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お仕事モードに戻ったメイドさんに案内され、アリシアの記憶ではゲストルームに当たる部屋に来た。
「ここは、ゲストルームではなかったかしら?」
「はい、お嬢様。お嬢様は、外見は当家のお嬢様ですが、中身が違うので娘の部屋は使わせたくないという奥様のワガママです」
「わかったわ。でも、一応この身体は、アリシアのものだってことを理解しておいて欲しいわ」
「はい、それはもちろんです。なので、我々はお嬢様をお嬢様としてお世話させていただいております」
「…そう? お風呂では、散々な目に会ったのだけど?」
「それはそれ、これはこれでございます。それに、お嬢様の身体を堪能するチャンスを、我々が逃すはずがありません」
「…………」
無表情のまま、"ふんす"と鼻息も荒く語られてしまい、わたくしは何も言えなくなってしまった。
「後程、御夕食をお持ちします」とメイドさんは一礼をして退室した。
この世界に、触手鎧として転生して、たった1日で色々なことが有りすぎて、自分でも気付かない内に疲れていたのか、ベッドに腰掛けて少ししたところで、わたくしの意識は闇に落ちて行った。