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30.美味しい物は遠くから

主人公はクラスで浮いてるみたいです

 久しぶりの学校。

 半年ぶりの教室。


 州都から疎開してきた子のほとんどが“選ばれた子”で、幼年学校の同級生とは別のクラスで勉強してる。


 疎開してきたばかりの頃は、ぱっと鮮やかな織物を着てる子が多かったけど。

 二年住んで南部の寒さに馴染んだのか、もこもことした単色の編物を着てる子が増えて、教室全体が落ち着いた感じがする。


 州都で買ってきた服――すとんとした染物を着てる私の方が浮いてる様な気がする。

 浮いてるというか、教室の空気がなんか変。



 半年休んでた子が急に学校に来たら、そりゃ気になるかも知れないよ。

 扉を開けた瞬間、ものすごく見られたし。


 でも、こっち見ながらひそひそ話すとか、なんだか感じ悪い。


 そんな様子の人にだって挨拶すべきなのかもしれないけど、うまく口が動かない。


 扉の所に突っ立ってても仕方ないし、教室の奥。

 窓側の一番前まで早足で進んで、腰かける。


 教室の中で一番人気のない席。

 チョークの粉がたくさん飛んでくるとか色々理由はあるけど、なんといっても寒い!

 この席の後ろくらいで、蒸気を使った暖房の配管が切れてるせいだと思うんだけど、とにかく寒くて。誰も座りたがらないんだよね。


 でも、こんな状況で誰かが視界に入るよりましだから。って思うんだけど、やっぱり寒いよ!


 エウレとテアと一緒に市場を抜けてきたから、いつもより早く学校についたんだけど、よくなかったのかもしれない。

 授業が始まる鐘までががちがち震えてないといけないなんて……。




 って、いたたまれなくて机をじっと見る。

 学校って、もっと楽しかった気がするけど、なんなんだろう?


 机の木目の節を数えてたら、人の気配。

 すぐ近くに立ったのはわかったから、視線を上げる。


「久しぶりだな」


 うなだれてたせいもあるかもしれない。

 でも、そうだとしても少し高い位置から投げられた声は、少ししゃがれた男の子の声。


 短く刈り上げた飴色の髪。形のいい眉。

 州都でよく見かけた落ち着いた紺色のジャケットは、すとんとしていてスマートに見える。


 座ってるからわからないけど、私より目線一つ分くらい背が高いその男の子は、真っ青な瞳でちらっと私の方を見て。

 それから革製のカバンをわざと音を立てるみたいに乱暴に机に置いた。


 大きな音に集まった視線を一睨みすると、足を組んで椅子に座る。


 なにもこんなに寒い席に。

 しかも、なんだか浮いてる私の隣に座る必要なんかないのに……気を使ってくれてるのかな?


「あの。お久しぶりです……えっと」

「ぼくのこと忘れちゃったのか?」

「んー、あの」

「ホノマだよ!」


 ……あー!


 そう言われれば、面影はある。

 ……気はする。


 でも、全然変わってるからわかんなかった。

 半年でこんなに変わるもんなの?


「ひでーよ」

「ごめんなさい。なんか、格好良くなっちゃってたから、わかりませんでした」

「ぅ……あ、いや。いいんだ、けど」


 忘れられてたのがよっぽどやだったのか、ぷいっと横向かれた。

 耳が赤くなるほど怒るってどんだけだ!


 というか、毎日一緒に学校に通ってた頃は、髪も伸ばしててぴょんぴょん跳ねてるくせっ毛が可愛い感じだったし。

 背だって、私より少し低かったはず。


 ホノマくんもカレカもそうだけど、どうしたらそんなににょきにょき伸びるんだろう。

 なんか悔しい。




 外校に入った時、“授かり物”がない子――“選ばれた子”っていう呼び方にはなんだか違和感があるけど。

 南部の“選ばれた子”は私一人。

 だから、幼年学校から外校に入った子と同じクラスにする話も合ったみたい。


 疎開してきた子達の人数的に、一クラスにするにはちょっと少なかったから、混成でもいいかっていう雰囲気はあった。

 ……面倒くさがりっぽい、クレアラさんが主導してた話らしいけど、それは置いとく。



 でも、先生達の中にも、疎開してきた子の親の中にも


「“授かり物”がある子と同じ扱いなんて」


 って言い出した人がいたみたいで、私も疎開してきた子達と同じ“選ばれた子”だけのクラスにはいる事になった。


 地元育ちで地元の学校に通ってるのに、クラスの中ではよそ者っていうのが、学校での立ち位置。

 だから、溶け込めない感じは元々あったんだけど、こんなにあからさまじゃなかった気がする。


 授業中、先生が前の方の席に来るように言っても、近くに座る子はいなかったし――まぁ、窓際一番前っていう不人気席が原因だと思えば仕方ないかなって思うけど。

 それでも、ホノマくん以外、誰の近くに座ろうとしない。


 その上、休み時間にトイレに行ったら、ドアの前で話してた子達がさーって道を開けてさ。

 なんか、あからさまに避けられたのはさすがに結構ショックだった。


「ホノマくん、トレはなんでさけられてるんでしょう?」

「気づいてはいたんだな」


 席に戻った私をホノマくんが笑う。


 なんだよ。

 人を鈍感みたいに。


 朝から針のむしろだったよ!


「トレさ。朝、内校の男子と一緒に登校してきただろ」

「テアさんの事ですか?」


 後ろの方でがたんって音がした。でも、振り返ると皆目をそらす。

 なにかまずい事言った?


 無視されてるのに、背中にやたらと視線を感じるんですけど。


「あいつら、やっかんでんだよ」

「なんでです?」


 幼年学校からの知り合い――あくまで知り合い。友達とかではないって思ってるから知り合いね。

 ともあれ、決闘したりとか、色々と因縁浅からぬ関係だとは思う。

 でも、テアは誰にでも優しい。


「あいつ、寮に住んでる女子にすごい人気あるんだ。だから、トレが近くにいたのが気に入らないんだろ」

「んー。よくわかりません」


 話したいなら声をかけてみればいい。

 アルエさん――エウレのお姉さんで、もう帝都に帰っちゃった、気の強い女の子。話をするだけでちょっと緊張しちゃうくらい気の強いあの人とも上手に話してた。


 クラスにいる帝都から来た子は美人さんも多いし、テアだって喜ぶんじゃないかな。

 もしかしたら、テアの守りたい人候補になる人がいるかもしれない。


 私的にテアのお色気はもう、なんか対処しきれない感じだし。

 代わってくれるなら代わってほしいもん。


「まぁ、あいつと少し距離を置けばすぐ納まるだろ」

「そうですね」


 テアは間違いなく美形だし、私なんかが隣にいたらものすごい勢いで引き立て役になっちゃう。

 なら、釣り合うような美人が隣にいる方がいい。


 一人で納得してたら、ホノマくんは「あー」とか「うー」とか言った後、一回大きく息を吸い込んだ。


「だからさ。今日、学校終わったらうちに来いよ。あいつに捕まらないようにさ」

「え?」

「いや、だから。うちに遊びに来いって言ってんの!」


 わーって一息に話された感じ。

 なんか、真っ赤になってて怖いよ。ホノマくん。


 でも、そういえば、友達の家に遊びに行くなんて、生まれてから一回もなかったっけ。

 寄り道するとしたらお迎えに来てくれるリクヤさんにも連絡しないといけないし、そもそも急にお邪魔したら迷惑だったりしないの?

 なんてぐるぐる頭の中に心配事が回る。


「おふくろもトレに会いたがってたし。それに、帝都から届いたお菓子があ……」

「行きます!」


 あっさり食い意地が勝っちゃった。

 自分でもどうかと思うけど、育ち盛りだから!

 栄養つけなきゃだから!


 ……すごい言い訳。




 ハーバ商会の商館はフフトの町にいくつかある中では大きい方に入る。

 南側の門と学校の中間くらいにある、赤い屋根からちょこんと伸びた煙突が可愛い建物。

 屋根から伸びた煙突は、お勝手口の脇にあるボイラーに繋がってる。

 州都ではちらほら見かけたけど、フフトの町ではお家にボイラーがあるってちょっと珍しい。


 そんな、ちょっと先進的な建物が、ホノマくんのお家。

 だけど、商館っていうくらいだから、通りに面した大扉には色々な人の出入りがあって。そのほとんどの人が、デアルタさんのお屋敷に来てたお客さん達みたいに、パリッとしたスーツを身に着けてて。

 なんていうか。友達の家なのに、子供がいると場違いな感じがする。


「あの、ホノマくん。トレ、やっぱり帰ります」

「なに言ってんだよ。ここまで来て……」


 うん。

 まぁ、そうなんだけど。


 州都――というか、デアルタさんのお屋敷で半年暮らしてわかったけど、村育ちの私は田舎者。

 こういうちゃんとしたところに来ると、どうしていいかわかんなくなる。


 お菓子につられて行くって言ってはみたものの、行き来する忙しそうな大人の人達を見てると、ものすごく居心地悪い。

 仕事の邪魔とかになるんじゃないの?


「ほら、行くぞ!」

「で、でも……」


 尻込みしてたら、ぎゅって手をひかれる。

 背が大きくなったら力まで強くなっちゃうの?


 ずるずるーって引きずられる私を、お髭のおじさんがにこにこしながら見てた。

 なんか、すっごい恥ずかしいんだけど!

 ねぇ。



 ホノマくんに手をひかれて、通してもらったのは立派な客間。


 デアルタさんの執務室と同じくらい、丁寧に作られて。

 手入れも行き届いてる調度品は、でもお仕事だけをする硬い感じじゃなくて。女性的な柔らかさがある。


 もうすぐ初夏に差し掛かるけど、南部ではまだ花が少ない。

 でも、部屋に置かれた花瓶にはジャスミンが活けられて、その香りがふんわりと漂ってる。


 すごく上品な空間で、素敵……なんだけど、私の家と比べると、洗練過ぎてて落ち着かない感じ。


「ここで待ってて。おふくろ呼んでくる」


 なんていって出て行ったホノマくんはまだ戻ってこない。

 もう五分くらいたってる気がするのに!


 立派なソファーがあるんだけど、落ち着かなくってお部屋の中をうろうろ。



 外から見た時もぴちーっとした壁だなって思ってたけど、近くで見るとそれだけじゃなかった。

 石造りなんだって勝手に思ってたけど、煉瓦造りの壁は漆喰が隙間なく入ってる。

 これなら熱が逃げない。しかも、学校と同じように蒸気を使って部屋をあっためるための配管が目立たないようにめぐらされてる。


 それが床下に行ってて、床もほんのりあったかい。


「こんにちは、お嬢様」

「ぅはぃ、あ。あの。こんにちは」


 配管追っかけてうろうろしてたら急に声かけられたよ!

 っていうか、床に這いつくばってるとこ見られた!


 うあー!


 明らかに不審なんじゃない、私。


 でも、そんな不審全開の私にも、部屋に入ってきたおじさん――さっき、玄関で私達の子と笑ってた髭のおじさんは、にこにこしながら私が姿勢を直すのを待ってくれた。


「あの。お見苦しいところをお見せしてごめんなさい」

「いえいえ、お気になさらず。なにか面白いものがありましたか?」


 白いウィングカラーシャツにクロスタイ。

 少しタイトなグレーのウェストコートを身に着けてて、少ししまった印象のおじさんは、ティーセットをテーブルに準備してる。

 足元の明るい茶色の革靴は固い底のはずなのに、足音がほとんどしない。


 上品なお部屋にぴったりな感じのおじさんは「こちらへ」って、促してくれた。


「このお部屋、暖炉がないんですね。あったかいのに暖炉がなくて驚いちゃいました」

「左様ですか。帝都では一般的なのですが……。学校も同じ仕組みの暖房かと思いましたが」

「はい。でも、お家にそれがあるなんてすごいです!」


 州都のお屋敷にもなかった設備があるんだもん。これってすごい事だよね!

 私の家なんか、隙間風びゅーびゅー入ってくるのに……。


 でも、こんなすごい設備が一般的なんて。帝都ってどんなところなんだろ?


「あの。帝都ってどんなところなんですか?」

「……そうですね。とても大きな町、だと思います」


 少し間をおいて私の問いに答えたおじさんは、なんだか少し寂しそう。


 寂しそうな表情になったおじさんは、それでもお湯を入れて温めてあったカップにこぽこぽとおちゃを注いでくれる。

 デアルタさんの屋敷で飲んだ、シロン産の発酵茶葉と同じ甘くて優しい香りが広がる。


「ホノマ様と仲良くしてあげてください」

「え。あ、はい」


 そういって穏やかにほほ笑むと、おじさんはお部屋に来た時と同じように音も立てずに出て行った。

 入れ替わりにどかどかと足音と


「早くしろよ!」

「だって、せっかくお友達が来たのに、おめかししないであうなんて……」

「うるさい!」


 なんだか喧嘩するみたいなやりとりが聞こえて、そのすぐ後。ホノマくんが乱暴にドアを開けてきた。

 その後ろには、手に覆いをかけられた銀製のお皿を持ったコービデさんが続いてる。

 コービデさんは建物の中もお部屋もあったかいからなのか、淡い緑のブラウスに白いシフォンのスカートっていう。私から見たらかなり薄着だなって感じの格好。



 初めて会ったときは、手をつなぐのも嫌がってたのに、私にしたのと同じように手を引いてきたんだね。

 ホノマくんとコービデさん、少しは仲良くなれたのかな。


 お皿をテーブルに置きながら、コービデさんはふわっと笑う。

 初めて会った頃と同じ、メレンゲみたいな笑顔。


「お久しぶり、トレちゃん」

「お久しぶりです」


 ぺこりとお辞儀するコービデさん。

 座ったままじゃ失礼かなって腰を浮かせかけた私を手で制して、コービデさんもソファに腰を下ろした。

 三人掛けのソファだから隣が開いてるのに、ホノマくんはソファのすぐ脇にクッションを置くと、ぼふんと座る。


 うん。

 仲直りとか、してないね。


「この子が友達を家に連れてくるなんて初めてで。それがトレちゃんだなんて、びっくり」

「トレも、お友達の家にお邪魔するなんて初めてで……」


 二人で笑いあってたら、横から手が伸びてホノマくんが乱暴にお菓子をつかんだ。


 ぽいっと口に入れると、もぐもぐ。


 でも、見る間に顔色が変わって、お茶を一気飲み。

「あっまぁ!」

 って。

 なんだかものすごい顔してもがいてる。


 その様子がなんかおかしい。

 学校で隣に立たれた時は、格好良くなっててびっくりしたけど、全然子供なんだもん。


 苦しそうだし、あんまり笑ったら可哀想かなって我慢してたんだけど。ポットからお茶を注ごうとして、空っぽでってばたばたするホノマくんを見てたら我慢できなくなっちゃった。

 けたけた声を出して笑ってたら、コービデさんにも伝染したみたい。


「なに二人で笑ってんだよ!」

「だって、ホノマくん。すごい顔……」


 笑ってたら、ホノマくんはテーブルに背中を向けて「もう知るか」って誰にともなく言って、部屋から出てった。

 子供か!

 ……って、子供だったね。私もだけど。

 前世も合わせると、もうそろそろアラサーなんだけど。


「さぁ、トレちゃんも食べて。帝都で流行り始めたばっかりのメレンゲクッキーよ」

「はい、いただきます!」


 お皿にのってたのは、カラフルな色のメレンゲクッキーにジャムを挟んだお菓子。

 ちょっと酸っぱいクランベリージャムが挟まってて、ホノマくんが言うほど甘くない気がするけど。

 人それぞれなのかなあ。


「美味しい?」

「はい、すごく!」

「よかった。トレちゃんが学校に来るってきいて、あの子が取り寄せたの。南部ではまだ珍しいでしょう?」

「トレ、初めて食べました」


 この辺りでは卵は贅沢品だし、メレンゲをふんだんに使ってお菓子を作るっていうお店はもちろんあまりない。

 マカロンとはちょっと違うけど、でも色鮮やかなお菓子は、見てるだけで楽しくなる。


 二つ目に手を伸ばす。

 コービデさんの笑顔ははじめて会った時と同じ、メレンゲみたいに柔らかい。


 柔らかかった。

 なのに。


「そのお菓子と同じで、クリーネ王国にも私達が知らない物がたくさんあるんでしょうね」


 私のしてる事の核心にある言葉――クリーネ王国っていう言葉を唇に滑らせたコービデさんは膝の上に肘をついた。

 その目線はちょうど私と同じくらいで。急に距離の縮まった唇はふっくらしていて、それにはっきりと赤い。

 いままであったどんな人とも違う少し不気味なくらいの赤。


「私ね。トレちゃんの仕事。うまく行くといいなって、思ってるの」


 赤い唇に笑顔を浮かべて話すコービデさんの笑顔は、メレンゲなんかとは程遠かった。

 この人はなんのかんの言っても商館の女主人。優しいだけの人なんかじゃないんだ。


 それが怖くて、私の身体はお菓子を持ったまま固くなる。

 胸の下辺りがむかむかして、自分でもひどい顔してるんじゃないかって思うけど、どうする事も出来ない。


 もう、お菓子なんか食べれそうもないよ。


「あ。ごめんなさい。大人の都合を持ち出しちゃって」

「いえ。大丈夫です」


 全然大丈夫じゃないけど。

 今度は全然別の話を口にする。


「でも、レンカ湖は岩礁が多いってきくから。辿り着くだけで一苦労かも。お父様からなにかきいてる?」

「いえ。なにもきいてません」

「湖の事、よく知ってる人が一緒に行くとか。でも、言葉は通じないし……」


 人差し指を唇に当ててなにか考える様子のコービデさんをじっと見る。

 怖くて目が離せないからだと思うけど。


 でも、そんなおっかないコービデさんは、またメレンゲみたいな笑顔に戻ってた。


「あの子も待ってるし、難しい話は終わりにしましょうか」


 そういって、コービデさんは扉の方を指さす。

 隙間から、飴色の髪の毛とサファイアみたいな青い瞳がのぞいてるのが見えた。




 コービデさんの事が怖くて、ホノマくんのお部屋を見せてほしいなんて言って部屋を出たけど、ホノマくんも私達が話してた事が気になってたみたいで


「なぁ、トレ。さっきのなんの話?」

「んー。女の子同士のお話……でしょうか」


 なんてきかれたから、そんな内容かっていったらちょっと疑問が残るけど。

 でも、ホノマくんに話していいのかはよくわからなくて、言葉を濁す。


「なんだよそれ」

「えへへ」


 不服そうなホノマくんに愛想笑い。




 大人の考える事ってよくわからない。

 もしかしたら、私は今も誰かに利用されてるだけなのかもしれない。


 そう思ったら、少しだけ。

 ほんとに少しだけど、前に進むのが怖くなった。


 こういうの、弱音っていうのかな。

今回は、主人公の学校での様子を中心にお届けしました。


日々の暮らしを送る主人公の後ろで、大人達が静かに動いてるのを書きたいと思うんですが。

なんというか。

主人公は蚊帳の外っていう状況が多くて、難しいです。



次回更新は2013/05/16(木)7時頃、旅立つ使者を見送るエピソードを予定しています。

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