ゼオの船
とりあえず船を確認するため、馬を駆って船着き場へ。
いつもは馬車の移動だから、久しぶりに乗馬できて少しだけテンションが上がってしまった。
アイスの後ろで、しかも顔を隠しての乗馬ではあったが、それでも乗馬は乗馬。頬をなぶる風が心地いい。
結構なスピードで飛ばしたからか、あっという間に港に着いた。
もう少しゆっくりでも良かったのに。少し残念だ。
「ほら、あの船だ」
ゼオが誇らしげに指す方向には、見慣れない船が一隻。
多きさは王国の船の四分の一ほど。
小さいが、海を切り裂くようなシャープな船首。流れるような曲線を描く船体が波紋の煌めきを受けてキラキラと輝いている。
王国の船を「海上の巨人」とするなら、この船は「海上の駿馬」だ。機能的でありながら、とても美しい。
思わず「ほぅ」と感嘆のため息を漏らしてしまった。
「……美人だな」
ゼオに当たりの強いアイスですら、俺の言葉を肯定する。
「王国の船とはかなり様相が違うね。速さ重視だとは聞いていたが、外観がここまで美しいとは思ってもみなかった」
うん。なんというか、機能追求型の飾り気のない船体をイメージしていた。
嬉しい驚きだ。
素早く馬から降りたゼオが、馬上の俺に手を差し出しながら嬉しそうに顔を輝かせた。
「ふふ。嬉しいな。一応それなりの地位の者を運ぶ船だからね。機能と美しさ、両方を追求したものとなっている。港に置く間はこの船は我が国の顔になる。小さくとも存在感抜群だろう?
さあ、どうぞ。良ければ船内を案内しよう」
一人でも降りられるのだが、せっかくなのでゼオの手を借りて馬から降りた。
俺の後からアイスもひょいと降り、手綱を護衛に渡す。
「少し中を見て来る。ここで待機していてくれ」
牽制のつもりなのだろう。ゼオにも聞こえるように「数分で戻らねば突入しろ」と付け加えるアイス。
「うーん……。すぐに信用しろと言っても難しいだろうが、もう少し信じてくれてもいいと思うな」
さすがにゼオも形のいい眉を下げ苦笑している。
「悪気はない。すまないね。ウィルの安全が最優先なんだ。万が一があってはならないからね」
「今はもうそんばつもりはない。私も君たちの仲間に加えて欲しい。それだけだよ」
「信頼できるかどうかは、今後の君の働き次第かな」
「私はもうウィルに忠誠を誓っている。忠実な騎士としてウィルを守ると誓うよ」
どうしよう。笑顔でバチバチと言葉の殴り合いだ。
どうでもいいが、早く中が見たい。絶対凄いに決まってる。
「お前らが来ないんなら。メルと俺で先に行くぞ?」
さっさと足を船に向けると、慌てたように二人そろって追いかけて来た。
「一人で行ってはダメだよウィル!」
「待って! 私も行くから!」
妙に足並みが揃っている。意外とこいつら




