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幕間 茜の日記

更新遅くなりました。

ここまでの物語での茜の感情を纏めている回になります。

「ほい。頼まれていたのこれでよかったか?」


「うん、ありがとう~。」


 盗賊騒ぎから一夜が明けて、再び自宅に戻ってこれたわたし達。この世界に来て早々にいろんなことがありすぎて、まだ3日しか経っていないってことに改めておどろいた。

 なんとなく、わたしはこれからもしばらくは落ち着いて生活なんて出来ないんじゃないかなって気がして、それで帰ってきて早々に秋也さんにちょっとお使いを頼んだの。


「さすがに思っていたのとは違うと思うが、こんな紙束でも結構値が張ってなぁ……つくづく日本は恵まれすぎているって思い知ったよ。」


 秋也さんが雑貨屋さんで買ってきたもの。それは十数枚の紙の束だった。世界観的には羊皮紙なのかな? 不揃いながらも形を整えて端の方を紐で綴じられた、所謂雑記帳。この世界でも書き物仕事はあると踏んでいたので、ダメ元で頼んでみたら入手できたみたい。


「大丈夫だよ。そのうちしっかり整えるから。」


 見た目がホント適当な紙を束ねただけのものだから、秋也さんは申し訳なさそうにしている。まぁ、確かに。日本で言うなら広告紙の裏面を束ねてホチキスでとめたメモ束みたいな感じだからね。まぁ、その辺はおいおいやっていくとして、とりあえずは書ければ良いの。わたしは一緒に買ってきてもらった羽ペンで一番表の紙にタイトルを書き込んでおく。


『日記帳』


 漢字で毛筆風に書こうとするとちょっと変になるけど、逆に味が出たかな? この世界なら他に読める人間なんていないだろうし、日本語で書いておけばプライバシーも守れるからわざわざ鍵なんか掛けなくても大丈夫!


「……羊皮紙に羽ペンで書かれる日本語か……なんかシュールだな。」


 秋也さんも同じことを思ったみたい。さて、それじゃ書き始めていこうかな。日付とか聞きそびれたまんまだから、最初は日本時間で良いよね。既に3日が経っているから、最初は3日分の出来事を纏めて書いておこうかな。ソーラー充電で稼動しているスマホの日付を見て、わたしは日記帳に書き込み始めた。



◇◆◇



 日本時間で3月20日、現地時間不明。その日、気づいた時にはわたし達は買い物の荷物とともに見知らぬ世界に飛ばされていた。

 お互いに怪我は無く、体は無事だったけど、わたしの体には変化が起こっていた。視力はコンタクトレンズに合わなくなり、体は軽く、そして力強く……理由は不明だけど、よくあるファンタジー作品の王道種族の一つ、獣人になっていたみたい。

 日本に居た頃に読んでいた小説や放映されていたアニメにもちょくちょく出てくる種族ってことで、特に忌避感は無かったし、むしろなんか面白くってちょっとはしゃいじゃった。

 秋也さんは特に変化が無くてホッとしたような、ちょっと残念そうな、そんな顔をしてたっけ。


 獣人というと、よくあるような描写なら耳とか尻尾があるくらいだけど、実際はそんなライトじゃなくて、ちょっと衝撃だったかな。

 何せ、背中や二の腕、膝下、あとお腹と……の部分が毛深いってレベルじゃないほどに毛が生えているんだもの。ついでに産毛まで増えた気もするし……最初は気にしないようにしてたけど、なんか人間やめさせられた気がして、内心気が気じゃなかったんだよね。


 とりあえず轍を辿って街道らしき道を進んだ先には一つの村があった。これまたファンタジー作品によくあるような、長閑な農村という趣の村が。

 このまま入っても大丈夫かなって迷っていたら、行商人のロイドさんが一緒に連れて行ってくれたのはありがたかったかも。

 ただ、この村はねぇ……ホレス村って言ったっけ。村長さんがいきなり亜人は出てけ、なんて言い出すんだもん。……アレはショックだったなぁ……

 あの時は、獣人って生きていちゃいけない存在なのかと、本気で怖くなったよ。

 坊主憎ければ袈裟まで憎いってことかな。私怨であそこまで初対面の人間に強く出るなんて相当だと思う。


 ロイドさんと広場で売り子をしてみたら、他の村の人たちは割りと友好的だったのが救いかな。……遠巻きにチラっチラってしている人たちも一部いたけど。

 あと、秋也さんの、どっかの社長さんパフォーマンスのマネはちょっと笑いそうになった。


 売り子をして一息ついた頃、ロイドさんの言葉でわたしは自分達の荷物の存在を思い出した。

 中身は日本だったらどこのスーパーでも手に入るありきたりなものばかりだけど、今わたし達がいるのは異世界。何が求められるのか判らない。

 良くある小説なんかだと、高水準過ぎる技術で生成された小麦粉だとか砂糖や塩なんかの調味料、それから香辛料とかがとんでもない値段で取引されたりしてた。それを思い出したわたしは、自分達の買い物袋の中身も商品にならないかを持ち掛けてみた。

 結果として、その目論見は当たっていた。日本でたった数千円程度の商品が、ちょっとした財産になりそうだといわれて、おもわず心の中でガッツポーズしちゃったよ。これがお金に換えられれば、この世界での拠点も容易出来そうだし、当面は生活に困らない。

 なので、この商品をロイドさんに買ってもらおうと思っていたんだけど……そこで思わぬ横槍が入ったんだよね。


 わたし達のやり取りを見ていたらしい、ホレス村の村長が、わたし達の荷物の価値を知って掌を返した。荷物を寄越せばこの村に住まわせてやらんこともないとか言ってたっけ。

 ……わたしはこの人が好きになれそうにない。ここに書きたくは無いけど、獣人だって言うことだけで、わたしのことを酷く罵るし、一緒にいる秋也さんにまで暴言をぶつけてくるからだ。

 さすがにその態度に、他の村人さんやロイドさんも村長に対して異を唱えていたけど、一番怒ってくれたのはやっぱり秋也さんだった。

 尊大な態度を取る村長に対して啖呵を切って、絶対にお前なんかに従わないって言ってくれた。日本にいたときもいろいろと頼りっぱなしだったけど、この世界でも秋也さんに守られていることに少しの安心感と、異世界に来ても頼りっぱなしなままのことにちょっと罪悪感……


 その後は村内でキャンプをはって夜明かしになった。大きな村とかだと宿もあるけど、この村にはそういう施設が無いから野宿ってことみたい。

 とりあえず日本で買った鳥ムネ肉は腐らせるのも何なので、この日のうちに食べてしまうことにした。味付けはロイドさんの持っていた岩塩と、ちょっと道端でハーブを見つけたのでそれをまぶして焼くことにした。簡単な調理だったけど、肉自体はやっぱり現代日本で育てられた食用種。その味にロイドさんは驚いていたっけ。

 秋也さんはロイドさんから魔法を教わって、いきなり習得してた。やっぱりここ剣と魔法のファンタジー世界ってことで確定だよね。

 わたしは魔法が使えると聞いて一瞬ワクワクしたけど、種族的に獣人は魔法が使えないかもって聞いてガッカリ。そのまま拗ねていたらいつの間にか寝落ちしてて、目が覚めたら夜が明けていた。

 見知らぬ世界で秋也さんは新しい力を身につけて、なんだかわたしは更に置いていかれた気がしてとても寂しく感じたっけ。


 翌日、せめてわたしも何かの役に立とうと、少し辺りを走り回ってみた。前の晩に獣人の特徴をロイドさんから聞いていたからその検証も兼ねてだけど、とりあえず跳んだり跳ねたりで能力を試してみることにしてみたの。

 ロイドさんが言うには、獣人族は体内の魔力が身体能力に転換されるらしく、普通の魔法が使えない代わりに、常時肉体強化が行なわれているみたい。最初に感じた体の軽さはどうも気のせいじゃなかったみたいで、ちょっと駆け出しただけであっという間に秋也さん達から離れて遠くまで行けちゃった。しかもぜんぜん疲れないし、いきなり動いても何の痛みも無かった。軽くでこれだったから、本気で動いた時の獣人の身体能力って結構凄いのかも……

 とりあえず、道中はその能力で偵察を買って出ることにした。秋也さんは少し心配そうな感じだったけど、わたしだって役に立ちたいもの。

 で、動き回っていると、わたし達の後方に小さな影がちらちらと見えるのが気になった。こちらとの距離を測るように、同じような速度でゆっくりと追従してくる集団。わたしの肉眼でははっきりと見えたけど、皆マントを羽織ってて詳細はよく判らない怪しい連中だった。後に、その連中はわたし達が次に訪れたクレト村を襲った自称使者だったことがわかるんだけど、今にして思えばホレス村でわたし達の荷物の価値が露見したの原因だったのかな。今後はなるべく持ち物の価値とかをあんまり知られないようにしよう。


 その日は日中の全てを移動に費やして、日が暮れる前には次の村であるクレト村へと到着した。この村の村長さんは、突然現れたわたし達を温かく受け入れてくれた。すぐに済む場所と当面の日用雑貨を用意できるように手配してくれて、その日のうちに屋根のある拠点を得ることが出来たのは正に救いだったと思う。

 案内された家と納屋、それから畑を調べてやっていけそうだと判断してから、寝床を整えて食事も摂る。食料事情は21世紀の現代日本とは比べ物にならないけど、それでも食べないと生きていけない。 

 これからは、電気もネットも無い世界で自給自足に近い生活が始まる。そう思うと、不安がいっぱいな筈なのに、なんかワクワクしてて、

 

 その晩、わたしは自分の身体を改めて調べて、そして、不安に思っていることを秋也さんに告げる。そんなわたしに秋也さんは……



◇◆◇



 そこまで書いて、その晩のことを思い出したわたしは頭を左右に振る。改めて思い返しても、転移して二日目で何とか住む所を得て、その時は少し余裕を感じたからなのかもしれないけど。でも、いくらなんでもいきなり……その、盛り上がって致してしまうというのはどうなんだろう……

 思い出したら、ちょっと恥ずかしくなって来たよ……

 でも、この世界に来て、わたしが普通の人間じゃなくなってても、それでも秋也さんはいつもどおりに愛してくれたってことは嬉しかったかな。


 そんな秋也さんのわたしに対する態度を思い出しつつ、改めてわたしはペンで日記の続きを書き始めた。 



◇◆◇



 秋也さんは、わたしの体が変わったこととか、異世界にいるとか、そんなことは関係なく、わたしを以前と同じように扱ってくれる。

 秋也さんも異世界ってことに戸惑ったり混乱したりしているはずなのに、それでもわたしを不安にさせないように、平静を保ってくれているみたいでそれがとても嬉しくて、だけどそんな秋也さんに頼りきりな自分にちょっと自己嫌悪してたりしてて……

 だから、わたしはわたしの出来ることを頑張ろうと、次の日から仕事を張り切ることにした。


 朝の目覚めはスマホにセットしてあった目覚まし用のBGMだ。昔やってた大作RPG、最終幻想シリーズのサントラから取り込んだ曲。日本にいる頃にも使ってたけど、折角ファンタジー世界に来たんだから、ここぞとばかりにファンタジーなゲームのBGMってのも乙なものだと思うの。

 ……それももう遊べないのだと思うと、ちょっとウツ。やっぱり変えようかなぁ……


 それはさておき、秋也さんは魔法を駆使して朝の支度をいろいろやってくれる。何もないところで火を熾せるってやっぱり凄い便利。なんかいつの間にやらガスバーナーのトーチまで再現しているし……


 簡単に朝ごはんを食べたら、いよいよ農家生活が始まります。宛がわれた区画にある畑で、昔を思い出して鍬を振るうわたし。秋也さんも一緒に、最初こそぎこちなかったけど、あっという間にフォームをものにして、どんどん耕していく。

 なんていうか、飲み込みが早くて嬉しいやらうらやましいやら。そんな秋也さんを見てわたしは意地になって獣人の体力で一気に畑を耕していく。硬くなった地面も何のその。ガシガシと畑を掘り起こしては鍬で畝を作っていく。とは言っても、この畑の現状では何かしらの種を植えても、あんまりよく育ってはくれないと思う。まず、土の中に空気を送って、土中の菌類や益虫を元気にしてあげないと。あと、肥料。

 当てはあるんだけど、まだ手に入れられていないからなんともいえないんだけど、入手できたら畑にまいてからもう一度耕して土を混ぜ返す、と。そこまでやってやればうまく育ってくれそうかも?


 で、その肥料に出来そうなものを調達するために森へ行ってもらおうと秋也さんに頼んでみた。この村って少し離れたところに森があって、そこを狩場にした狩猟なんかも行なわれているんだって。狩場ってことで何か危険があるかもしれないから、何か許可とか要るのかな? って秋也さんは言ってたっけ。それで村長さんに話を聞こうと出て行ったんだけど……

 帰ってくるなり、盗賊騒ぎが起こって村中でその対策を取る事になるって秋也さんから聞かされた。

 わたしも幾つか荷物を仕分けなおしてから、貴重品をもって集会所に向う。まぁ、今にして思えば盗賊自体は隣村の使者の嘘で、村内で待機してた彼らこそが盗賊だったって言うお粗末な話だったんだけども。皆外の方に気を向けていたから、まさか迎え入れた人間が盗賊になるなんて思っていなかったんだろうね。


 わたしは新参者とはいえ、何もしないわけにもいかなかったから、村長さんに頼んで炊き出しの手伝いをさせてもらった。村長の奥さんのコンスタンスさんは、わたしのことを他の村人達に紹介してくれて、それで他の皆に混じって作業を始めた。

 やっぱり最初はちょっとやり取りがぎこちなかったけど、打ち解けていくまでの時間はこれからいくらでもある。幸い、コンスタンスさんが傍にいてくれたこともあって気まずさもなかったし。

 一通りの作業が終わってから広場に出てみると、そこは篝火が焚かれてとても明るい空間になっていた。既に日は暮れているから、空を見上げればそこは満天の星空。変な明かりもないから星はとてもよく見えた。その星空はわたし達が今まで見てきたものとは異なるものなのかもしれない。けれど、違う世界に来て見上げた星もまた、とても綺麗なものだった。

 

 視線を戻して、ふと自宅の方向を見たとき、わたしの目は家の傍で動く何かの影を捉えた。すぐさま広場で見張っていた男の人にそれを伝えるけど、その人にはよく見えなかったみたい。たまたま、他の見張りの人は見回りに行っていて、この人は広場を離れられないみたいだったから、わたしは自分の家の方へ一気に駆け出して、うごめく影の正体を調べに行った。

 暗いところでもよく見えるし、ちょっと駆け出しただけで一気に距離を縮めて目的地にたどり着けるし、やっぱり日本にいた頃に比べて人間離れした気がする……でも、村人さんたちを見ていたら他にも獣人族の人がいるみたいだったから、案外これが異世界スタンダードなのかも?


 たどり着いた自宅の中では、荷物を漁る賊が四人。わたしが飛び込んできたことに驚いて声を上げるも、わたし達の食料を入れてある箱を木窓から外に放り出して、賊たちもそこから外に出た。……このときは小麦粉その他の食料品は避難所の方へ持っていっておいたから、お金的には問題がなかったんだけど、あの中には必要なお芋が入っていたから、持っていかれたらそれはそれでちょっと困ったんだよね。

 だからわたしも賊たちを追って外へ出たの。そうしたら連中もこちらに対応する形で一人を殿にして逃げていった。

 いくら獣人になって身体能力が上がっていたとしても、さすがに刃物が相手じゃ分が悪く、さすがにわたしもそこで動きを止める。

 残された賊は罵声を浴びせながら切りかかる。動きは見えるので何とか避け続ける。そんな感じでしばらく紙一重の攻防を続けていると、空が突然光りだした。


 後で聞いたら炎の魔法の応用で、炎色反応を利用した魔法式照明弾なんだって。そういえば、バーナーを再現した時とか炎の色が変ったりしていたから、やろうと思えばやれるんだろうねぇ。


 その突然の光量に目の前の賊はたじろいで、出鱈目に剣を振り回す。わたしも一瞬その光に目が眩んだけど、幸い光源はわたしの後ろ側からだったからそれほど目が眩むこともなくすぐに慣れた。これも獣人の能力のせい?

 一方の盗賊は中々目が慣れず、うろたえたまま。そんな賊の足元と肩に向かって秋也さんが投石を行う。賊が怯んだ隙にわたしはその賊を押さえ込んで無力化した。

 わたしは特に怪我はなかったけど、秋也さんは右手の人差し指と中指を痛めていた。けれど、そんな怪我なんかよりもわたしの身を案じて必死だったみたいで、無茶をしたわたしはこってりと怒られちゃった。でも、わたしも見知らぬ異世界でいきなり秋也さんがいなくなったらって考えたら凄く怖くなった。秋也さんがいるから今もわたしは冷静でいられるし、自分のするべきことをゆっくり考える余裕があったんだもの。

 秋也さんはこの世界に来てから、わたしに頼りっぱなしって言ってたけど、支えられていたのはわたしも一緒なの。なんだか、お互いに気を張りすぎちゃっていたのかな? わたしも秋也さんも、お互いに自己評価が低くなっていてみたい。それで自分のことにいっぱいいっぱいで、相手のことを何も考えられなくなっていたんだよね。折角夫婦になったんだもの。支えあうのは当たり前だよね。いきなりの異世界で慌しいのもあるけど、もっとゆっくり二人で話す時間も作らないとダメだねぇ。肉体言語だけじゃダメでした(汗


 余計なトラブルも終わって、これからが異世界生活本番。農業とか食糧生産とか頑張っていこう。

 そういえば、まずは芋を植えるって言ったら秋也さんのテンションが駄々下がりだったけど、そんなに地味だったかな? 芋も麦と同じくらい歴史はあるし、日本でもありとあらゆる品種の芋類が作られているんだけどねぇ。病気とかは怖いけど、しっかりとした生育が出来れば一気に量が賄えるし、でんぷんから糖を生成することも出来る優秀な作物なんだよ?

 なにより、こういう異世界でチートする為の作物といったら、芋は鉄板でしょう。とりあえず、量が作れたらいろいろと挑戦してみよう♪


 一応、秋也さんの意見も取り入れてりんごも種を取り出したら幾つか庭に植えてみよう。何が出来るかはわかんないけど、気長に楽しみにしてみましょう。

 あ、果肉はちょっと実験に使うから、これは食べられないって言ったら、秋也さんはまた落ち込むし……そんなにリンゴが好きだったっけ?


 そんな落ち込んだ秋也さんのために、新鮮な食材がそろうようになったらおいしい料理をたくさん作って食べてもらおう。

 わたし達の異世界ライフはこれからだ。



◇◆◇ 



「あれ? これじゃ打ち切りエンドじゃん。」


 最後の文章がなんか妙なことになったけど、とりあえず今回の日記は此処までにしておこう。わたしは羽ペンをインクビンに戻して、日記帳から目を上げる。

 秋也さんは既に出掛けている。今度こそ森の話をして来るって言ってたっけ。わたしもそろそろお仕事を始めよう。わたしは庭にある納屋へと向かい、農具を取って畑へと向った。


 今日も異世界の新たな一日が始まった。

秋也は、何かと茜に頼ってばっかりで自己嫌悪気味でしたが、茜は茜で秋也がいたからこそ、メンタルが安定していたという状態でした。

お互いに支えあう夫婦って素敵だと思うんですよ。

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