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彼の作品から
白鷺
この町なかの信号機に
どこから来たと言うのか
何を捜しているのか
止まり木のように止まっている
一羽の白鷺
緑の林にいれば映える白なのに
曇り空のように汚れているではないか
いくら
羽があるからと言っても
こんな所まで来るんじゃないよ
夜になれば
ネオンがついて
お前の羽も色が変わってしまうよ
鳥目のお前は飛べなくなるから
大きく羽を広げてごらん
ロボット
幼子を轢いた車は
完全保険の衣をまとったロボット
涙も流しはするがただの水道水
線香をぎこちなくつかみながら
しなやかに計算機を叩く
徐行の標識から赤い血がにじむ
赤ワインのように流れ
運転していたロボットの体に入っていく
飯
どんなに美味いものだって
この喉を通ってしまえば同じさ
どんなに不味いものだってこの喉を通るまでのこと
俺にとっては命を繋ぎとめるだけなんだから
でも言葉は違う
どんな言葉でもいい訳じゃない
ぴったりと合った言葉がいい
切れる包丁で切った方がいい
美味い味になった方がいい
何の隠し味だか解らないより
解ってしまう方がいい
目を瞑ると味が解らなくなるから
大きく開いて食べればいい




