3話 3月がずっと続けばいい
3話です
これからに向けて色々出しとこうと思ったら詰め込みすぎました。長いですがよろしくお願いします
3月、それは別れと成長の月
「「「「おつかれー」」」」
卒業式終わりの教室に声が響く
それは他のクラスも同様で、その声には学校と言う縛りから解放された嬉しさに、仲間との別れの寂しさが少し混じっていた。
「お疲れ、白色」
そう言って声をかけて来るのは、同じクラスの錦山駿。
「まぁとりあえず1年乗り切ったな」
「ああ」
「高校入った途端に不登校になったかと思いきや、実は家から出して貰えませんでした。なんて、ほんと誰が信じるかよ。まぁ流石にボロボロでうちに来てあんな剣幕で話されちゃ信じざるを得ないけどな」
そう、俺はこいつに返しても返しきれない恩がある。
1年前のある日、俺は人の手を借りながら母親に監禁されていた実家を抜けた。そのまま逃げ込んだ先が、小中と同じ学校の幼なじみである錦山の家だった。
こいつの家なら、デカくて部屋も余ってるだろうし、セキュリティも安心だろう。
そんな下心で逃げ込んだ先だったが、錦山とその両親はボロボロの俺を風呂に入れて、話まで疑いもせず聞いてくれた。そして、俺に数年ぶりの自由と部屋をくれた。
「ホント、うちの親父様々だからな」
錦山家の大黒柱は、日本ではトップクラス、世界でも名の知れた会社の社長だ。
そんな大物に話を聞いてもらっただけでなく、この父親は退学になりかけていた高校の3年生からの復帰を学校に持ちかけてくれたのだ。
この父親にも頭が上がらないのだ。
お陰で、俺は3年生からでも高校で生活ができた。
「そろそろお前は母親との決着つけなきゃな。てか、逃げたこの1年逆に音沙汰無いのは何?怖くない?」
「確かに」
まぁ、何も無いとそれはそれで不安にはなる。この気持ちの悪い不安感を取り除くためにも早いとこどうにかしなきゃな。
「佐々木君」
「お?」
後ろから肩を叩かれる。
この子は、桃城 寧々
うちの高校の2年で、俺の最初で最後の後輩。
行き道と帰り道が同じなので電車で遭遇する事が多く、たまたま電車の席が隣になったタイミングで向こうから話しかけてくれて仲良くなった。
「ご卒業おめでとうございます。」
「ありがとう」
「寂しくなりますね。今生の別れじゃないとわかってても。もう学校でバッタリ会うことも、登下校で訳わかんないくらいピッタリ合う趣味の話で盛り上がる事も出来ないんだなって」
「そんな顔しないで、また会えるよ」
なんつって
「だから、お願いがあります。制服の第3ボタンを下さい」
「3!?」
「はい、第3ボタンには友人という意味があるそうです。私と一生の友情を誓って欲しいんです。喧嘩別れで気まずくなってしまう関係なんて要らない。喧嘩したら仲直りしたい、またこいつと遊びたい、なんて思って関係値を戻せる関係でいたいんです。」
えらく熱い友情だな
「こういう重たいの佐々木君がトラウマなのは分かってます。でも、こういう時の我儘くらい許してください。そして、1年以内にまた会ってくれると約束してください!」
「分かった分かった。約束するしボタンもやるから。
君にはこの一年随分助けられたからね。特に、話の通じる普通の女の子の有難み、君には分からんだろう」
「やっったー、って佐々木君の腕そんなの付いてました?」
「あー…ちょっとね。いつも学校の時は付けてなかったんだけど今日は色々あって。」
「そうですか。言いたく無さそうだから深くは聞かないですけど、また教えてくださいね。」
そう言ってボタンを受け取った桃城は、ホクホクしながらどっか行った。
「ところで、この一年を1番支えた自信のあるこの錦山駿君には何もないのかね」
「無い。たった今友情の証は売り切れた。安心しろって、恩は返す。金でな」
「ありがとうごさいまーす」
「あ!やっと見つけた白色」
そう言って走って来たのは、黒井 咲
錦山の紹介で知り合った、中学からの同級生。
何を隠そう、実家からの脱出を手伝ってくれたのはこの子である。母が生活用品を買いに出かけた瞬間を見計らって、部屋に侵入し隠されていた鍵を見つけ、颯爽と救い出してくれた。さながらスパイ映画の如し。
「え!ボタンがない!しかも3つ目!?」
「熱い友情の誓いを交わしたんだ。でなんか用?」
「そうそう、校門の前で白色探してる人いたよ。なんか赤髪で、すっごいナイスバディなお姉さん。もしかして彼女?」
「なわけ。職場の上司だわ。じゃそろそろ行くわ」
「あー、警察の?この3ヶ月すごい特訓してたもんね。今日からなの?早くない?」
「そ。今日にしてもらった。2人とも今日まで特訓付き合ってもらってありがとね。じゃまたどこかで。」
そう言って教室を出る。あの二人とはどうせまたどこかで会う気がするので、さっぱりした感じで別れても問題ないだろう。
「まだ卒業式終わって、2時間位しか経ってないぞ。流石、自由な男は違うな」
「ねー」
「赤城山さん、遅くなりました」
「遅くなりましたって、今日卒業式なのかよ。学校に迎えって時点で疑うべきだったか。まぁいいや、乗りな」
「ありがとうございます」
「ウェルカーム」
「お久しぶりです。群山さん」
「調子はどう?」
「絶好調です。3ヶ月しっかり特訓もしてきましたし」「OK!とは言っても今日は座学なんだけどね」
「まず、基礎の基礎。君も持っているそのバングルについてなんだけど、どういうものか知ってる?」
「ざっくりですけど、確か世の中を繁栄させるために、昔のすごい人が作ったみたいな」
「そう!八割正解。基本の3つ、赤、青、緑にはそれぞれ属性があってそれぞれ火、水、木なんだけど」
「もっと詳しく説明するね」
「まず、赤のバングル。属性は火。これは主に耐火の性能が備わってる。時には火を持ち運んだり、時には火事の中に入っていって人を救助したり、そういう活動で功績を上げていったバングルだね」
「次に青のバングル。属性は水。こっちは潜水の性能が備わってる。水中でも呼吸ができちゃうって性能だから、漁をしてご飯を分け与えたり、海や川で溺れた人を助けたり、そういう活動で功績を上げていったバングル」
「最後は緑のバングル。属性は木。これには、植林の性能が備わってる。このバングルは簡単、とにかく木や草等々を地面が土であればどこでも生やせるって性能だね。この能力で、果物や野菜、薬草を色んな人に分け与えて功績を上げていったバングルだね」
「へー、でも能力の割に持て余してる感じありますね」
「そこなんだよ!佐々木君!」
「では次はバングルに隠されたヒミツといこう」
「秘密?」
「実はこのバングルには、もう一つ隠された使命があるんだ。実は数年に1度、強い欲を持った人間の元に黒いバングルが届くことがあるんだ」
「その黒いバングルの能力はその人の欲の加速と実現性を高めることなんだ。3ヶ月前、車を投げる男を見たでしょう。取り調べによるとあの男は、あの出来事の数日前に不当なリストラをくらっていたみたいなんだ。それでもうこんな世界どうにでもなっちゃえーって欲が加速したみたい。その欲を実現しようとして手に入れたのがあの超パワー」
「じゃあ、あの男が捕まったって事は、次の黒いバングルはまた数年後ってことですか?」
「いや、黒いバングルにはもうひとつ能力があって、持ち主が気に入った人間には、能力の弱まった黒いバングルを分け与えられるの」
「つまり、いっぱい作っちゃえば黒いバングルの能力者はいっぱい増えるってことですか」
「まぁそういう事よね。考えたくないけど」
「一応、今までの研究の結果で言うと、分け与える力の濃さは調節出来るみたいで、件の男にもっと濃いのが渡っていたら、ほんとに世界は終わってたかも」
「っていう所で、私達は黒いバングルを退けつつ、今までやってきたってわけなんだよね。それが英雄と呼ばれる所以」
「なるほど」
「よし!座学はここまで、明日から色んなお仕事について回ってもらうから覚悟してね」
「分かりました」
「あ、一応出社時間は自由だけど、明日は12時くらいに来てもらえると助かるー」
「佐々木君が私に隠し事?許せない…」
「やっと見つけたんだけど、返してくれない?ボタン」
「ボタン?」
「そう。佐々木白色の第3ボタン。」
「嫌です。そもそも誰ですか貴方。佐々木君の何?」
「うるせぇよ。私が誰だろうと佐々木白色の何だろうと関係無いだろ。友達なるまでは許したけどな、あんな告白紛いのあれは行き過ぎ。佐々木白色からの愛情も友情も全部私のもんなんだよ」
「でも、その欲だけは買ってやる」
「嫌!腕…離して…」
「その柄…佐々木君と同じ!うっ…」
3話でした
キャラのブレと説明力の無さを感じる
長文でした




