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ゲームの世界に義妹と来たので、素敵な”出会い”を求めて僕らは二人、冒険に出る。  作者: 謎の生物
素敵な”出会い”を求めて冒険に出るまで
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第2話 現状把握

 タイトルどおり現状把握なので、物語的には全然進んでいません。

 「う~ん、本当に「フリーダムファンタジープレイ」の操作キャラになっちゃったのかな?」


 光一は、自分の服装をまじまじと見ながら、右腰に差してる剣を引き抜いてみた。

 それなりに刀身が細長い刀で、設定上では「フリーダムファンタジープレイ」に登場する極東の島国である明らかに日本をモチーフにしている「ヒーモト」で生み出された神造兵器で、神刀「破邪」と呼ばれる刀である。

 「フリーダムファンタジープレイ」において装備できる刀剣類で最上級の武器の1つで、攻撃力+130、クリティカル率+40%と言う武器で、名前通り敵が魔王や魔王討伐ルートにおける真ボスであり、条件を満たせば戦える邪神関係の敵であれば、さらに+20%のダメージを追加できる武器であり、真ボスである邪神を倒せるイベント武器の1つでもある。

 ちなみに逆に勇者討伐ルートの場合、条件を満たせば最後に勇者に神剣を与えた女神が真ボスとして出てくるが、この女神も「破邪」を含むイベント武器でないと止めを刺す事ができない。

 刀なんて初めて持ったのに、まるで体の一部の様に、刀は全く違和感なくしっくりと手に馴染む。

 その刀を持って、鏡の様に綺麗な刀身に自分の顔を映して見るとゲームでプレイしていた顔が映し出されている。

 黒髪の16~18才ぐらいの中世的なイケメンで、声も改めて聞いてみるとクール形のイケメンボイスである。

 どう見ても、本来の自分の顔とは似ても似つかない。それなのに全く違和感はなく、むしろこれも自分の顔で当然という感じですらある。


 「こんなイケメン顔が自分の顔だと普通、違和感があるはずなのに全然そういうのがないな。春歌はどう?」


 光一は手に持っている破邪の刀身を春歌に向け、今の義妹の状態を映した。


 「・・・・・驚いたのは確かですが、別人だとか自分の姿ではないという嫌悪感が全く湧いてこないです。逆にこれも私の姿だと寧ろ納得してしまいました。」

 

 「そう」と答えながらも光一は、自分がキャラメイクで選んでずっと育成してプレイしていたキャラで、自分の分身みたいなものだから、なっても違和感がないという事か?と疑問に思いながらも、答えがあるわけでもないので、これ以上、このことで考えるのはやめた。


 「・・・取り敢えずこの姿の事は置いておこう。考えても分からないから。それより春歌」

 「何ですかお兄様?」

 「僕達って死んだと思う?」

 「それは・・・」


 真っ直ぐに春歌の目を見つめて訊ねる光一の言葉に春歌は何も言えずに目をそらした。それが答えだった。

 どう考えても頭の上に天井の一部が勢いよく落ち、その上、起動しているゲーム機の外側を破壊して内部に頭を突っ込んで、高電圧が身体に流れたのだ。

 生きているはずがないだろう。


 「では、次に僕達は元の世界に戻れると思う?」

 

 その言葉に春歌はビクッと身体を震わせた。


 「・・・お兄様は戻れると思いますか?」


 恐る恐ると言う様子で春歌は訊ねた。


 「・・・正直に言うと分からない。でも戻れる可能性は限りなく低いと思う。」


 首を横に振りながら答える光一。

 この世界が「フリーダムファンタジープレイ」の世界で、その主人公であるキャラメイキングで生み出し育成したキャラになったのであれば、その設定通りであるのならば、この操作キャラもこの世界の名もない一人物と言う事になるのである。

 キャラメイキングで選択できる種族や性別や容姿、そして戦士や魔法使い、神官や弓使い、ガンマンと言ったカテゴリーを決めた後は、プレイヤーの育成、行動によって最終的に数十種類のエンドを迎えるのである。

 だが、当然の事ながらそのエンドの中に別世界に行ったと言う類のエンドはない。

 そう考えたら光一達が地球に戻れる可能性は、実際は奇跡でも起きない限り無理だろう。

 光一の言葉に愕然と青ざめた表情で春歌はうつむいてしまう。


 「死んで次に目を覚ましたらゲームのプレイキャラになっていましたか・・・まるでネット小説やラノベだな・・・。」


 いささか呆れた様に言う光一。

 そういう類の作品は今の時代でも根強く人気があり、光一もよく読んでいたが、まさか自分の身に起こるとは思いもよらなかっただろう。

 光一自身も今の現状に、内心ショックを受けていたが、義妹の様子に自分もいつまでも落ち込んでいるわけにもいかなかた。


 「・・・何にしてもいつまでもこうしていても仕方がない。」

 「・・・仕方がないってどうするつもりなんですか・・・?」


 春歌はうつむいたまま、力ない声で訊ねた。


 「取り敢えず、まずはこの身体が本当に僕達が育成、操作していたキャラのスペック通りなのか確かめよう。」

 「確かめる?」

 

 ようやく顔を上げた春歌に、光一は「そう」と頷いた。


 「今の僕達が育成、操作していたキャラのスペック通りならば、僕達は色々な技や魔法が使えるはずだよ。まずはそれを確認しよう。それによってこれからの方針を決める事ができるから。」

 「方針ですか?」

 「そう、僕たちが育成、操作していたキャラのスペック通りならば、この「フリーダムファンタジープレイ」の世界では最強の一角だと断言できるので、どのルートの生き方もできる。でもそうじゃないなら、どういう風に生きるかをよく考えなければならない。何せこの世界は魔王やモンスターなどが実在してる危険な世界だからね・・・。」

 「確かにそうですね・・・。」

 「まぁ、装備を見たら僕も春歌もこの世界では最上級や上級のものばかりだから、仮にスペックが弱くても油断しなければ簡単に殺られる事はないと思うよ。」


 そして光一は破邪を地面に突き立てて杖代わりにして立ち上がるとまだ座っている春歌を見下ろして言った。


 「正直に言うとこの世界に来たのが僕達二人でよかった。きっとどちらか一人だったらもっと取り乱していたと思うから。」

 「お兄様・・・」

 「だから、まずはできる事からしていこう。僕達二人で協力し合えばきっと何とかなる。だから春歌ももう落ち込まないで。さぁ、立ち上がって行動しよう。」


 そう言って義妹に手を差し出す光一。不思議なモノで光一自身も春歌を励ますつもりで言葉を発しているうちに内心、元気が出てきたのだった。

 春歌もそれに感応してかどうかは分からないが、まだ精気はいささか欠いてはいるが、ようやく笑顔になって光一の手を取った。

 光一はその義妹の笑顔に内心ときめいたの秘密である。

話の流れ的に次は能力やスペック確認の話となりますね・・・。

面白いと少しでも感じていただけたのならば次もどうぞ。

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