#11 暗殺者の急襲
―地下8階 12/22 午後9時 残り59時間―
集合時間まであと3時間。
僕達はあの後、しばらく走って少し狭い個室にたどり着いた。
そこで腰を下ろして、疲れた体を癒していた。
「夕姫、何か見つかった?」
この部屋は冷蔵庫1台に机、そしてベッドが1つという異様な部屋だった。
冷蔵庫には清涼飲料水のペットボトルが数本あり、今夕姫は机を物色している。
「うーん・・・とんでもないものが出てきちゃったよ・・・」
夕姫が少し困った顔そう言う。
僕は飲み物を飲み干し、夕姫のほうへ近寄っていく。
「うわぁ・・・」
机の上にでかでかとM79グレネードランチャーが置かれてあった。
チャーリーキラーと呼ばれ、軽く低反動だが威力は申し分なく、ベトナム戦争などで使われていた歩兵支援用の中折れ式の投擲器だ。
他には以前見たことのあるような小型のメモリ、あとは銃のマガジンが大量にある。
「このいかにもなものは置いておいて、このメモリってどこかで見たことない?」
夕姫がメモリを手に取って調べ始める。
「そういえば、地下10階にあったのと似てる気がする・・・。」
「じゃあ試してみましょ。」
夕姫は端末を取り出してメモリを接続する。
すると、インストールの画面が立ち上がってプログラムがインストールされる。
「Circumstantiation of a map 」
マップの詳細化。
マップが詳しく表示されるようになった上、半径50mの範囲の熱源を表示出来るようになったようだ。
「こっちの弾倉はどうする?」
「あ、りゅうくんの銃だけ持っておいて。」
夕姫は弾倉から弾丸を取り出してポケットに入れる。何に使うのだろうか?
とりあえず僕はベレッタの弾倉を交換しておいた。
突然、端末が震え始める。
マップに熱源が出現した。しかもこちらに近づいてきている。
「りゅうくん!?」
僕は一瞬で奴だと悟って、M79グレネードランチャーを担いで部屋から飛び出した。
部屋を出るとすぐに奴が角から姿を現した。
白い金属のボディに頭部は一ツ目で両腕のブレード。
そう、先程襲ってきたロボットだ。
「くっ・・・!」
効かないと分かっていても僕はベレッタを発砲した。
案の定、弾丸は当たったがボディを少し凹ませるだけで、弾は弾かれてしまう。
ロボットがこちらを向いたのを見るや、僕はすぐさま背を向けて走り出した。
とりあえず広い通路に呼び寄せる。僕が咄嗟に立てた作戦だった。
ロボットがこちらを追ってくる。
ジリジリと距離を詰め寄られる。
僕が比較的広い通路に出たときには、今まさにロボットが飛びかかろうとしていた所だった。
ロボットの動きがスローモーションに見える。
両腕を掲げ、ジャンプしている。
僕はすかさず脇に転がって避ける。
しかし、ロボットは軽快な動きで態勢を立て直して追撃を仕掛けてくる。
負けじと僕も壁を押して攻撃から避けようとする。
左の刃が僕の右腕を掠る。
「ぐぁ・・・!痛っ・・・!」
服が破け、身が裂ける。
なんて切れ味だ。まともに喰らえば一瞬で真っ二つに違いない。
僕は流れる血をもろともせずに距離を取るために駆け出す。
広い通路に呼びこんだ理由、それはM79グレネードランチャーは20m以上飛ばないと弾頭が破裂しないからだった。
ベレッタも効かず、電撃も効かない今頼れるのはこいつしかいない。
その為にもなんとしてでも距離を取らなければいけなかった。
「伏せて!」
突然前から声がする。
夕姫が立っていた。
「電撃は効かなくても、流石にこれは効くでしょ!」
手の平には1発の銃弾。
それを投げ、そして撃ちだす。
・・・電磁誘導によって。
レールガンによって撃ち出された弾丸はロボットの腹部に直撃する。
弾丸は貫通。ロボットは弾き飛ばされ、壁に激突する。
「りゅうくん!今よ!」
「分かった!」
M79グレネードランチャーを構える。
ロボットまではおよそ30m。
外す要素は無い。
弾頭は発射され、壁に突き刺さっているロボットに直撃する。
弾頭は破裂し、ロボットの装甲を次々と破壊していく。
そして、ロボットは動かなくなった。




