表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の手違いで死んだ社畜おっさん、まずは自由を願い、次に明日を願う!TS転生し美少女に!最強チート《願い》は一日一回だけど万能です!異世界スローライフで世界も人も未来も救ってみせます!  作者: 兎深みどり
第一章《TS転生しちゃいました!》

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
37/427

第37話《喧騒》

 王都の朝は、まるで生きているかのようだった。

 石畳の通りを行き交う馬車、香ばしいパンの匂い、賑やかに響く商人の声。

 ナユは母の腕に抱かれながら、広がる世界を見渡していた。


 ――すげぇ……情報量が多すぎる。

 視界の端から端まで“商機”の塊だな。


 


 市場の通りには、見た事のない食材が山のように並んでいた。

 真っ赤な果実、青く光る魚、紫の穀物。

 どれも村では見た事のないものばかりだ。


「この果物、甘い香りがするわ」

「こっちは干し肉か……保存が効きそうだな」


 父と母は目を丸くしながら、王都の食文化に感嘆していた。

 セバスチャンは周囲に目を配りながらも、無駄のない動きで買い物をこなしていく。


 


 ナユはそんな中、露店の並びを眺めながら思った。


 ――同じパン屋でも、並べ方が違うだけで売れ行きが変わってるな。

 呼び込みの声の高さ、商品の配置……全部データだ。


 サラリーマン時代の癖で、つい市場分析が始まってしまう。

 だが、今のナユにできるのは観察だけだった。

 それでも、見ているだけで胸が高鳴る。


 


 買い物を終え、御屋敷へ戻る帰り道。

 街の中心部を抜ける時、賑やかな声が耳に届いた。

 石造りの立派な建物の前に、屈強な男達と武装した女性達が集まっている。

 扉の上には大きな看板が掲げられていた。


『冒険者ギルド 王都本部』


 


 ナユの瞳がきらりと輝く。

 ――おおおおお……!

 異世界テンプレ、きたぁぁぁぁ!!


 勇者、魔王、ダンジョン……そして冒険者。

 憧れた世界が、今ここに現実として存在していた。


 セバスチャンが気づき、穏やかに言う。

「王都では、冒険者が多くの任務を請け負っております。魔物討伐、護衛、探索……国の発展を支える、いわばもう一つの“柱”です」


 父は感心して頷いた。


「なるほど……村を守ってくれたのも、あの人達だったな」


 母はナユを見下ろして微笑む。


「いつか、あなたも……こんな人達みたいに立派になるのかしらね、危険な事はして欲しくないけど、私達はあなたのやりたい事、応援するからね」


 ナユは目を細めた。

 ――ありがとう、お母さん。

 悲しい思いはさせないさ。

 

 いつか俺も、冒険者としてこの街を歩く。

 “願い”を武器にして。


 


「今日の記録:王都の市場を探索。食文化と商人の技に驚嘆。帰りに冒険者ギルドを発見。次の目標が見えた気がする……日報完了。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ