2 お約束とは
まず冷静に状況を整理しよう。
俺はコンビニでのバイト後、すぐに家に帰り、ベッドに入ったはずだ。つまり酒に酔ってどこかに行ってしまった線はない。というかここがどこだか全く分からない。。
寝ているうちに拐われてここに連れてこられた可能性はあるか?寂れたアパートにセキュリティなんて期待するものではないから、帰ってくる前もしくは寝てしまった後、どちらにせよ侵入されることはあり得なくはない。
ただ、、、俺を拐うメリットと、ここに放置する理由が見当たらない。。。少なくともここに1人ポツンと放置するのは理解できない!
あぁでも誘拐犯なんてそもそも理解できねえか、納得~、、、じゃねーよ!
まぁとりあえず誘拐の線も考えにくい。
とすると、もしかして夢の中か??
でも夢の中って夢だと気付くものなのだろうか?そもそも五感全てがきちんと機能しているように感じられる。。。夢ってそんなに鮮明だったっけ?
まぁ他の選択肢ないし夢だろうな!ここでボサッとしてても仕方がない。なんかワクワクしてきたし、夢を精一杯楽しんでみよう!
俺はまず一本道を下に向かって進んでみることにした。最初はあまり気付かなかったが、数百メートルほど歩いた辺りから、普段より足取りが軽いことが分かった。元々体力にはそこそこ自信のある方であったがまるで疲労感がない。よくよく考えれば夢の中なのだから疲れることがないのだ!当たり前だと思った俺は走ることにした。歩いた間は何も景色変わらなかったというのもある。
走りだした俺は自分の足に驚愕した。疲労は全く蓄積されず、自分の脳が混乱するスピード感で走り続けている。今マラソン大会に出れば人類最速間違いないだろう!体に当たる風のなんと心地よいことだ。そして確実に下山していっている気がする。これならすぐに平地に着くだろう!
自分の感覚では2時間は経過したはずだが、まだ山中にいた。。。
走っている間、人っ子1人見つけられなかった。。。
確実に標高は低くなったがまだまだ距離がありそうだ。。。
気持ちの問題か急に足取りが重くなり、立ち止まろうとしたその時、5kmほど先に人の気配を感じた!(ていうかなんでそんな遠い位置から気付いたんだろう)
静かに近づいていくと、一本道から少し外れた木陰に3人の人影を発見した。3人は手にナイフのようなものを所持して何かを取り囲むように立っていた。その中心に尻餅をついているシルエットが確認できた。
おぉ、もしやこれはよくアニメなどであるお約束展開では!!?
思わず高鳴る胸を必死に抑えつける。
夢というのは自分の脳が作り出すものである。つまり俺のためのご都合主義でお約束展開であるはずだ!!
心はすでに獲物を見つけたハイエナの如く駆け出して行きそうなところだが体は忍び足で近付いていった。。
そこで目にしたのは、、、
がたいの良いスキンヘッドの色黒のおっさんがおっさん狩りに遭っているようだった。
(なんか思ってたんと違う。。。)




