第13話 緋村兄妹、強制依頼を受けるとの事
暑さで体調を崩したり、色々と別の用事があったり、パソコンのモニターを変えたりなどで、書き上げるのにかなりの時間が掛かってしまいました。
光一と春歌が「ユーリ村」の依頼をこなして「グームリー」に戻って来てから3日が経った。
その間、光一と春歌は。主にEランクが受ける依頼をこなして街の掃除やチラシ配りなどをしていた。
今日も依頼を無事に完遂させて完遂のサインを記した依頼書を受付に提出しようとドロシーの受付に行くと、依頼を受ける時はいつもの様子で光一と春歌の相手をしていたドロシーが、困惑しながらもどこか納得もしているような表情で光一と春歌を出迎え、受付に立つとすぐに一枚の依頼書を出してきた。
「緋村さん達、ギルドからの強制依頼です。明日、この依頼書を持って王城内にある第三訓練広場に朝の9時までに入ってください。詳しい依頼内容はそこで説明されます。この依頼はギルドからの強制依頼故に拒否権はありません。それでも拒否した場合、ペナルティとして冒険者のランクが下がります。場合によってはランク関係なしにギルドを強制脱退させられる場合もあります。よろしいですね?」
「よろしいですね?」と問う形を取っているが、強制故に有無を言わせないものだった。それ故、光一も春歌も「はい」と承諾するしかなかった。その後は今日受けた依頼の報酬の精算をさっさと済ませていつも泊っている宿屋に戻った。そして光一田達が泊まる部屋にはいった途端、春歌が尋ねてきた。
「やっぱりこの強制依頼ってアデス山脈のイベントクエストになるんでしょうか?」
「たぶん、そうだと思うよ。とは言えこの世界は全てがゲーム通りというわけでもないから断言はできないけど・・・。」
春歌にそう答えて光一はゲーム「フリーダムファンタジープレイ」のアデス山脈のイベントクエストの最後に出てくるボスモンスターを頭に浮かべて、ミリーナ達では歯が立たないだろうなと思った。まぁ、自分達の敵ではないので安心と言えば安心なのだが・・・。そこで光一はあのボスモンスター相手に|自分達の敵ではないので安心と言う考えを当たり前の様に浮かべた事にやっぱりこの世界では自分達は強者なんだなとふと思い、思わず苦笑してしまった。春歌はそんな光一の様子を見て首を傾げた。
次の日、朝食を食べて宿を出た光一と春歌は言われたとおりに王城へと向かった。「グームリー」の丁度中心に位置する王城は西洋建築の巨大なお城だった。
貴族や豪商と言った上流階級が住む高級住宅街を抜けて城門のところまで行き、王城を見上げるとこれまた巨大な城だというのが再認識できた。
光一も春歌もゲームで王城を見た時も、それなりのクオリティに凄いと思ったが、現実となったこの世界で本物の王城を見て度肝を抜かれたのは確かだった。
ましてや元の世界で、このような西洋建築の巨城など見たことがない故に、たぶん、二人揃ってアホ面を晒していたのだろう、城門で門番をしている兵士の一人が、警戒の中にいささかの呆れのような表情をして光一達に声を掛けてきた。
「そこのお二人、王城に何か御用か?」
光一と春歌の格好を見て貴族か何かと思ったのか、丁重な言葉で尋ねてくる。それに対して光一はギルドの依頼書を出して答えた。
「あの、ギルドからの強制依頼で、王城内にある第三訓練広場に行きたいんですけど。」
「そういう用件の場合は東にある城に勤める使用人や業者が使用する専用出入り口があるので、そこの受付の窓口にて手続きしていただきたい。」
貴族のような格好をした光一達が冒険者と知って一瞬、虚を突かれたような表情になりながらも説明をしてくれる門番。
光一は礼を言って春歌を連れて城の東にある使用人や業者専用出入り口へと向かった。
使用人や業者専用出入り口に着くと、これまた出勤時間と重なっているせいか、そこそこの列が出来ている。光一達もそこの最後尾に並びながら列の前方を見ると老若男女が並んでおり、この大半が城の勤め人なのだろうと推測できた。
まぁ、かなりの巨城故、それなりの人数が勤めているのも当然と言えば当然かもしれないが・・・。
それからしばらく並んだ後、光一達の番となり、受付の窓口に依頼書を出して用件を伝えると、受付の窓口係が依頼書を確認すると第三訓練広場の行き方を教えてくれたので、光一達は礼を言って王城の中へと入った。
王城の中はゲームでプレイした時とそっくりだった故に、光一達は迷う事無く第三訓練広場に行く事ができた。
広場ではマーハード王国の騎士と思われる男女が20名程おり、その他にも剣士の男をリーダーとした女エルフの弓使いに猫獣人娘のシーフ、女性神官の冒険者チームに、魔術師娘をリーダーとした女拳闘士、女天使と思われる槍使い、ガンマンと思われる銃使いの少女にショタ系の男の子神官の冒険者チーム、騎士のような外見をしたイケメンをリーダーとしたダークエルフと思われる女魔術師、侍娘に学者のような感じの女性に少女神官の冒険者チームの3つの冒険者チームがいた。
その他にもう1チームの冒険者チームがいたが、意外な事にそれは以前に光一が斬り捨てたシェードの仲間達だった。
それにギルドマスターであるフォン=リンメイとマーハード王国第三王女のミリーナ・ソラ・マーハードと第三王女の親衛隊隊長のミヤビ・アマネがいた。
フォン=リンメイが光一と春歌が広場に来た事を確認すると声を掛けた。
「ああ、君らも来たか。」
「ギルドマスター、おはようございます。」
「おはようございます。」
「は?ううん、いや、おはよう諸君。」
一瞬、虚を突かれたような表情をしたが律儀なのか、それとも社会人の基本と思ったのか挨拶を返すフォン=リンメイ。
「強制依頼と聞きましたが、依頼内容はどういうものなのですか?」
「それについてはもうすぐ今回の依頼の責任者が来るので、その時に説明してくれるので、もうしばらく待て。」
光一の質問にそう返すフォン=リンメイの言葉に「はぁ」とだけ返して、光一は広場をぐるりと見渡した。
騎士達は個人差はあれど、どれもかなりの使い手と見え、3つの冒険者チームもどれもベテランで高ランクと見え、元シェードパーティのメンバーは今にも光一達に襲い掛からんとばかりにこちらを睨みつけており、ミリーナとミヤビ達を見ると、ミリーナと目が合い何故か微笑まれた。
何だか居心地の悪さを感じながらも今回の依頼の責任者が来るのを待つ光一と春歌。
それから間もなくしてミリーナを少し成長させた容姿をしたブロンドの長い髪をした女性が、ミヤビと同じ服装をした緑のセミロングの髪が特徴の20代前半と思われる女性と緑の髪をショートカットにした中性的な容姿をした学者のような外見をした同じく20代前半と思われる女性の二人を伴って広場に入ってきた。
光一と春歌はゲーム「フリーダムファンタジープレイ」の知識から知っており、このミリーナによく似た女性こそミリーナの姉でマーハード王国第二王女のシルビアーナ・ソラ・マーハードであり、緑のセミロングの髪をした女性はミヤビと同じく第二王女の親衛隊隊長であるエレーナ・エンディア、そして中性的な容姿をした学者はメリル・リナリスと言う女性学者だった。
ゲーム「フリーダムファンタジープレイ」でも、ミリーナ達と同じく条件を満たす事によりプレイヤーの操作するキャラが、勇者側つまり勇者をサポートするか、勇者に代わって魔王を倒すルートもしくは勇者も魔王も倒すルート限定で、パーティーキャラとなり、どれもヒロインにする事が出来、3人ともユニットとしての能力も高く、シルビアーナはミリーナの、エレーナのミヤビの完全な上位性能キャラでメリルは魔術師としては平均より少し上だが学者としてダンジョンでのトラップ回避を始め、場所などで受けるパラメーターマイナス補正無効やスキル習得補正で取得に必要な技量が軽減されるなどの恩恵を受ける事ができるキャラだった。
「皆、集まっている様だから今回の任務もしくは依頼内容について説明させてもらう。その前に知っている者は知っているだろうが、知らない者のために自己紹介させてもらおう。今回の今回の任務もしくは依頼の総責任者となるこのマーハード王国の第二王女であるシルビアーナ・ソラ・マーハードだ。横の二人は」
「シルビアーナ様の親衛隊の隊長職を務めておりますエレーナ・エンディアと申します。」
「まあ、シルビアーナのお抱え魔術師兼学者兼相談役のようなものであるメリル・リナリスだ。以後よろしく。」
三者三様の自己紹介をしてシルビアーナは本題に入った。
「今回の任務はアデス山脈とその麓周辺におけるモンスターの生息異常とそれによる周囲への被害の原因を突き止め、取り除くというものである。場所はその原因がいるもしくはあると思われるアデス山脈である。アデス山脈の山中の現状が不明故に精鋭である諸君らに参加してもらう事となった。この任務に参加するのは王国側は私、シルビアーナ・ソラ・マーハードに横二人のエレーナ・エンディアとメリル・リナリス、私の妹のミリーナ・ソラ・マーハードとその親衛隊隊長のミヤビ・アマネそして第二、第三親衛隊から志願者からなる親衛隊員20名だ。冒険者ギルドからはギルドマスターのフォン=リンメイ殿、Aランクパーティーのレオンパーティー、Bランクのカリンカパーティーにライオットパーティー、リーダーであるシェードが死亡し、その後をついだドリアをリーダーとしたDランクのドリアパーティー、そしてFランクの緋村光一・春歌兄妹である。・・・しかし元シェードパーティーのドリアパーティーは来て当然だから別としてFランクの緋村兄妹は大丈夫なのか?」
「ええ、大丈夫ですよシルビアーナ姉様。少なくとも戦闘能力はご兄妹のどちらも私やミヤビより上ですから。」
ミリーナの言葉にざわめく広場。そんな中でシルビアーナはフォン=リンメイにも確認を取った。
「事実なのかギルドマスター?」
「・・・その事実については私は知りませんが、少なくとも緋村兄妹が今回の依頼遂行において足手まといにならないのは断言できますね。それだけの技量はあるでしょう。」
「ほう、ギルドマスター殿のお墨付きならば大丈夫の様だな。では今回の案件で諸君らの奮闘に期待する。」
シルビアーナがそう締めくくるとフォン=リンメイから、まずは全員、馬車に乗って「ユーリ村」まで行き、そこからは徒歩でアデス山脈を登ると説明を受けた。
後は向こうの指示に従って馬車が用意してあるところに移動する事となった。
光一と春歌としてはFランクと言う事で技量試しでもさせられるかと思ったが意外と問題なく今回の依頼に参加する事になったので拍子抜けしたのは確かだった。
そんな事を思いながらも光一と春歌も馬車に乗り、その後すぐに馬車は「ユーリ村」に向かって動き始めたのだった。
パソコンのモニターを変えてようやくBALDRHEARTのプレイをし始めました。やっぱりBALDRシリーズはエロゲーのロボットアクションモノとしてはよく出来ていますよね。




