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眠たくなっちゃった…ハッ!
なんか、よく寝ちゃうけど、これがアラフォーの体力の限界なのかなぁ?
ま、いいか。それより、どこだここは、また夢の世界か?
(そうです。)
なんだ、夢の世界か、って
あれ、僕、いつ寝たんだっけ?
やばっ早く、ローラさんの部屋に行かなくちゃ!
ん、まって、僕、ローラさんの部屋…行ったよね?
そうだよ!ローラさんも眠ってたじゃん。
部屋に誘っておいて、寝てるなんて、やっぱり恋人なのかなぁ〜?
こんな時、覚醒前の記憶が無いのが、恨めしい…
んで、どうしたんだっけ?
(猫が鳴きました)
そうそう、子猫が…って!
コワ!幻聴が聞こえる。オバケか?、それともこれは、夢なのか?
(そうです。夢です)
そうだ、夢だった… じゃなくて、
だ、誰だ君は? あ、まった!言い直す。
な、なんだちみは?
(付き合いません。私の事は、レムキとお呼びください)
レムキ?…ね。で、僕になんの用?
(私は、あなたの思考、推理、記憶などのサポートの為の存在です)
ふーん。でも、なんでまた頼んでもないのに、突然、出てきたの?
(すでに、あなたの希望は共有しました。目的に不要な、思考の混乱を感知したので、声を掛けました)
なにそれ? まぁいいや、思考なんたらのサポート? じゃあ教えてよ、僕は、なんで寝てるの? 加齢による体力の低下?
(はい。現在の睡眠の原因は、記憶からの推理によると、スリーパーワイルドキャットの魔法攻撃と考えられます)
スリーパーワイルドキャット?! それって魔獣じゃん! そんなのが、なんで街中に…ましてや、ローラさんの部屋にいるんだよ?
(はい。眠ったのが、鳥カゴの中にいた、子猫の鳴き声を聴いたタイミングでしたので)
じゃあ、僕は眠らされたの?
でも何で?
(はい。ローラさんの寝姿も、自ら眠ったにしては、不自然な姿勢でした。高確率で敵襲と思われます)
え、敵? じゃあ寝てる場合じゃないじゃん!
(覚醒条件を、満たしておりません)
でも、敵襲でしょ? ヤバいじゃん!
(思考の混乱を、感知しました)
いやいや、そんな事を言ってないで、起こしてよ!
(覚醒条件を、満たしておりません)
じゃあ、どうする?
(…現在、あなたの脳の機能は、通常よりも強く活動していますので、沈思にgoする事を勧めます)
沈思? 沈思って何を?
(はい。考え事の最終履歴は、スリーパーワイルドキャットとの戦闘時の異変についてでした。)
そうだ、それだ!君って記憶係でしょ?あの時の記憶を教えてよ!
(私は、思考、推理、記憶のサポートをします 記憶係ではありません)
(プライド高っ!)ごめんよ〜。君の意見を聞きたいなぁ〜。
(聴こえていますよ… ログによりますと、マンガの一コマと思われる画像を思い浮かべて、“止まれ”と、技の使用を意識しています。)
え、マンガの一コマ?、記憶に無いなぁ?
(ログは絶対です。)
でも、“止まれ”で止まる、金縛りみたいな技があるなら、ローラさんが使ってるんじゃない?
魔法でも、魔術でもよくあるでしょ?
(…認識エラーです。記憶と一致しません。魔法、魔術の存在を確認できません)
え、何、今更? ローラさんも僕も使ってるじゃん。記憶にあるでしょ?
(ログ上では、先程の“止まれ”と同様、ウォーターボールの画像を思い浮かべ、魔法の使用を意識したと、あるだけです。)
いや、だからそれが魔法でしょ!
僕の記憶では、イメージを深めたり、魔力の込め方を変えたり、何回かやったはずだよ。
(…あ、想定庫の方に、ありました。現在、記憶のコンタミを避けるために、保管庫を分けております)
フォルダ分けって… なんだよ!
レムキの言葉に、僕の思考は混乱を検知されましたとさ。