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Chocolate  作者: 丁 謡
6/6

由岐陽子のツキに関して

「クウウウ、みんなアキのチョコレート食べてンだろうな〜」

夕方意識がやっとしっかりしてきた私は、つくづく己の運の無さを嘆いてみた。

しかし、風邪をひいて熱もあってベッドから身動きできない状態ではいかんともし難い。今日学校に行っていたら、きっと面白いものをみられたはずなのだ。

同じクラスの日生はアキにぞっこんで、そばにいる私達にすら嫉妬ぶくみの視線をとばしてくる。ヒロはそれに関してげんなりして、シホは何故睨まれるのか解らず首をかしげ、私はその面白さに内心で腹を抱えて笑っている。

アキ自身は日生の思いに気付いているもののどうも本気にはしていないようだ。ヒナの刷り込みの原理に近いなどと分析しているみたいだ。一番図太いのはアキにまとわり付きながらシホを狙っている長柄だろう。あの日生の凍るような視線にまったく気付いていないようなのだ。

「ああ、今日の愉快な時間よ、カムバ〜ック」

「ヨウ、はいるぞ?」

「ん〜」

同居人兼恋人、伊藤朔哉の入室許可に返事をする。

「どうだ?」

「ありがとう、ちょっとはましになった。サクちゃんごめんね。仕事大丈夫?」

「ああ、気にするな。俺の仕事は融通がきくんだから。ほら、お粥作ったから食べて薬飲め」

「うん。ありがとう。」

甲斐甲斐しく世話をしてくれる恋人に思わず顔が緩む。ま、たまにこういうのもありかな。

「ああそうだ、さっき西片さんが見舞いを届けてきてくれたぞ。詳しくは、携帯のメールを見ればいいとか言ってたが?」

「え!?ほんと!サクちゃん私のケータイ取って!」

「わかったから先に、お粥くっちまえよ」

「ぶうううう」

「ほれ、あ〜ん」

「むう。あ〜ん」

朔哉に冷ましたお粥を口に運ばれて、気分は鳥のひなだ。こんなところは絶対にアキやヒロには見せられない。いや、もっと見せられないのはシホか?真っ赤になりながらもあのおっきな眸を真ん丸に潤ませてこっちを固まったように見つめ続けるに違いない。

「ヨウ?」

「ん、なんでもない」

「食べる時は食べることに集中しな」

「うん。ねえ」

「ん?」

「アキのお見舞い何?」

「ああ、チョコレートのケーキみたいだぞ?」

「やった〜!絶対食べられないって思ってたのに!アキありがとう!なんて優しいの!」

私の言葉に朔哉が苦笑いを浮かべる。どうしたんだろ?

「‥お前がそういったらこう伝えといてくれと頼まれたんだが」

「うん?」

「食いもんの恨みほど怖いものは為し。だそうだ」

アキはよ〜く私のことを知っている。多分目の前の恋人よりも。ときどきそれが朔哉には面白くないようだけど。

「‥まぁ、確かにそうね。今日食べられなかったらず〜っと言い続けたもん」

「おまえね。ほら、最後の一口」

「ん」

「あちゃ、薬もってくるの忘れた。ちょっと待ってろ」

「サクちゃん、だったらケータイ先にとって」

「おう、ほら」

「さんきゅ」

メールをチェックする。

「何々…長柄〜あいつゆるさん!」

「どうした?大声だして」

「あたしの分のケーキ食ったやつがそのうえシホまで手に入れたのよ〜!」

「はあ?」

「ヴァレンタインの友チョコをクラスのやつが食べちゃったの!それでアキ、わざわざもっかい作ってお見舞いに持ってきてくれたのよ」

「ああ、なんか俺の分もあるって言ってたな」

「うん、それもかいてあった。二人で仲良く食べなって」

「それで池波さんがどうしたって?」

「あのね‥」

私の愚痴をくまなく聞き取った朔哉は、子供をあやすようにあたしの頭を撫でた。

「つまり、池波さんは無事に両思いになったと。良かったじゃないか。ほれ薬のみな。」

シホは私の妹分のようなものだったのだ。それを長柄に奪われて面白いはずがない。たとえシホが両思いで幸せなのだとしても。 私はしぶしぶそのニガ〜イ粉薬と面白くない現実を水で流し込んだ。

「‥ニガ」

「はいはい。お姫さま、お口直しですよ」

そういって朔哉は私に口付けた。それは甘いチョコのおまけ付きだった。

これにて終了です^^

お粗末さまでした。

チョコ売り場の熱気がすごかった〜

日曜はもっとすごくなるのかしら?

友達の後をついてっただけでしたが、あのエネルギーが恐ろしく端っこの方に退避してました^^;(試食はしっかりしたけどなw)



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