な、何て恥ずかしい内容なんだ!

あなたは僕の心に咲いた大輪の花だなんて!

僕の暗い人生を明るく照らすまばゆい光だなんて!

しかもお姉ちゃんに対してそれを書くだなんて!

よくもヌケヌケと書けたもんだよ!

この手紙、本当にお姉ちゃんに渡さなくちゃいけないの?

こんな恥ずかしい手紙をお姉ちゃんが読んだらどう思うだろう?

もしかしたら、キザ過ぎて二行くらい読んだ所で破り捨てられちゃうかもしれない。

いや、むしろその方がいい!

全部読まれる方が、僕にとっては何よりも苦痛だよ!

十字架に縛り付けられて、薔薇(ばら)のムチで打たれるようなものだよ!

ああ、こんな手紙でお姉ちゃんが恋の虜になんてなるはずがない。

やっぱり僕には女の子をキュン♡とさせるようなラブレターなんか書けないんだ!)

 そう思いながら両手で頭を抱える紳士クン。

しかし時は無情に過ぎて行き、登校の時間が近づいて来る。

なので紳士クンは相当に不本意ながらも、その手紙を折りたたんで便せんに入れ、

鞄の中にしまったのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ