第二十話:忘却の王子と六百年の孤独――『伝説の師』が語る過去と、呪われし少年の新たな名
こんにちは、ムハンマド・ワカスです。第二十話では、伝説の師・アラータの壮絶な過去と、亡き父・ハヤトとの出会いの真実が語られます。六百年前の激闘、そして人類の愚かさに絶望したアラータを救ったのは、他でもないハヤトでした。そして今、記憶を失い「復讐の誓い」だけを胸に刻んだタカシに、アラータは非情で優しい嘘をつきます。新たな名と姿を手に入れたタカシの、地獄の修練が今、幕を開けます!
『伝説の師』アラータは、重く、懐古的な光を揺らめかせる古き瞳でタカシを見つめていた。まるで、数百年前の記憶が彼の目の前で鮮明に再生されているかのように。
ヒュウゥゥ……。
丸太小屋の外で吹き荒れる冷たい風が、彼の悲しみに共鳴しているかのようだった。
彼は、何十年も前に静神の地――西の地へと旅した頃の話を語り始めた。
それは、戦争の壊滅的な荒廃に完全に飲み込まれた時代であった。圧倒的な力を持つ二つの国家が、終わりなき、無意味な血の海の中で互いに引き裂き合っていた時代だ。
アラータは自らの過去について口を開いた。
六百年前、彼が自身の親友と壊滅的な戦いを繰り広げたという事実を。その親友は絶対的な闇へと堕ち、恐るべき『黒龍』の『縁代』と化してしまったのだという。
ゴゴゴゴ……。
その終末的な激突の中で、アラータは生身の力を使い果たし、百五十年にも及ぶ深い眠りに落ちてしまった。
彼がようやく目覚めた時、世界は取り返しのつかないほど変貌しており、その五十年後には、予言された大いなる破壊が人類に降りかかった。
彼らを救うには、遅すぎたのだ。
終末の放射性降下物は、人類の八十パーセントから完全に力を奪い去り、彼らを無力で弱い『空者』へと変えてしまった。
残された二十パーセントの『神ノ民』たちは、支配への飽くなき渇望に目を眩ませ、生き残った世界を絶え間ない血みどろの戦争へと突き落とした。そこでは、真の平和など決して長続きしなかった。
自らの灰の中から学ぶことのできない人類の無能さに嫌気がさし、アラータは絶対的な孤立の生活を選んだ。何十年もの間、誰一人として彼の実在に気づかぬよう、影の中で生きてきたのだ。
だが、運命は別の計画を用意していた。
西の地での残忍な戦争の最中、中央の戦場から遠く離れた場所で、アラータは暴力的に打ち砕かれた二十歳の戦士と偶然に出会った。
ポタッ……ポタッ……。
絶対的な死の淵に立たされ、泥の中に倒れていたのは、タカシの父であるハヤトであった。
アラータは、どうしてもその若者を見捨てて腐らせることができず、彼を自らの隠れ家である洞窟へと運び込み、古代の神ノ光を注ぎ込んで致命傷を癒したのだ。
目を覚ました時、ハヤトの心は世界の残酷さに完全に嫌悪感を抱いており、誰のことも、何事も信じようとはしなかった。
だが、彼の鋭い直感は、命の恩人がただの人間ではないことを即座に見抜いた。その時代において、六百年前の『律神』を操る男など、あり得ない神話に過ぎなかったからだ。
ギュッ。
強さへの絶望的な渇望に突き動かされ、その頑固な『戦鬼』は容赦なくアラータに食い下がった。老人がついに降参し、彼を弟子として受け入れるまで、洞窟から出ることを断固として拒否したのである。
外界の者たちが彼を死んだ、あるいは行方不明だと固く信じ込んでいる間、ハヤトは二年間にも及ぶ骨の折れる残酷な訓練に耐え抜いた。
アラータは、若者に古代の律神を教え、彼の物理的強度を飛躍的に高めていく中で、絶対的な畏敬の念をもって彼を見守っていた。
ハヤトは信じられないほど勤勉で、激しく頑固でありながら驚くほど悪戯好きで、そして恐ろしいほど深い知恵を持っていた。
圧倒的な力を持つ一族の後継者であったため、彼の生体エネルギーの蓄えは事実上、無限であった。
通常、エリートであるSランクの戦士でさえ、古代の律神をたった一つ試みるだけで生命力を完全に使い果たし、戦闘不能に陥ってしまう。
だが、ハヤトはその教えを容易く吸収していった。
『黒龍』とその縁代が必然的に帰還する前に、自らの古代の知識を受け継ぐことのできる後継者を見つけることなど不可能だと、アラータは何世紀にもわたって希望を失いかけていた。
パキッ。
ハヤトを見つけたことで、世界は差し迫った、繰り返される終末から救われるかもしれないというアラータの信仰は、完全に回復したのである。
タカシの魂の奥深くで、『伝説の神霊・白狼』はその一言一言を静かに聞き入っていた。先ほどの激怒は完全に溶解している。
アラータは、巨大な物体や存在を微小な立方体に圧縮し、自由に解放できる希少な技――『黒箱』の封印律神をハヤトに教えたのは自分自身であることを明かした。
アラータが七体の『伝説の神霊』すべてを直接知っていたからこそ、白狼はついに自らの封印の背後にある絶対的な真実を理解し、その古代の怒りを静めたのである。
その後、アラータはタカシの虚ろな瞳を覗き込み、過去について何を覚えているかを優しく尋ねた。
彼の前に座っている少年は、漆黒の深淵である『大怪獣の森』で、丸一年間を完全に一人で生き抜いた五歳の子供である。
シャーッ……。
そこは、最強のSSSランクの神ノ戦士でさえ絶対的な恐怖に震え上がる純粋な死の領域であった。それなのに、タカシはまるで自分の裏庭であるかのようにそこを彷徨い歩いていたのだ。
白狼の恐ろしいオーラがすべての怪獣を遠ざけていたため、少年は隠れる必要もなく、泥の中で安らかに眠ることができた。
飢えによる絶望に突き動かされ、タカシは暗い下生えの中で見つけた、未知の光る果実や有毒植物を片端から口にしていた。
二人とも気づいていなかったが、白狼の容赦ない再生力がすべての致死性の毒素を暴力的に中和し、タカシの血液を、この世に存在するいかなる毒に対しても完全に免疫を持つ状態へと強制的に進化させていたのだ。
恐怖も、希望も、生命力も欠落した少年の死んだ無感情な目を見つめ、アラータの六百歳の魂が痛んだ。
彼は悟った。この六歳の少年が経験した一年間の絶対的な苦痛は、彼自身が背負ってきた何世紀分もの悲しみよりも重く感じられると。
世界に善を願う者こそが、見返りとして苦痛のみを受け取るという残酷な戒めであった。
タカシは、自分の一族の名前すら思い出せなかった。
彼を溺愛していた叔母や叔父たち、そして彼に激しく献身していた幼き妻、アイラの顔も、ぼやけた影の中へと消え去っていた。
タカシの骨の髄に永久に刻み込まれているのは、人間の冷たい残酷さ、父の最期の苦痛に満ちた言葉、そして父の仇を惨殺するという血に飢えた誓いだけであった。
彼は自分が『静神』であることすら知らなかった。家族にとって彼はただの「タカシ」であり、世界にとって彼は「呪われた悪魔」だったのだから。
アラータは深い安堵の波を感じた。
少年が自身の王家の血統を知らないことと、ハヤトが残した最後の教えが合わされば、彼の進むべき道ははるかに明確になるだろうと分かっていたからだ。
移り変わる地平線を見つめながら、アラータの直感は、影で待ち構えている差し迫った宇宙的な破滅を叫び上げていた。
六年前、タカシの誕生が、間違いなく宇宙の彼方まで波及するほどの途方もないZ+ランクの圧力を解放したことを、彼は知っていた。
ゴゴゴゴゴ……。
この途方もない力のうねりは、何千年もの間システムの中で眠り続け、人類から完全に忘れ去られていたZランクやZ+ランク、あるいはそれ以上の古代の恐ろしい怪物たちを目覚めさせたに違いない。
旧世界ではSSSランクの戦士はありふれた光景であったが、今やSランクの戦士を一人見つけることすら奇跡であった。
現代は、もし真の力を手に入れれば即座に理性を失った獣へと化すであろう、腐敗した二十パーセントの者たちに支配されているのだ。
この脆弱で、血にまみれた世界の状態を知っているからこそ、アラータは絶対的で揺るぎない決断を下した。
彼は決して、タカシをあの有毒な社会へと戻しはしない。
タカシが静かに「自分の過去に、まだ生きている人はいるのか」と尋ねた時、アラータは完璧で、必要な嘘をついた。
「誰も残っていない」――彼は断固としてそう言い放った。少年が、まだ息をしているとは知らぬ家族の元へ、頑固に戻ろうとしないように。
「わしがお前の祖父であり、お前はわしの孫だ。お前は今やただの平民であり、それだけが唯一の真実なのだ」
復讐の誓い以外何も覚えていないタカシは、涙一滴こぼすことなく、この新たな現実を受け入れた。
「今夜はよく休め」――アラータは静かに命じた。「明日から、お前の本当の訓練が始まる」
それは、現代のSSSランクのエリートを即座に粉砕してしまうであろう、六百年前の律神を学ぶという、地獄のようで前例のない旅路の始まりを意味していた。
この少年は、ただ生まれたという事実だけで世界を救った。
そして今、彼は『黒龍』や古代システムの恐怖から再び世界を救うための、究極の兵器へと鍛え上げられねばならない。
自分に幼い弟が生まれたことや、家族が生き残っていることに全く気づかぬまま、少年は『静神』の名を永遠に捨て去った。
白狼の深遠な再生力、封印、そして魂の拘束により、彼の身体的な外見は美しく、そして完全に変貌を遂げていた。
純白の髪、息を呑むほどに透明な青い瞳、そして新たに鍛造されたアイデンティティと共に、彼は今やただの「タカシ」となったのだ。
夜明けと共に、全く新しい人生と、想像を絶するほど残酷な運命が彼を待ち受けている。
明日……。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
アラータとハヤトの出会いのエピソード、胸が熱くなりましたね! 「戦争の悪魔」と呼ばれたハヤトが、実は誰よりも必死に力を求め、アラータの希望となっていたことが分かりました。白狼が怒りを静めた理由も納得です。
そして、一年間毒の実を食べ続けたタカシが、白狼の再生力によって「すべての毒に免疫を持つ」というチート体質になっていたとは驚きです! アラータがタカシに「家族はもう誰も生きていない」と嘘をついたシーンは切ないですが、それが彼を強くするための「非情な愛」なのでしょう。
純白の髪と青い瞳を持つ、ただの「タカシ」となった彼が、明日からどんな地獄の訓練を受けるのか? ぜひ皆さんの予想や感想をコメント欄で聞かせてください!
改めて初めまして。私の名前はムハンマド・ワカス(Muhammad Waqas)です。パキスタン出身の大学生です。
私は日本のアニメやマンガ、そして文化を心から愛し、深く尊敬しています。日本語はまだ勉強中で分からないことも多いですが、日本のライトノベル市場についてはたくさんリサーチしてきました。
私の夢は、自分の描いた物語がいつかアニメやマンガになることです。その夢を叶えるために、この小説を書き始めました。
現在、この作品は英語サイトの「Royal Road」でも連載しており(https://www.royalroad.com/fiction/159960/the-sealed-saviour)、読者から非常に良い反響をいただいています。この素晴らしい反応を見て、ぜひ日本の読者の皆様にも読んでいただきたいと強く思いました。
本来であればプロの翻訳家の方に依頼したかったのですが、学生である私にはその費用を支払う余裕がありませんでした。そのため、AIの力を借りて、できる限り日本の文化や表現に寄り添えるよう努力して翻訳しました。AIを使っているため、もし日本語に不自然な部分や至らない点があれば、どうかお許しください。そして、優しくご指摘いただけますと幸いです。
物語の世界観や設定はすべて完成していますが、私には絵を描く技術がありません。
もし、この物語を気に入ってくださり、マンガ化のコラボレーションに興味がある日本のマンガ家さん、またはプロとして翻訳・編集をサポートしてくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひお話ししたいです!
どんなご相談でも大歓迎ですので、以下のメールアドレスまでお気軽にご連絡ください。
連絡先:thesealedsaviourofficial@gmail.com
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