第17話 滅びゆく昆虫族
「すまない。我についてきたばっかりに……」
「何を言ってるんだグロス……気にする必要はない。僕らは自らあなたの部隊に志願したんだ」
「そうだよ、兄さんの言う通り、俺たちはみんなあなたと一緒に.......一緒に生き残ったり死んだりするんだ」
グロスを宥める人間の双子は人族の中でも珍しく昆虫族に友好的で、今日初めての実戦だった。昔から自然に敬意を持ち虫や植物を愛する家系だったそうで今回の戦争においては積極的に昆虫族との共闘に賛成していた。彼らはすぐにグロスの思想や強さに惹かれ慕っている様子だった。
「よし、我が囮になり、皆を安全な場所へ……」
「いいやそれはダメだ」
双子の兄は首を横に振る。
「あなたみたいな英雄が簡単にあんなリザードマンなんかの餌食になるのは看過できない。ここは俺が犠牲になる。馬を一頭託してくれ、なるべく遠くまで走るよ。どうかお願い」
「いや……そんな……」
グロスは戸惑う。今まで仲間が自分よりも先に死ぬのは多く経験してきたが、こんなのは初めてだ。他種族が自分のために死ぬと言う選択を選び取り前に立とうとするなんて。戦慄するゴキブリの王の肩に手を置くのは副将のドワーフだ。
「ここは彼の思いを無駄にしない方がいいんじゃないか。グロス、ここは従ったほうが良い」
改めて考えれば、自分は責任者だから自分が囮になるのは当然と考えていた。そのつもりだった。だが今の自分は昆虫族の代表と呼ばれ、引っ張る立場にいる。もし仮に自分が囮となって死ねば誰がただでさえ低い地位の向上、陰りが見える繁栄を誰が指導するのか。今後のことまでを考えると……自分は生きるべきなのかもしれない。そんな考えに至った。
「すまない……君の思いは受け取った。ありがとう」
グロスは馬に跨る少年を見て涙した。ドワーフが乗っていた馬を彼に託す。震える体で、何度も馬に跨るのを躊躇っている。
「兄さん!やっぱり僕が……」
「ダリル....気遣いはありがたいけどこれは俺がしなくてはならないんだ。俺がこうして死んだ方が、国からの恩賞が大きいと思うんだ。母さんと....エレナによろしく伝えておいてくれ....今言ったこと、上官に言わないでくれよ」
「兄さん!!」
彼には妻と、生まれたばかりの子供がいた。だからこそダリルはできるなら兄の代わりに自分が犠牲になりたかった。しかし自己犠牲という行動は、自己保身より優先されることが少ない。ダリルにはわかっていた。
弟には自分以上の覚悟はない。
「じゃあな……」
兄は去った。森の中で騒ぎが起こりリザードマン達が彼の足跡を辿っていく音がする。今のうちに撤退しようと移動を始める。本陣の方向へと、彼らが望んだ場所へと。だがしばらく走ったころに前方に待ち伏せしていたリザードマンの部隊、20匹現れた。
「しまったな……」
「やはり読まれていたか....」
苦し紛れの揺動はリザードマンに読まれており、待ち伏せされていた。スキルでステータスが人間の3倍強化されてるこの部隊を率いるのはリザードマンの中でも有名な魔剣使いだった。戦慄するグロス達に容赦なくリザードマンの部隊が襲い掛かる。
魔剣使いが40m離れた距離だというのに剣を素振りすると、副将はあっという間に腕を切り裂かれ鮮血があたりに飛び散る。
「ダムグン!」
「へっ見たかあ!凄いだろう!この剣の威力はな!切れば切るほど切れ味が増すんだ!この剣をくれた魔王様には感謝してもし足りない!」
副将のダムグンは痛みを抑えながら再び立ち上がろうとする。3族の中でも丈夫なことで有名なドワーフの体をあっさりと切断する魔剣に、グロス達は恐怖する。なんとか奮戦するが、一人、また一人と死んでいく。そしていよいよ、生き残りはグロスを含め4人となってしまった。絶体絶命。魔剣使いを前にして彼は感じる。
「くっ……」
「虫が……雑魚がァ……こんな雑魚にぃ……仲間たちがぁ……!」
魔剣使いは苛立っていた。最近の戦闘でリザードマンの仲間が次々とグロスの手によって殺されていたからだ。死ぬのは戦士として誇りがあるが、こんなゴキブリごときに負けるのは屈辱的なこと。
「まずその気持ち悪い足を一本ずつ切って、お前を挽き肉にするためにこの剣で何回もズタズタにしてやるぜ!!時間はたっぷりあるからよ~」
こちらに歩み寄ってくる敵にグロスはどうしようもないと諦め、ただ静かに祈りを捧げることしかできなかった。この場にいる4人全員、死を決意した。だがその時。
「ギャアアア!!」
大きな叫び声がする。魔剣使いの後ろにいたリザードマン3体は突然後方から飛んできた一本の矢にまとめて胸を貫かれつつ木にたたきつけられ絶命した。
「くっ……!なんだ!?敵か!?みんな!周囲を警戒しろ!」
10匹ほどのリザードマンが矢の飛んできた茂みの中へと警戒を強めながら入っていく。その間グロスたちは状況が理解できずただ呆然と立ち尽くしていた。
「ひゃあああああああ!やだっ!」
次の瞬間、悲鳴とともにリザードマンの腕や足、首が次々に茂みから舞い上がる。何者かがばっさばっさと木々の間で彼らを小間切れにしているようだ。
「誰だ!誰がそこで仲間たちをぶった切ってやがるんだ!?出てこい!!」
魔剣を構え、冷や汗をかきながら威嚇するように叫ぶ。静まり返った茂みから現れたのは、水色に輝く鎧を身にまとった騎士だった。背が高く、体型を見るに男性っぽい。顔はフルヘルムで覆われ表情はわからない。だがその姿は美しく気品に満ち溢れており、リザードマンの部隊を動揺させる風格があった。
「人間か!?やけに目立つ鎧だな!!」
そんな呼びかけに応じず、ゆっくりとこちらに歩みを寄せる騎士にリザードマンの兵士達はすっかり及び腰になってしまう。中には逃げ出すものもいた。
「馬鹿野郎!!臆するんじゃねぇ!こんな奴俺は今まで9999人切ってきたんだぁ。当然その分この魔剣の切れ味は最高潮だ!!恐れる理由がねぇんだよ!!」
隊長は勇猛果敢に前へ出て剣を横なぎに払う。誰もが真っ二つにされたと思った。だが騎士は上半身を1度も曲げず鎧が魔剣の刃を粉砕した。
「え……?」
「そんな……!!俺の魔剣がこんな!?ありえ.....」
一瞬で斬られたリザードマンの隊長は何が起きたか分からないまま絶命した。その間に生き残りのリザードマン達は逃げるように森の中に溶け込むが、騎士は見逃さず武器を弓に持ち替え矢を番え、特に照準を合わせる動作を行わず即座に矢を放つ。木々に弾かれることなく飛んでいく矢はまるでホーミングのように敵を追尾していき、残りの連中を次々に貫いた。
「ギャアア!」
「なぜ!?!?」
やがて部隊全員を仕留めるとその矢は勢い衰えぬまま騎士に向けて飛び、彼はボールをキャッチするかのように軽々と受け止めた。その衝撃は強大なものだというのに体はびくともしていない。一瞬にしてリザードマンの部隊を壊滅させた。
「す……すごい……」
ダリルが漏らした称賛に騎士は答えない。その瞳は兜の中で燃えているように見えた。
「……助けていただきありがとうございます」
グロスが代表して感謝を述べると騎士は無言でうなずき背を向けて歩き出した。しかしふと立ち止まり、こちらを見ずに低い声で言った。
「……彼があなた方を教えてくれた」
「彼……?」
ダリルが尋ねると騎士は顎で自分の来た方角を指す。その先から現れたのは一頭の馬、そしてその上に干された布団のように乗っている切り刻まれた双子兄の遺体があった。
「兄さん……」
泣き崩れるダリル。グロスは騎士の言葉を聞き一層の感謝を感じていた。きっと兄が最後に願ってくれたのだろう。「弟をお願いします」と。グロスは一礼して騎士に感謝を伝えると騎士は何も言わずまた歩き出した。その後ろ姿は威厳があり、その場に残った者たちの胸に深く刻まれた。
陣に何とか戻った後も、ダリルは兄の亡骸を前にしてに沈んでいた。もちろんそれはグロスも同じだ。無駄に命を浪費するだけの無駄な作戦に彼を踊らせ死なせてしまった罪悪感が2人の心を蝕んでいた。だけどもグロスとしては、すぐに二人とも立ち直らなくてはいけないと考えていた。自分には代表としての責務がある。この戦いに勝利するためにも、生き残るためにも、兄が遺したものを受け継ぎ、前へ進まなくてはならないと。
「兄さんは……いつも先に行って……待ってくれない……。双子だから何もかも一緒みたいに思われてたけど、僕からはずっと大きく見えてたよ……」
ダリルの涙が止まることはなかった。兄のことをずっと語り続けている。その悲しみは誰にもわかるものだが、ダリルはその悲しみに囚われるべきではないという考えがグロスの中にあった。このまま悲しみに暮れていても何も変わらない。兄が生きた証を残すためにも前に進むべきだと考えたグロスは決断する。
「ダリル」
「……はい」
「お兄さんに会いたいか?」
「勿論……!」
「そうか」
「えっ……?」
突然グロスは遺体の上にかぶせてあった布を取り払い遺体に齧りつく。驚愕するダリルが止めようとするのも聞かず一心不乱に兄の体を解体するゴキブリの王の姿に周りにいた人々が慌てて取り押さえるが、制止しない。遂には遺体のほとんどを食らい尽くしてしまった。
「何てことを!!兄さんを返せ!!」
激昂するダリルは泣きながらグロスを叩いた。だがグロスはしばらく咀嚼し何も返さない。
「なぜ!なぜこんなことを!?答えろ!」
「……君がこれ以上、兄に対する気持ちを引きずるわけにはいかないと感じたからだ」
「何言ってるんだ!」
「兄はこれで大地の一部へと進んだのだ。君ももう悔やむことは止め前に進むべきだ。例え物言わぬ身となろうと、その意思や肉体の中にある栄養は生きてこの世界を回っている。それは止まることも、戻ることもない。死という言葉に囚われてはいけない」
「....わけのわからないことを.....だからといって、そうやって奪うことなかったじゃないか!」
地面を叩き続けるダリルを尻目にグロスは歩き始めた。周りにいた人々はこのゴキブリの狂行に対して不快感を抱き、それが3族の中で徐々に広まって高かったグロスの評判が下がるきっかけとなり、昆虫族に対する風当たりが更に強くなった。陣の中で彼らの居場所は次第に消え、グロスは同じ昆虫族を率いるようになりさらに激しい戦線へ投入された。犠牲を多く出しながら活躍したがグロスに賛辞を送る者は少ない。
なぜなら以前グロスを助けたあの騎士が彼よりも大きく、華々しい活躍をしていたからだ。どの軍にも所属せず、ふらりと現れては暴れ回り、魔族を全員抹殺して去っていく。わかっていることは彼の身につける鎧や持っている武器が「伝説」と呼ばれている最高峰の宝具であることと、「ボブ」と名乗っていることだけだ。何故その武器や防具を手に入れているのか、そもそも人間なのかエルフなのかドワーフなのかさっぱり不明だ。とにかくグロスはその功績ゆえに自身の活躍がかすんでしまい認められることはなくなっていった。
そして、戦争は突如現れた勇者ボブが起こした追い風によって3族は形勢を逆転しついに魔族の軍は総崩れとなり各地へ敗走。3族は戦争に勝利した。だが勇者は魔王の城へ入って以降行方不明となり、また魔王もその日を境に消息を絶っていた。相打ちになったんだろうと人々は考え捜索を行おうとしたが魔王城自体消失してしまいかなわなかった。
そんなこんなで人族は勝利を収めたものの魔族の族滅には至らず不完全燃焼に終わっていた。3族の連合軍が解散して数年経ったころ、グロスはエルフの王に約束された土地の件について話をつけに行くことにした。なぜこうして数年後に話すことになったのか、それはエルフ側が勝手に森林全域を一時占拠し、その後昆虫族に領土を分割することなく3族で切り分け始めたからだ。いまや昆虫族の領土は戦争前の1割以下になっており、さらには開拓が始まって木々が伐採され始めた。
「エルフの王よ、久しぶりですね。」
「グロスか、久しいな」
森とエルフの国の境目にある伯爵の邸宅に招き入れられたグロスは丁寧に挨拶を行う。周囲には親衛隊と思われるエルフの精兵が配置されておりその視線はとても厳しく感じられた。昆虫族に対する差別意識は強そうだ。グロスは緊張感を覚えながら本題へと入る。
「さて……早速ですが私との約束は覚えていますよね?」
「約束……?はてなんだったかな?」
王は惚けた様子で首を傾げた。彼の態度からはまるで記憶にないと言わんばかりだった。その反応にグロスは眉をひそめる。
「同盟を結ぶにあたりこう約束をしたはずです。我々の領土の半分をそちらに割譲すると。ですが今、森林のほぼ全域にあなた方エルフや、人間、ドワーフらが押し入り開拓を進めている。これはどういうことでしょうか」
グロスの問いかけに対し王は口角を吊り上げて笑った。
「ほう?そうだったかな……」
「何を言っているんですか!?」
「あそこは我々が魔族から取り返した地だ。お前たち昆虫族の土地であるということはどこにも記録されてないし、誓約書もなにも結んでない。そして......」
王は机に身を乗り出して声を荒げる。
「そもそも貴様ら虫どもにはあそこに棲む資格も権利もない!!あそこは元々我々エルフの故郷なのだ!お前らが勝手に住み着いていただけなのを我が厚意で貴様らの生息地として認めてやってるだけだ!感謝されてもいいくらいなのだがな!!」
信じられない発言の数々に、グロスはただただ唖然とするしかなかった。昆虫族の土地であったことなど認めず、ましてやそれまで共に戦い生死をともにした存在を蔑むその態度に怒りを覚えずにはいられなかった。
「……このような一方的な理屈が通用するとは思えない。私たちは貴方がたを信じて協力してきたのに、それを裏切るような行為を許すことはできません!」
グロスは精一杯の抗議をする。だが王は冷淡な目で彼を見つめ鼻で笑った。
「…忠告しておくが、もしも我々エルフに歯向かうというなら貴様らの生き残り数千匹程度一瞬で駆逐されるのだぞ?わかっているのか?虫けらどもにはなに一つ勝機などないのだ」
その言葉にグロスはさらに怒りを募らせるが、しかし状況の深刻さも理解していた。今、戦争の影響で数の少ない昆虫族だけでエルフに敵うわけがない。ただ無意味に滅ぼされる未来しか見えない。
「……わかりました。今昆虫族が暮らしている土地の保持を認めていただけるのなら結構です。それに関しては譲れません」
「まあよかろう。お前たちが今いる資源に乏しい辺鄙な土地に居続けるのなら何も言わんさ」
「感謝する。では私はこれで失礼させていただく」
グロスは不満を隠せない様子でその場を去ろうとしたが、エルフの王に呼び止められた。
「まぁ待て」
「まだ何かあるのですか?」
「久しい再会なのだ。会食でもいかがかなと思ったのだが」
「会食……ですか?」
「ああそうだ。実は我は非常に興味を持っておってな。昆虫族の食事というものに。是非ともそれを披露してもらいたい」
エルフの王が手を叩くと、グロスの前に何かがなげだされた。それは人間の死体だった。首を絞められたような跡があり、ついさっき殺されたような雰囲気がある。
「これがお前たちゴキブリの好物だと聞いたことがあってな。どうだ?ついさっき刑が執行されたばかりの人間を手に入れるのはなかなか苦労したぞ。存分に味わうが良い。」
グロスは言葉を失った。エルフたちの笑い声が耳に響く。グロスの食事に嗜好はない。あくまでもゴキブリの食事は栄養を大地へと回帰させるためであって味わうためではない。それを知らないエルフたちはただただ蔑むようにゴキブリの食性を揶揄した。
「虫が人の死体を食らう瞬間とはどのようにおぞましいのか、はっきりと見てみたいなぁ、グロス。ああ、ひょっとして男は肉が硬くて嫌いだとかあったりするのか?」
王がニヤニヤしながらグロスに催促してくる。グロスは激怒し、エルフの王へと飛び掛かった。神聖な行為を侮辱したことが彼にとって許せないものだったからだ。しかし護衛のエルフたちがグロスと王の間に割りこんでくる。
「インセクト・コネチェビス!!」
グロスはすぐさまスキルを使用し、彼らの持つ槍を防ぐべく全身に昆虫の装甲を展開しようとしたが、何者かが親衛隊の中から飛び出てグロスの下に潜り込み、一撃で腹部を切り裂いた。
「えっ?」
何が起きたか理解できずグロスは呆然とする。いつの間にか腹部から体液が流れ落ちていき、遅れて鋭い痛みが襲う。装甲が展開されるよりも早く攻撃を当てられたのだ。
いつの間にか王の隣に、フード付きの外套を身に纏った人物が立っていた。体つきは中性的で男か女かわからない。フードの奥にある目は見ることができないが口元には柔らかい微笑みが浮かんでいた。
「さすがだな!!ナイトメア!!どうだグロス、もはやスキルはお前のような選ばれた者が持つものではなくなりつつあるのだ。まぁまだ一部のエルフにしか適応できないが、いずれ全エルフがスキルに目覚める時が来る!そんな技術がお前らにはあるか?ないだろう?ハハハハハ!」
そんな高笑いが響く。痛みのせいで意識が遠くなるグロスの頭にはさまざまなことがめぐっていた。はなっからあんな取引を結んだのが間違いだったのか。何が正しかったのかさっぱりわからなくなった。ただ、これだけグロスは理解した。自分たちは利用されただけであり、勝利を得た後は見捨てられる運命であったことを。そしてこれから族滅に向こうは動いていることを。このまま屈辱の中で死にたくない。彼は力いっぱい足を踏ん張り痛みに耐えながらスキルを発動した。
「インセクト・コネチェビス!」
こんどは体から煙を噴出し周囲を包み込み視界を遮った。それによってナイトメアが行おうとしていた死角からの攻撃を防ぎ、そのまま空中へ跳び上がり窓ガラスを突き破って森へと逃げた。ナイトメアはそれを追おうとしたが王に制止される。
「あんなゴキブリが今更逃げたところで何もできまい。森へと進行する準備だ。各地へ伝達せよ。エルフの王に昆虫族が弓を引いたと」
その後グロスは3族からも、同族からも姿を消した。その後森林の中で3族による昆虫族の掃討戦が行われ、それはまさに虐殺とも呼べるものとなった。ほとんどの虫が死に絶え、昆虫族の民たちはほんのわずかまで減少。グロスはただただ、同族の遺体を食らい回収していく日々を過ごし、各地を転々として200年の時が流れた。




