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4/14 家での最後の日

 4/14


 ケアマネさんと訪問看護師さん、訪問リハビリ担当者さんが弔問に来てくれる。


 母は出不精で、人付き合いが面倒で(嫌いではない)、人を招くのも嫌いなので、知らせる人が殆ど居ない。親戚は遠く、母の兄弟もほぼ亡くなっているので、知らせる必要はないとも言われている。新聞に載せる手もあるのだが、たいした付き合いもないのに知らせる必要もないし、歳がバレるから嫌だという。

 それもあって、完全家族葬を選んだわけだが、弔問が一人もいないというのも寂しいのでは、と思っていたところに、最後までお世話になった3人がいらしてくれた。


 母の話をしながら、ああ、やはり介護サービスで手助けを頼んだのは正解だったなと思った。

 知り合いが少ない母だからこそ、私も、母を知り、母の話を出来る人がいないのだ。4か月程度の付き合いではあったけれど、リハビリ担当者さんは3回しか来てもらったことないけれど、それでも直近の母を知り、その話をする事が出来る。私の愚痴も多少言える、その存在が非常にありがたいと思った。さらに綺麗なお花までいただいた。棺に入れてもいいし、家で飾ってもいい。


 午後には粗大ごみを市のクリーンセンターに出しに行った。兄の部屋のものが中心だが、ボロボロになったよしずや、先日取り外してもらったトイレのオイルヒーター、出し忘れていた段ボール、本、小電など、私のアルトに積めるだけ積んで持って行った。兄の部屋はだいぶ整理が出来たと喜んでいた。

 本当は母の服などを出したかったが、まだ体があるから止めておいた。急ぐ必要もない。


 母は今日まで家での安置となる。これを選んだのは正解だったねと兄とも話をしている。斎場だったら

何度も見に行ったりと落ち着かなかっただろう。逆に行かないのも落ち着かないだろうし。その点、家なら私たちが出かけても犬が見ててくれる。母がクラシック好きなので、家ではCDを流し続けている。告別式では私が演奏する予定だが、最後の最後でへたくそと言われたのが響いていてちょっと滅入っている。


 斎場には兄の勤め先から2基のお花はいただいているので、そこそこ豪華にもなりそうだ。私の勤め先は家用のお花なので、そのまま飾ろうと思う。


 そしてペーパーフラワーは母の年の数、93個作れた。9個の大きい花と、84個の小さい花。100作ればよかったかなあと思わなくもないが、歳の数というのもいいだろう。棺のなかで少しでも明るくなればいい。その他にスイーツ好きな母にと、お菓子の詰め合わせと、お茶が好きなので、兄が誕生日のプレゼントとして買った(買わせた)パックのお茶を詰め合わせた袋も用意した。

 最後まで執着した自分のバッグにメガネと入れ歯も用意してある。白装束だけでは寂しいので、お気に入りだったワンピースに、使い古すまで使ったストール、靴も入れられればと用意してある。

 

 明日にはもう姿が無くなるのかと思うとさすがに胸に来る。一応本人に説明しているけれど、わかっているかなあ。


 そして本日の心霊現象は、明日の喪服の靴下を物置で探していたら、兄が廊下を歩きながら何かを言ったので、「何?」と言いながら物置を出たがいない。先ほどの足音からトイレだろうと思っていたのであまり不思議にも思わなかったが、兄が出てきてから「さっきは何?」と聞いたら「何って、何?」


 廊下で何も言っていないという。その前後も。


 どう聞いても兄の声だった。あれは一体……!!


 母のせん妄が私にも見え&聞こえるようになってしまったのか!?


 空中を泳ぐ金魚以外、止めて―――!!


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