表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/18

11

11


"ズルリ"とソレは動き出した。


ソレの本体は、機能を最適化する休眠に入っている。


ソレは、本体の機能を強化するため、世界の記憶(アカシックレコード)への接続を試みた。


ソレは必要な素材を理解した。


そして、素材として魔に連なる者の生き血を求めた。


ソレは本体を包む繭を作った。


繭を形成し、無数に増えたソレは、【転移門(ゲート)】を使い様々な場所に現れた。


--------------------


そこは、本体が眠る屋敷の宿主である少女の家族が集う部屋。

そこにいる、少女と血が繋がるクイーンサキュバスの元。

彼女は、快く血を分けてくれた。

魔剣に宿る宿主の少女に新しい肉体を与えることを条件に。


--------------------


そこは、霧が立ち込める深い森に有る小さな教会。

心優しき真祖吸血姫ヴァンパイアプリンセスのシスターが住まう場所。

彼女も快く血を分けてくれた。

困っている人を助けることを条件に。


--------------------


そこは、清らかな泉のほとり。

そこに住まうは、1頭の聖獣。

清らかな乙女を愛し、男と交わった経験を持つ女を突き刺し喰らう魔獣の一面も持つ究極の処女厨、ユニコーン。

彼の者(かのもの)の前に居るのは、2人の少女。

1人は血を流し倒れ、もう1人はそれを庇う。

少女は助けを求める、自らの代わりに男に慰み者にされ、ユニコーンに殺されんとする友を救って欲しいと。

周りに響くのは、少女の泣き声と怒り狂ったユニコーンの嘶きのみ。

誰も居ない。

誰も助けない。

少女の現状を知るのは、自らのみ。

ヴァンパイアプリンセスとの約定を果すため、少女を助ける。

ソレは【ゲート】を使い幾条もの触手を伸ばす、ユニコーンを絡めとり喰らうために。

少女達を■■するために。


--------------------


そこは、日(いず)る国。

荒々しくも火を噴く山の麓。

人喰いの鬼が住まう土地。

ソレは、鬼の血肉を求め戦った。

鬼は強者を求め戦った。

鬼は力に勝るが手数に劣る。

ソレは手数に勝り力に劣るが、血肉を喰らい力を増す。

長き攻防の末、鬼はついに地に臥せる。

ソレは触手を伸ばし、鬼を喰う。


--------------------


そこは、瘴気立ち込める毒の沼。

黒き邪龍の住まう土地。

ソレは、見るもの全てに喰らい付く邪龍の肉を求む。

両者に和解等は無く、ただ命を奪い合う。

いくら地上最強を謳おうとも、多勢に無勢触手に絡まれ喰われゆく。


--------------------

--------------------

--------------------

--------------------

--------------------


ソレは従魔の証を備えし魔を産み落とす。


ソレは、透き通るクリスタルの一角を生やすスライム。

産まれ出るは、清らかな泉のほとり。


ソレは、捻れた2本の角を生やし、(ほむら)を纏うスライム。

産まれ出るは、日出る国の火山の麓。


ソレは、毒と瘴気を纏い、鱗を生やす闇色のスライム。

産まれ出るは、瘴気漂う毒の沼。


喰らった魔の力を与え、代行者とするために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 11/11 ・おっ、流れ変わったな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ