ぼうけんしゃぎるどさいどぽぷらある(今日こそあの人が……)
「ぶちょー、それってマジですか?」
ホリーちゃんが不動部長、鳥神ヴィゾーヴニルの方ではなく冒険者ギルドの訓練教官オーク。豚野郎と言うよりも鬼って感じですが。実際に鬼教官ですし。まあオークと言っても樫の方ですけどね。冒険者ギルドの職員キャラには木材の名前を付けてますから。
「ハッハッハ、柊くん。そこは不動部長、本当でしょうか?が正解だよ。ぐだけた感じで言いたいのであればきょーかんの方だよ。君も秘書課受付班の一員なんだから気をつけるようにね」
「うわぁ〜ぶちょー、その姿でダンディーモードになると違和感バリバリですね。で、本当なんです?」
「ハッハッハ、全く仕方ない娘だね。まあ十中八九当たりだろうね。正解かどうかは黒木くんに聞いてくれたまえ。彼が話をした時に経歴なんかも聞いたと言っていたからな」
「聞かれてもお答え出来ませんよ」
後ろからひょこっと現れた中級冒険者カズマ、黒木さんのアバターがそう言う。
「ちょっとくらい良いじゃないか黒木くん」
「駄目ですよ不動部長。それは重大な守秘義務違反です。顔を合わせて直ぐに俺がカズマをやっていましたよねとか受付がポプラさんとサクラさんなんて豪華ですねとかオーク教官は実際にはとてもダンディな方なんですねって笑顔で言うような相手ですから俺が喋ったら即座にバレますよ」
うわぁ、的確にバレてる。運営陣はプレイヤーよりも高い自由度で好みのキャラに仕上がっているのにアッサリとバレているなんて信じられないですよ。
「うっ、それはそうだが気になるじゃないか。先方が言っても良いって事くらいなら構わないだろう?」
「少しだけですよ。現在30歳で軍大学を出て最近まで軍にいたそうですよ?」
「やっぱり軍人さんか!」
「これ以上は絶対何も言いませんからね。彼には息子もお世話になってるので」
「ハジメくん、いや、夜一くんもユニーククエスト達成者だったな。そう言えば黒木くん、街の方に出ていたようだけど何を見に行ったのかね?」
「噂のひよこさんですよ。ほらあの部長がヴィゾーヴニルで散々いじめたプレイヤーさんです。彼、ロマリアへの道を開けるはユニーククエストを同時進行で複数やってるのでどんな人なのかなって思って見てきたんですけど、凄く面白いですね。
実はさっき見てきたの黒猫さんとタッグを組んで例の迷惑プレイヤーと戦ってたところですよ」
トクン、あれ?何だか胸が苦しいような気がします。しかし、オジサマのニヤけた顔を見て直ぐにそれはムカつきに変化します。
「でも~あの黒猫さんと一緒なら目立て無いんじゃないですか~?」
「そうだね柊くん。でも目立たないからってレベルが三倍近い相手を二人も倒せる?その上で俺が見ているのに気づいてるんだから息子や黒猫さんも気になる訳だと納得したよ」
あっ、そう言う事だったんですか。確かにユニーククエストに巻き込まれていたのなら冒険者ギルドに来れなくても納得です。




