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フロウラの末裔  作者: みっつっつ
第13章トリライン‬
124/157

7 ライカース・・・ミット

 これまで:サイナス村での休暇の後、次の乗り場にはアカメと言うおかしな翠の岩生物がいた。ミットは静止軌道まで連れて行き話を聞く。転移陣を作れるらしい。

 山から(そそ)ぐ沢水でやってる畑の馬車道に乗り入れたけど少し揺れる。人影のない道をしばらく揺られて町に入った。

 ここの町も乗り場が(つぶ)れてたせいか町の中心が逆側になってるねー。馬のいない馬車の屋根にでっかい(みどり)のきれーな(アカメ)


 ひどく人目を引く絵面だよ。たちまち人集(ひとだか)りになっちゃった。


「あんたら、どこから来なさった」

「屋根に載ってる石はキレイだな。少し分けてくれんか?」

「この馬車はどうやって走っとるんかね?」

「宿が決まっておらんならうちに泊まってくれんかのう」

「来た目的は何じゃ?」


「あたいたちはガルツ商会の先遣隊(せんけんたい)だよー。班長はこっちのアリス。あたいはミットだよー。商会の品が売れるか仕入れができるか見に来たんだー。町のこと知りたいから少し教えてくれるかなー?」


「何が聞きたいんだね」

「まずはここの名前だねー」

「ライカース!」

「いいところだぞ!」


「特産とかはー?」

「特産ってもなあ。他所で売るってことか?」


「畑を見たけど野菜が多かったよねー?主食は何を作ってるの?」

「タロイモにキビだろ」

「あの石は売らんのかね?」


「アカメー。あんたの体が少し欲しいってのがいるよー。どーするー?」

《アカメの体?何のことだ?》

「そのピカピカ光るミドリの石みたいなのだよー。ダメなら断っていーから」

《こんなものが欲しいと言うのか?ただの土だぞ。ほれ》


 アカメからあたいの上に、にゅうっと太い棒が突き出た。その先端の20セロが丸くなって切り離され、下へ落ちる。あたいの両手の中で見る見る焦げ茶色の土のボールになってしまった。

 みんな目を丸くして見てるね。


「あれはあそこにあるからあの色になってるみたいだねー。元は土だから離れるとこうなっちゃうってー」

「そうかそれは残念だ。それにしても見事な玉だな。(ゆず)ってはもらえんか?」


「えー?そこらの土だと思うよー?」

「いや、中身ではなくこの形だ。これほどのまん丸はそうあるものではない」

「センセー、また悪い癖が出てるよ。

 お嬢さん、このセンセー、物知りだがおかしなものを集めて回る男でな」


 急にトラクの後ろが(にぎ)やかになった。人がそちらへ移動していく。見るとアリスとシロルがクロミケに後ろに()いていた台車を開けてもらって、ガルツ商会の商品の販売を始めている。


 センセーと呼ばれた30過ぎの小男がひとり、あたいの前に残った。

「持ち合わせが500シルほどしかない。それで何とか(ゆず)ってもらえないか?」


 これは丁度いいかな?

「さっき言った通りあたいが欲しいのは情報だよー。いろいろこの辺りのことを教えてくれるなら、タダでいーよ?」


 そう言って男に土の玉を渡す。


「おお。本当に丸い!ここではきちんとしたことは話せない。私の家へ行こう」


 んー?込み入った話を聞くならシルバを連れてこっか。


「ちょっと待っててー」


 あたいはトラクに入ると、ナックを抱き上げシルバを連れて外に出た。


「この子はナック。こっちはシルバだよー。さー、行こーか」

「私はハルマー。センセーと言うのは半端な物知りをからかう古い言葉らしい。その通りなんだが、この辺りにはもうどこへ行っても本名で呼ぶやつはいない」


 家というのは路地を進んで道路一本渡った右手の長屋の一軒、その2階だった。


「家内は仕事で出かけていていない。散らかってるが我慢してくれ」


 中へ入ると部屋は3つだけ居間と寝室。もう一部屋をハルマーが占領している格好だ。シルバが居間の床に近いものを片付け始めた。


「ああ、気にせんでくれ」

「いいえ。ナックさまの手の届くところは片付けさせていただきます」


 ハルマーはナックを見て納得したようだ。


「シルバ、片付いたらお茶にしてねー」

「はい、奥様」

「なーに、奥様ってー。よそ行きー?誰の奥さんよー。ミットでいいっていつも言ってるでしょー」

「分かりました。ミットさま」


 奥の部屋には本や書付、巻物などが所狭しと棚に並べてあった。大きなテーブルにハルマーは巻物を1本広げた。


「これがこのあたりの絵図です。ライカースはここ。東西に抜ける街道があって南に山、北には大きな川があります。食料は近隣の村からも買い付けていますね。西は穀物がよく穫れますから」

「西には村が3つ?東はどーなの?」

「東も近在はここと似たようなものです。5つ先までは交易があります。山越えしたところに大きな町があるらしいのですが、確かめたものはいません」


 あたいはマノボードで地形図を呼び出した。東の山というとこれかー。山向こうに街っぽいのがあるねー。サーモ画像に切り替えると確かに街のようだ。広い範囲で明らかに周囲よりも温度が高い。


 ハルマーがマノボードを覗き込んで

「なんですか?これは」

「マノボードだよー。エーセイガゾーが見られるんだー」

「はあ」


 納得した顔ではないけど、まあいっか。


「北の川はどんな感じー?」

「川が大きすぎて向こうへ渡ったものはいないですが、言い伝えでは大きな町があるとか」


 トリスタンのことかなー?そんな大きな川なんてあったっけー?

 マノボードで北を見て行く。あー、あるねー。こりゃおっきいわ。川幅500メルってすっごいねー。今までに見た中で一番かなー。その先に結構離れて村、さらにいくつも町や村を辿って、あった。トリスタン。ふーん。


 南の山って乗り場のとこだよね?


「南はどうなってるー?」

「そちらは記録には大きな海があると書いてあります」

「へえ。海は久々かなー?」


 マノボードの表示を南にずらして行くと、あった、海。縮尺をいじってハイエデンまでは……あー、結構あるねー。道は東西と北、南は西へ迂回して海まで出たいねー。


「先程いただいた土の玉ですが、あのミドリの岩については街を破壊した怪物として記録があるんですよ。えーっと……ああ、これだ」


 そう言って(めく)っていた紙束の中から1枚を引き抜いた。

「簡単なメモみたいなもので、嘘か本当か分からないんですがね」


 そう言って、広げた紙のあちこちを指差しながら説明してくれる。


「最初はチューブの駅の山が崩れたとあります。そのあと近所で5人の傷のない死体が見つかって、ああ、ここだ。

 ミドリの岩のような怪物が家や畑を押し潰した、とあります。大きさは10メルを超えていたと言いますから、そんなものがいたら太刀打ちなんてできませんよね。それで駅には行けなくなってしまったらしいです。でもチューブの駅に関してもこの紙に書かれているだけですからね」


 お、シルバが来たね。


「ミットさま、お茶でございます」

「ゴクローさん。ナックは機嫌(きげん)良くしてるー?」

「はい、建物が珍しいようであちこち(のぞ)き回ってます。今もモニターしておりますのでご心配なく」


 と、そこまで言って、テーブルの空いた所にトレイを置くと居間に戻って行った。

 ナックめ、なんかやったなー。


 あたいはカップにお茶を二人分注いでハルマーに勧めた。


 二人で一口ずつ(すす)って

「それで、山の方には誰も見に行ってないのー?」

「あー、行きませんね。小さい頃にさんざん(おど)かされたからかなあ?畑もあの目印までしか広げてないし」

「目印ってのは見てないけど、あたいたちはその向こうの乗り場から来たんだよ?」

「えっ?てっきり東の枝道から来たものと思ってました。乗り場はあったんですか。そうなるとミドリの怪物ってのもいたのか?」


 なんか、アカメがやったっぽい話になってきたなー。あのアカメのとぼけっぷりだと解っちゃいない感じー?


「乗り場の辺りは土砂崩れがあったみたいだからねー。その話が大袈裟(おおげさ)に残ってるとかー?木や草がそのまんま滑り落ちてきたら緑色の怪物に見えないかなー?」

「ありそうですね。あれっ、乗り場から来たってことはその向こうはどこなんですか?」


「あっちこっちだねー。チューブ列車の路線はトリラインって言って、ぐるっと一周で13の乗り場を繋いでてねー。あたいはトリスタンって言う一つ北の乗り場から乗ってきたよー」

「乗り場が13もあるんですか?ぐるっとってどのくらいの距離になるんでしょう?」


「ひと区間だいたい800ケラルー?まあそのくらいだねー」

「800!想像もできないなあ!」


 シルバがティーセットを片付けに来た後もいろんな資料を見せてくれて、ナックがグズリ出すまでハルマーの話を聞いていた。


 トラクに戻るとシロルが販売でひとり奮闘(ふんとう)中。

 アリスは町長を捕まえて、道路整備やら支店を建てる土地やらの交渉中だった。アリスも西の山が気になるらしいねー。


 でも南の海も気になるんだよねー。どっちが先になるかなー?あ、でもトリスタンと街道を繋いじゃうのもありかー?


「ねえ、シルバー、シルバ隊って今空いてる?」

「ひと班だけでしたら3日ほどで参ります。16日頂ければもうひと班を呼べます」

「おー、それはいいねー。シルバー、ひと班予約ー。あと、シロルと代わったげてー。お昼で閉めるからそのつもりでねー」


 あたいは腕のなかで寝ているナックを抱いてトラクに入った。ちょっとウトウトしてたらお昼ご飯で起こされた。


「シルバに聞いたよ。3日目にはペタ班が来るって?西の街道をやってもらうことにするよ。その間に支店を作るのと北の川まで行って来たいね」

「あー、広い川だからねー。橋だけでも架けちゃえば、馬車もずいぶん便利になるかなー」


「やっぱりトリスタンを広げないと。向こうからは道路班が2台で向かってるはずだからすぐ繋がっちゃうよ」

「支店は良い場所ありそーなのー?」


「それがねぇ。あの町長、結構業突張(ごうつくば)りでさ。気前のいいガルツさんでも首(ひね)っちゃうよ」

「えー?町長の首捻っちゃうのー?大惨事だよー?」

「あんた、わざと言ってるでしょ?」


「えへへー。じゃあ畑の向こうが広いんだから、あそこでいーじゃん?でっかいのを建てよーよ」

「広いのはいいんだけど山で行き止まりだから、そこがちょっとね」

「むー。南と西に行く転移陣を作っちゃうのはー?ハイエデン直通ってのもいいと思うー」

「それが一番面倒ないかな。そうするよ」


「あー、アカメが転移陣を作れるよーなこと言ってたよ」

「え、ほんとに?どうやって作るって?」

「材料が要るってさー」


「タングステンと放射線鉱石があればいいってこと?」

「さー?どーだろ?話ったってなんとなくわかる感じだからねー。それよりさー、もしかしたらー、この町の乗り場ふさいじゃったの、アカメっぽい」

「なんだって?大変じゃん、それ」


「古い記録にねー、5人殺して10メルサイズで街や畑を(つぶ)したって書いてあったよー。

 あいつ、話し相手が欲しくてあたいの時みたいに思念を送りすぎちゃったようなこと言ってたしー。それで動かなくなった人が運ばれてったって。あと、乗り場の通路を壊したって、土も崩しちゃったって言ってたもん。当人は何したか全然解ってないけどねー」

「むー。アカメが解ってないのは、人間じゃないからだな。アリンコ踏んだって気が付かないようなものだね」


「あたいは何踏みそうか、ちゃんと分かるよ?できれば踏まないようにしてるもん」

「そりゃミットはねー。あたしなんて知らないうちに何匹踏んでるか」

「うーん、そっかー。アカメに言って聞かせるよー」

「今は人間が見えてるからきっと伝わるよ。ミット、頼んだよ」


「午後はどうするのー?」

「まだ決めてない」


 よっぽど町長との交渉でイライラしたんだなー。あたいはアカメ連れて乗り場周りをやっちゃおーか。

 トラクを降りて見上げると屋根にはアカメが鎮座していた。


「アカメー。乗り場に戻って転移陣をやってみよーかー?」

《転移陣?跳ぶ場所か?》

「うん。多分それー。材料が要るって言ってたよね。まず乗り場に跳ぶよ。それからあたいの知ってる材料を持ってくるから見てねー」


 乗り場の周囲はひどい崩落跡でボコボコだ。ちょっと道路っぽく土を持ち上げて山裾(やますそ)に転移させる。南行きとハイエデン行きをテキトーに作ってみた。仕上げはアリスやシロルに任せるよー。


「じゃあ取りに行ってくるねー」


 ジーナには連絡済みだから、遮蔽材(タングステン)と旧村落の鉱石壺を6個連れて戻る。


「これがあたいたちが使ってる材料だよー。

 どーお?」

《うむ、良い品だ。この玉は小さいのに力が強いな。3スラットは行けそうなのだ》

「3スラットってどのくらい?ハイエデンまで行ける?」

《ちょっと跳んでみてくれぬか?それで分かるのだ》

「いいよー」


 どこに出たらいいかな?乗り場正面の壁の跡地がまだ空いてたはず、あそこに行ってみよー。

 アカメを連れてハイエデンの乗り場の上空に出た。真正面は補給所が建っていて西側に空き地を見つけたのでそこに降りる。乗り場の出入り口に案内の男が一人。


「ここでどーお?向きは広場の方を向いて出られるかなー?ここはこっちからこう乗って、向こうは逆向きになるんだけどー」

《うむ、分かったのだ。では作るぞ》


 あたいは一応案内係に声を掛ける。


「そこのあんたー、ここに転移陣作るから離れてなよー」

「ミットさん?よく分からんが後で教えてくださいよ!」


 遮蔽材が細く地面に踊るように突き刺さって行く。鉱石壺が3つ、地面に吸い込まれるように沈んで行った。なんだかやけに簡単に見えるよー。

 ものの5メニで静かになった。


《乗ってみようぞ》


 あたいが転移陣の上に乗ると均しておいた場所の中央に出て来た。そのまま歩いて転移範囲を出る。続いてアカメが滑るように現れる。


《まあまあだな。2スラットちょっとといったところか》


 えー?まだ行けるの?マノボードで調べると直線距離で1370ケラル。あの鉱石壺で最大2000ケラルくらいは跳べるってことらしい。乗り降りの手間なし、一瞬で転移だからねー。チューブ列車よりも優秀だよね。


()きはどこからが良いのだ?向こうはすぐ隣で良いか?》

「出発はこっちにしてー、到着は10メル離してもらおー」

《10メルが分からないのだ。もう一度跳んでもらおうか》

「あーい」


 場所はしっかり覚えてるからねー。パッと行って、パッと戻って来たよー。

 またしてもアカメはサラサラっと転移陣を作り終えた。上に大きな石が載ってるのも西の内海にあった転移陣と同じだねー。あれもアカメが作ったのかなー?

 案内にひとこと言っておこー。


「ここ、ライカース行きの転移陣だけど、まだ出来上がってないからねー。しばらく立ち入り禁止にしといてー」

「ライカースですか?もしかして新しい乗り場ですか?そりゃすごい。分かりました、やっときます」

「頼んだよー」


 よーし、次は南の海行きだねー。出発場所を決めた後アカメを連れて南の上空へ跳ぶ。


《ミットの跳び様は気分が良いのだ。道具を使わずどこへでも跳ぶ。100スラットでも跳ぶであろう》


 7万ケラル?ふーん?セーシキドーの倍?そんなに行けるかもなんだー。

 見える範囲に集落がないねー。10ケラル刻みで行ってみよー。何度か跳ぶと、村発見ー。あの辺がいーかなー。


「ここにしよー。じゃあ戻るよー」


 一発で出発予定地に戻って材料を置く。シュラシュラズブズブとアカメの作業が終わる。到着地を決めて転移すると出発地は少し離して。

 転移陣2組作って30メニだなんて。アカメって優秀ー。

 あ、そーだ。


「アカメー。あんた昔作った転移陣って場所を見たら分かるー?」

《さて、どうであろう?アカメが昔作ったと言うのはどこで分かるのだ?》

「それはあたいが他に作れるやつを知らないからー」


《アカメは他にもいるのだ。このアカメとは限らぬのだ》

「まあ、行ってみよーよ。お散歩気っ分ー」


 ここは西の内海、転移陣跡地。


「ここに転移陣があったんだよー」

《ふむ、すぐ近くにもひとつあるが?》

「あー、あれはあたいたちが真似っこで置いた転移陣だよー。山越え用なんだー。

 それでねー、ここからケルヤーク方面にー、んー、1スラット半かなー?行っくよー」


 出た場所もちゃんと覚えてるよー。


「はい、ここー。どーお?」

《アカメはこの場所も向こうも知らぬな》

「ふーん、そっかー。ところでさー、アカメ。

 あんた昔話しかけたら倒れたって言ってたよねー?」

《うむ、そんなこともあったが》


「あれ、余程慎重にやらないとダメだよ?あたいみたいにすんなりいくとは限らないんだからねー。失敗すると攻撃されるからー」

《ぬ?あの時周りに群がっていたのはアカメを攻撃していたのか?あまり(わずら)わしいので轢き潰(ひきつぶ)したのだ》

「それ、みんな、あたいの同族だからねー。覚えておいてー」

《ぬぬう。それは申し訳ないことをした。アカメは少し小さくなるとしよう》


「ププッ。なにそれー?小さくなるのが反省なのー?」

《反省が何か知らぬがアカメは大きい方が上なのだ。ミットより小さくなるのだ》


 見る間にアカメは1メルまで小さくなった。こいつ、ほんとにどうなってるんだー?


「そっかー。帰ろっか」



 ライカースの乗り場前、辺りを見て考える。もう一つ西行きの転移陣はどうしよーか?あんまりやるとライカースの町を通らない分、恩恵も無くなっちゃうからね、保留かなー?


「ナックー、元気にしてたかー?」


 駆け寄るナックの笑顔に(いや)されて、アリスに転移陣を2組作ったことを報告した。看板をハイエデン行きと南行き1枚ずつ、ライカース行きを二つ頼んだ。


「西行きは保留ねー」

「それなんだけど街の中の道路って5メルちょっとしかなくてさ、馬車やトラクのすれ違いって怖いよね。街の東側に迂回と作っちゃおうかと思って」

「それだとライカースは取り残されてさびれちゃうよー?

 えーっと、この道をこっち行き、隣の道はあっち行きだけにしてすれ違いを無くしたらどーお?」


「すれ違いは無くなるけど、荷物の積み込みなんかで止まるとやっぱりギリギリだよ。道路の話もしたんだけど聞く耳持たないってかね」

「ふーん。じゃあ西側の山を(かじ)って町の両側に道を通すのはー?」

「どーだろ。でもそれしかないかなあ」

「何言ったって協力する気がないんじゃねー」


 夕飯前に看板ができたのでミケを連れて、立てて来た。


 明日は支店を建ててあの辺の整地だねー。袋地と言ってもきれいに均せばけっこう広いからね。


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