第一話 プロローグ
よくある剣と魔法のファンタジーモノです。
別の作品が完結してもいないのに、また新たな作品を記してしまいました。
ま、まぁ、これはこれで良しとしよう。
時は209X年・・・。
日本の都道府県の某所、某町にあるとある一軒家、せいぜい周りの個別住宅より若干大きい事が特徴ともいえる個別住宅。
その個別住宅の二階の一室で今、一組の男女が、今の時勢では最新ゲーム機の1つであり、20世紀の末ぐらいから登場したソ○ーが開発販売元であるP○シリーズの最新型であるP○αをプレイしていた。
彼らはこの家の家主の息子である緋村光一とその妹の緋村春歌の兄妹である。
と言っても妹の春歌は実妹ではなく、血縁関係的にはハトコにあたる義妹である。そもそもその春歌が、この緋村家に来たのは、春歌の実の両親が春歌が小さい頃に事故で亡くなり、親戚会議で光一の両親が経済的にも余裕があり、二人目を欲しがっていたので、小さかった春歌を引き取ったと言うよくある話である。
もっともその事はすでに光一も春歌も知っているが、それによってトラブルが起きた事もなく、兄妹仲も良いので、これ以上語る事はないあろう・・・。
彼ら緋村兄妹がP○αでプレイしているのは、「フリーダムファンタジープレイ」と呼ばれる剣と魔法のファンタジーモノなのだが、この「フリーダムファンタジープレイ」はかなり人気のあるゲームタイトルである。
この「フリーダムファンタジープレイ」はファンタジーモノだが、プレイする最初に自分のキャラを設定した後は、基本ゲームプレイが自由にできるものなのである。
一応、シナリオもあり、ゲーム内のストーリーで勇者が魔王を倒すというありきたりなストーリーの流れもあるのだが、プレイヤーの操作するキャラが、勇者を倒しても良いし、逆に勇者よりも先に魔王を倒すという事も当然でき、当然、勇者と魔王、両方倒すなんて事もできる。
逆にストーリーに全く関わらずに、ゲーム内の世界をくまなく冒険する事もできれば、アイテムを集める、クエストをこなし続けるなどという事もでき、プレイによってはゲーム内の重要なキャラを全部殺して回るなどと言った外道プレイもでき、他にもゲームに登場する女性キャラを集めてハーレムを作るなんて事も当然できる。
また2Pプレイや、ネットを通じての多人数プレイも勿論搭載されている。
さしずめ20世紀の終盤から21世紀の序盤に登場した「侍○」シリーズのファンタジーモノで自由度が物凄くパワーアップした作品と言えるだろう。
ちなみに「フリーダムファンタジープレイ」はダウンロード販売で数度アペンドが出ており、18禁モノもあり、それをあてた場合、女性キャラとエッチな展開もする事ができる。
そういうゲーム故なのかは知らないが、世に出てから4年、未だに根強い人気があり、緋村光一も未だにハマっており、何度もプレイしてはクリアしており、クリアによるデーターやアイテムの引継ぎなどもあり、ゲーム内の隠れボスなどもかなり有利に戦えるぐらいになっていた。
義妹の春歌も、よく兄の光一とよく2pでの強力プレイをしていたので、光一のキャラほどではないが、ゲーム内でストーリーに出てくるキャラ相手では、適当にやっても難なく勝てるレベルにまで育成されていた。
そうこう説明をしている内に、緋村兄妹が操作しているキャラが「フリーダムファンタジープレイ」のキャラを全て倒して、ゲーム終了となり、エンドロールが流れている。
ちなみに今回のプレイは、勇者と魔王、そして加担する全ての勢力を敵に回して無双するプレイだった。
「お兄様、私達の育てたキャラもとても強くなりましたね。」
「まぁ、かなりプレイしているのは確かだからね。」
「でも、強くなりすぎてちょっとつまらなくなってきません?」
「あ~、確かにそれは最近、感じ始めたかなぁ~」
誰にでもある事だが、どうやら彼ら緋村兄妹も、そろそろ「フリーダムファンタジープレイ」が飽きてきた様である。
「次は違うゲームでも致しません?」
「それもいいかもね。そうしようか」
そう言いながら光一がゲーム機の電源を切ろうとした時だった。いきなり部屋がぐらぐらと強くゆれ始めた。
「えっ!?何!?地震?!」
「これ、かなり大きくありません!?」
緋村兄妹が驚いているその時だった。天井の一部が揺れで崩れ、そのまま二人の頭上に落ち、そのままの勢いで、二人の頭はゲーム機に突っ込んだ。
次の瞬間、起動しているゲーム機を通して高電圧が二人に流れる。
二人は声も上げる間もなく、衝撃と激痛により意識を失った。
「う~ん」
どれくらいの時間が経ったのか、意識を取り戻した光一。
心なしか、声がおかしい様にも感じながら目を開けると、綺麗な青空が目に入った。まだぼんやりした頭の状態で、身体を起こして回りを見渡すと固まった。
周りは草原であり、少し先の方に森と思わしきものがあり、そして遥か先には山のようなものがそびえたっていた。
どう見ても自分が知っている場所ではない。どういう事かと思ったところで義妹の事を思い出した。
「そうだ春歌!春歌は!?」
そしてまた自分の周りを見渡すと、自分のすぐ横に自分の見知った少女が気を失って倒れていた。
薄紫色をした長い髪を二つに結び、ふりふりのついたお姫様が着るようなドレスを着た見た目、14~16ぐらいの美少女と断言できる顔立ちをした少女が、白くて細長くその先端に握り拳ぐらいの赤と蒼と緑の3つの宝玉が付いた杖を抱える様にして気を失っていたのである。
しかし光一は、その少女を見て、驚きまた固まってしまう。何故ならばこの少女は義妹の春歌が「フリーダムファンタジープレイ」で育成、操作したキャラだったからである。
何故、ゲームのキャラがすぐ横で気を失っているか、疑問しかなかったが、状況がさっぱり分からないので、とりあえず彼女を起こす事にした。
少し揺すると意識を取り戻す少女。少女が光一を見た瞬間、驚いた表情になった。
「えっ!?何でお兄様の操作していたキャラが?!」
少女の声に、声までゲームと同じだなと思いながら、少女の言葉にまたもや驚く事となった。
「お兄様って、君はひょっとして春歌なのか!?」
「ええっ?!まさか、お兄様なのですか!?」
「そうだよって、僕の操作していたキャラって僕の外見って春歌みたいにゲームのキャラになっちゃってるの!?」
ここで光一は自分の服装を見てみると、明らかに上質と思われるタキシードに外側が黒で内側が赤の長いマントを羽織っている。
そして自分の右腰には細長い黒い鞘に収められた剣が差されていた。
この服装からして先ほどまで自分がプレイしていた「フリーダムファンタジープレイ」のプレイキャラの格好なのは間違いなさそうである。
「どういう事?僕達、「フリーダムファンタジープレイ」の操作していたキャラになっちゃったのか?」
「さ、さぁ、この状況ではそうとしか思えないのんですが・・・」
光一の思わず呟いた疑問に答えてくれる者は春歌以外いなかった。
こんな感じで物語が始まります。
まぁ、気楽に描いていくと思いますので、よかったら楽しんでいってください。