第35話(第5話):最後のシミュレーション、あるいは檻の鍵を渡す者
時を経て迎えた、西暦2026年、運命の選挙戦初日の朝。
サークル室のホワイトボードには、これまでに4人が膝を突き合わせて暴き、積み上げてきた、この国の歪んだ洗脳システムの全貌が黒々と書き連ねられていた。
ついに本番の街頭へ打って出る直前、これが本当に最後のシミュレーション。大きなホワイトボードの前に立つ佐藤の横で、熱血漢の先輩が、腕を組みながら盤面の文字を睨みつけ、重苦しい声を絞り出した。
「佐藤、御剣。お前たちが組み立てた因果の線は完璧だ。だがな、俺は最後の最後に、最も強固で、最も冷酷な『現実の壁』に気づいちまった。
……今の現状をリアルに見てみろよ。物価高に増税、インボイスに日々の労働……。駅前を行き交うあいつらはな、バラマキを求めてるんじゃない。甘い約束を信じる気力すら残ってないほど、毎日を生きるだけで精一杯なんだよ。民衆の本音はな、『忙しすぎて、選挙のことなんて考えてられん』。これだけだ。
あいつらは冷めているんじゃない。日々の生活に文字通り『忙殺』されて、疲れ果て、考えるエネルギーを根こそぎ奪われているんだ。そんな疲れ切った脳みそを持った人間たちに向かって、俺たちがどれだけ真摯に正論を説いたところで、最初から聞く耳を持てるだけの心の余裕が、大衆には一ミリも残されていないんだよ! この圧倒的な無関心の壁を、俺たちはどうやって突破するんだ!」
サークル室に、本日最も重い、息が詰まるような沈黙が流れた。
その沈黙を破るように、近藤さんが手元の資料を強く握りしめ、リアルな生活者の声を響かせた。
「先輩の言う通りです……。私の地元の友人たちも、みんな毎日夜遅くまで働いて、迫る支払いに胃をキリキリさせて、政治のことなんて考える余裕すら奪われています。だけど、誰かがそれを真摯に指摘してあげないと、みんな『自分がダメだから生活が苦しいんだ』って、自己責任の檻に閉じ込められたまま、ずーっと気づかずに赤信号の崖っぷちまで歩いていってしまうじゃないですか!」
御剣怜が眼鏡の位置を指で軽く直し、あの落ち着いた冷淡な声で、法理のメスを綺麗に突き立てた。
「ええ。大衆が忙殺を言い訳に目を背けているその瞬間に、特定の組織や利権団体が『団体票』というガチガチの数の暴力で、自分たちの収益だけに最適化された『企業の傀儡の議員』を永田町にのさばらせている。これこそが、お上が完成させた完璧なハッキングシステムよ。これに対抗してシステムを再起動させるためには、利権構造に一切取り込まれていない、まだ誰の家畜にもなっていない若い未組織の力が、全員で目覚めて投票所へ向かうしかないの。それこそが、この国に残された唯一の防衛システムの強制執行よ、佐藤君」
「ああ。三人とも、その通りだ」
ホワイトボードの前に立つ佐藤は、中身の就職氷河期おじさんとしてのすべての怨念と、15年間血の滲む思いで勉強し直してきた圧倒的な知識をその目に宿し、サークル室の空気を震わせるほどの低い声で語り出した。
「……だからこそ、俺たちは街頭へ行くんだ、――先輩。忙しくて選挙のことなんか考えていられない。……だったら、ただ傍観していることすらできなくなるほどの、圧倒的な熱を持つ『剥き出しの真実』をその脳髄のど真ん中に陳列して、冷え切った大衆の心に火をつけてやればいいだけの話じゃないですか!」
先輩がハッと目を見開いた。佐藤はマーカーをホワイトボードへ力強く叩きつけ、お上がひた隠しにし、大衆が忙殺の陰で見落としている『北海道の冷酷な現実』を一気に書き並べ、その声をサークル室に響かせた。
「皆さん、情報をお上やメディアから与えられるのを待つだけの『飼い慣らされた羊』のままでいてはいけない。自分から真実を取りに行かないから、今、北海道で起きているあまりにも生々しい『身内による売国のファクト』を、あなたたちは何一つ知らないんです!
メディアが『夕張を財政破綻から再生させた若きエース』ともてはやし、今や北海道のトップに座っている鈴木直道知事。東京都出身のこの男がやった本当のファクトを、あなたたちは知っていますか? 財政を回復させた高尚なやり方なんて嘘っぱちだ。こいつがやったのは、夕張市が持っていた大切な財産、4つのホテルやスキー場といった観光資源を、わずか2億円あまりという二束三文の叩き売りで中国系の資本に売り飛ばし、お上のサイフの数字を合わせただけの『国益の切り売り』じゃないか! なんてことしてくれてんだって話ですよ。その中国企業は、買収した夕張の財産をすぐに別の外資へ転売して、10億円以上の旨みを掠め取っていった。これが、あなたたちが騙されている勝ち組の再生ビジネスの正体だ。
さらにそれだけじゃない。日本人が血と汗を流してあの極寒の大地を切り拓いてきた、誇り高き歴史の背骨の象徴であった、築百年の『北海道開拓記念塔』を、お上どもは『維持費がかかる、財政が逼迫している』という目先の保身の言い訳だけで、重機を入れて跡形もなく完全に解体して崩し去ってしまったんだ!
さらに皆さん、耳を疑うようなとんでもない事態が、今まさに現在進行形で進んでいる事実を知っていますか? 現在、帯広の南をはじめとする北海道の要衝で、『アイヌの伝統保護』や『多文化共生』という綺麗事のラベルの陰で、勝手に新たなコミュニティや村のような仕組みが作られようとしている。
そしてその裏の本当のファクトは、アイヌの特権や制度を都合よくハッキングした海外勢力が広大な土地を買い占め、そこに将来的に中国人を大量移住させて、日本国でありながら日本の法律が届かない『合法的な乗っ取りの拠点』を内側に完成させようという、おぞましい人口侵略のプログラミングなんです! 奴らは、この日本という國の一番端っこにある、最も防衛が手薄で広大な大地を持つ『北海道』から順番に、完全に狙いを定めて内側から喰い破ろうとしているんだ!
さらに皆さん、あなたたちが歴史の真実だと思い込まされている『アイヌ民族』の裏にある、恐ろしい歴史書き換えのファクトを知っていますか!? お上が綺麗な言葉で進めるアイヌの優遇措置ですが、その認定基準のファクトはあまりにも出鱈目です。戸籍や科学的なDNAの証明なんて一ミリも必要ない。『利権団体がこの人はアイヌであると認める』、ただそれだけのガバガバな根拠だけで、血の繋がりが全くない全然違う赤の他人や外国人であっても、合法的にアイヌになれてしまうのが今の狂った現実なんです。
そして何よりおぞましいのは、その嘘を本物にするために、お上や利権側が現在進行形で歴史の証拠を『消去』しているという事実です。実際に、稚内の博物館や展示館に足を運んでみてください。そこにあった、先人たちが書き残した本当のアイヌの歴史の説明文が、お上の力によって無理やり上塗りされ、都合のいい偽物の文章へと書き換えられている。あなたたちが今、そこに見に行っても、読まされるのは隠蔽された後の『偽物の文章』だけなんだよ! 二千六百年の本物の真実が裏で綺麗に消し去られ、お花畑のフェイクが公的な歴史にすり替えられている。これほど恐ろしく国家の破壊が、あなたたちの見えない足元で静かに進んでいるんだ。自分から情報を取りに行かない大衆をいいことに、歴史の背骨を内側から腐らせ、国土の旨みを外国に差し出しているスパイどもの正体を、俺たちは今すぐ白日の下に陳列しなければならないんだよ!」
佐藤の圧倒的なファクトの連射に、サークル室の空気が激しく震えた。
「あなたたちが『忙しくて政治なんか見られない』『自分には関係ない』と現実から目を背け、最初から関心を持とうとしないその瞬間に、利権側は裏で美味しい甘い汁を吸い、あなたたちの生活をますます困窮の檻に縛り付けている。
なぜ今の選挙や政治がこれほど強固でびくともしないのか。それは、一般の有権者が忙殺されて寝ている間に、特定の組織や利権団体が『団体票』というガチガチの数の暴力で、自分たちの収益だけに最適化された『企業の傀儡の議員』を永田町にのさばらせているからなんだ! そんな構造に対抗するためには、利権構造に一切取り込まれていない、まだ誰の家畜にもなっていない若い未組織の力が、全員で目覚めて投票所へ向かうしかないんだよ。
特に団塊ジュニアや、就職氷河期世代で本当に苦労してきた人たち、日々の生活費に追われて時間がなくなっていく現役世代、整理整頓された嘘の裏で結婚すらできずに未来への不安を抱えて耐えている多くの女性たち。あなたたちが日々感じているその行き場のない不満や生活の苦しさ、そのすべての大元にある諸悪の根源は――他でもない、この現行のオキュパイド・ジャパン憲法なんだよ!
国を護り、減税で国民の財産を守るという当然の背骨が抜かれ、日本を縛り付けるために押し付けられたオキュパイド・ジャパン憲法という大元のプログラムを変えない限り、あなたたちの生活も、この国の病理も、絶対に治りようがないんだ!
いまだに『憲法九条』というお札を盾にして、お花畑の綺麗事を並べているアホな連中がいますが、そんな欺瞞のロジックは冷徹な国際法とファクトの前には一瞬で木端微塵に論破される!
皆さん、よく考えてみてください。俺たち今の世代は、先人たちが二千六百年にわたって命がけで命脈を繋いできてくれた、この素晴らしい日本の未来そのものを今、真ん中で『任されている』わけですよ。それなのに、こんなアメリカの思惑通りに骨抜きにされ、毟り取られ、スパイや利権に内側から食い荒らされた『オキュパイド・ジャパン』のままで、未来の子供たちにこのバトンを渡していいんですか!?
せっかく連綿と繋がってきた誇り高き歴史があるのに、俺たちの代の保身と諦めのせいで、ボロボロになった国を次の世代に押し付けるなんて、俺は絶対に許せない! 先人に対しても、未来の子供たちに対しても、あまりにも顔向けができないじゃないですか!」
「――皆さん、愛国心はお持ちですか。この日本を愛する気持ちはお持ちですか。……じゃあ、愛国心って、本当は何ですか?」
サークル室の空気が、佐藤の問いかけによって一瞬で張り詰めた。沈滅を破るように、まず先輩がポータブルスピーカーのハンドルを強く握りしめ、顔を紅潮させて吠えた。
「右だ左だと叫ぶことでも、日の丸を振って誰かの悪口を言うことでもねえ! 俺にとっての愛国心はな……自分の生まれ育ったこの土地や、今を必死に生きてる仲間たち、職場の同僚、そして未来の子供たちを、お上や利権側の理不尽な搾取から意地でも護り抜きたいっていう、理屈抜きの泥臭い責任感そのものだ!」
続いて、近藤さんがチラシの束を胸に強く抱きしめ、目にうっすらと涙を湛えながらも、ベースにある生活者の視点から、凛とした声で言葉を重ねた。
「私もそう思います。誰かのせいにしたり被害者のフリをして寝そべるんじゃなくて、日々の生活困窮や忙殺の檻をみんなの手で解き放って、これから生まれてくる子供たちが当たり前に笑って明日を生きられる正しい日本を、投票っていう自分の主権で取り戻すこと。これこそが、私たちが足元から見つけた、本物の愛国心です!」
二人の答えを聞き、御剣怜が眼鏡の奥の冷徹な瞳をきらめかせ、静かに、しかし絶対的な知性の重みで最後の一線を総括した。
「ええ。法理の観点から言っても、愛国心の定義は一つよ。先人から連綿と受け取ってきた二千六百年の美しい國を、これ以上泥棒どもに切り売りさせず、正しい姿のままで次の世代の子供たちに必ず引き継ぐという、私たち現役世代の『命がけの義務』。それ以外の何物でもないわ、佐藤君」
佐藤は3人の顔をゆっくりと見渡し、深く、不敵に頷いた。
「ああ、全員その通りだ。お前たちが今吐き出したその魂の言葉こそが、利権側やメディアが教える薄っぺらい嘘を木端微塵に粉砕する、事実陳列党が提示する本物の『愛国心』の姿なんだよ!
皆さんが『誰が政治をやっても同じだ』と冷めているうちに、あなたたちの貴重な人生の時間(命)は、この歪んだ利権システムによって無駄に消費され、ただ利権側の奴らへと吸い取られていくだけなんですよ!
誰かのせいにして被害者のフリをするのはもう終わりにしましょう。騙され、搾取されているこの冷酷な現実に、早く気付いて、早く目覚めてくれないと、自分自身が一番後悔するんですよ! 私は、この諸悪の根源たる憲法を改正し、この日本を再起動させる!
あなたたちが投票を放棄して諦めているから、システムがドロドロに腐り果てていく。俺たちの代の分母(数)を早く集めて、お上の想定を頭越しに突き破るだけの圧倒的な票数を叩き出す。この事実の陳列を持って、あなたたちの生活を文字通り『忙殺』している真犯人の正体を冷徹に証明し、自分の手でその檻の鍵を壊して立ち上がるための牙(主権)を、もう一度その手に取り戻させる。わかる人はわかる。気づく人は気づく。その真摯な一撃の弾道を持って、俺たちはこのサークル室の扉を開けるんだ」
佐藤の宣言とともに、御剣怜が眼鏡の奥の瞳を細め、フッと静かな納得の笑みを漏らした。
「ええ……これで本当に、1ミリの淀みもない因果の線が完成したわね、佐藤君。私たちは大衆を甘やかす偽物の政治家ではない。ただ真実を陳列する、最初の目撃者よ」
「佐藤さん、先輩……! それなら、このチラシを見てくれませんか!」
その時、近藤さんが胸にしっかりと抱きしめていたチラシの束から、1枚の紙を机の上に勢いよく滑らせた。
「今の日本の人たちは、物価高やインボイス、目先の法律の細かい不満だけで『わちゃわちゃ』と揉めて、絶望しています。だけど、そのごちゃごちゃした揉め事はすべて、お上が作った『オキュパイド・ジャパン憲法』っていう歪んだ巨大な大枠(檻)の『中』で躍らされているだけなんです。このすべての諸悪の根源(元)である『大枠そのものが、世界の常識から見て完全に異常なんだ』ってことを、自分から情報を取りに行かない大衆に一目で教えるために、私、歴史のデータを絵にして陳列してみたんです!」
机の上に陳列された近藤さんの手作りのチラシには、誰もが息を呑むような冷徹な『事実の図解』が描かれていた。
一番上には『日本における憲法の歴史』という重厚なタイトルが掲げられ、建国から現代までを一直線に貫く太い歴史の矢印の上に、日本にたった3回しか存在しない憲法が、年代と共にアイコンとして綺麗に並べられている。
1.西暦604年:十七条憲法(國の背骨・和の精神)
2.西暦1889年:大日本帝国憲法(近代国家の強固な盾)
3.西暦1946年:オキュパイド・ジャパン憲法(戦後に押し付けられた冷酷な檻)
さらに、お上の綺麗事の化けの皮を剥ぎ取る、世界の改正回数との圧倒的な数字の対比データが冷酷に書き添えられていた。
『アメリカ27回、フランス27回、ドイツ60回以上、イタリア16回。……そして、日本0回。』
2600年の日本の歴史において、部分的な『改正』が施された歴史は一度も存在しない。古い大枠を一度もアップデートせず、戦後ずっと檻の中で思考停止している世界で唯一の異常な大枠の正体が、その1枚の絵に見事に凝縮されていた。
「おい、近藤……これは、すごいぞ……っ!!」
腕を組んでチラシを覗き込んだ先輩が、その凄まじい分かりやすさに目を見開き、魂を震わせて机をドンと叩いた。
「今の駅前を行き交う、忙殺されて冷え切ったバカどもでも、この絵と0回という数字を見た瞬間、自分たちがどれだけ異常な檻にハメられているか一発で理解できる! 綺麗事の法律論なんて全部ブッ飛ぶぞ。おい佐藤、これならいける、これなら一発で大衆の脳みそに火がつくぞ!」
御剣怜も眼鏡の奥の瞳を美しくきらめかせ、近藤さんの肩に優しく手を置いた。
「素晴らしいわ、近藤さん。悪口を叫ぶのではない。彼らが言い訳できない客観的な歴史の数字をただ陳列して、その嘘を窒息させる。これこそが、私たちの『事実陳列党』の最強のチラシよ」
佐藤は静かに頷き、ホワイトボードのペンをトレイに置いた。コト、という小さな音が、サークル室の張り詰めた静寂を深く切り裂く。
その瞬間、部室の中の空気が、まるで巨大な砂時計がひっくり返ったかのように、凄まじい密度で急激に回り始めた。
熱血漢の先輩が、握りしめていた拳をゆっくりと開き、ポータブルスピーカーのキャリーハンドルをガチリと力強く握りしめた。その目には、もはや不安など一ミリも残されていない。
近藤さんが、胸の奥の熱い震えを抑え込むように、チラシの束を両手でしっかりと抱きしめた。その視線は、真っ直ぐに部室の扉を見据えている。
そして、黒髪を初夏の風に揺らした御剣怜が、一歩、佐藤の真横へと並んだ。眼鏡の奥の冷徹な瞳が、未来の子供たちへ本物の日本を返すためのこれからの戦いを前にして、かつてないほど激しく、誠実にきらめいている。
コールも、掛け声も、お祭り騒ぎのノリも、ここにはもう一切存在しない。だが、4人の呼吸は、ホワイトボードに書き殴られた『ストリーミングから赤信号へ至る事実の弾道』と、今や完全に一つにシンクロしていた。狭いサークル室の四壁が、駅前広場の数千人の地鳴りのように、目に見えない地響きを立てて細かく震えている。
「行こう」
佐藤が短く告げ、重い鉄の扉のノブに手をかけ、ゆっくりと引き絞る。
隙間から差し込む、眩しいばかりの初夏の太陽の光。その向こうで、忙殺され、思考を奪われた大衆の海が、彼らの事実の陳列(宣戦布告)を静かに待っていた。
「皆さん、こちらは【事実陳列党】の佐藤です! 私は綺麗事の政策を並べにきたわけじゃありません。私はただ、この国の本当の姿を、もう一度皆さんの前に陳列しにやってきました!」
(第3部・国家奪還編 完)
本作をここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
現在の私の言いたいことは本文に全て詰め込みました。ここまでの作品を作るに至って、色々とお話を聞かせていただいた皆様に感謝を申し上げます。
特に、戦前・戦時中の壮絶な実体験から歴史の誠実な本質を教えてくださった柴田様のお父様、そして有田米男様と愛犬のメリーくん。お二人が繋いでくれた曇り空の真実があったからこそ、この物語の太い正論の背骨が生まれました。心からの深い感謝と敬意を申し上げます。
一方で、この15年の間に仕事の中で耳にした、草川様や相良様たちの『日本がすべて悪かった、無理やり戦争をさせられたんだ』という戦後教育の自虐の論。しかし、あの時に感じた『何かおかしい、私は納得がいかない』という強烈な違和感やその反対の論こそが、私自身が今の社会やシステムに対して疑念を持ち、自らの頭で冷徹なファクトを探り始めるための、絶対に欠かせない大切なきっかけ(原動力)となりました。その意味も含めて、お話を聞かせていただいたすべての皆様に、改めて感謝を申し上げます。
今はもう天国にいらっしゃる柴田様、有田米男様、そしてメリーくん。皆様が命がけで守り、私に託してくださった本物の日本の姿を、どうか天国からみんなで一緒に読んで、見届けてくれたらこれほど嬉しいことはありません。本当にありがとうございました。




