表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/45

華琳の過去1


カルレシアに珍しく降り注いだ雨は私に幸せを運んでくれた。その雨はずいぶん前にしまい込んでいた苦しみを少しほどいてくれるような恵みの雨のようだった。

私が雨が苦手になった理由。それは、幼い頃まで遡る。私が、両親に捨てられた、あの雨の日まで。


私がカルレシアに越してくる前に住んでいた土地も雨が降りにくい地域だった。私はたまに降る雨が好きで、雨の日は傘も刺さずに外に飛び出すほどだった。


ある日私は、雨が降りそうなくらいに沈んだ空を見上げながら商店街を歩いていた。その日はお母さんの誕生日プレゼントを買いに出かけていて、お母さんに喜んでもらえるものを探そうと張り切っていた。

中々決まらずに悩んでいると、フードを深く被って道端に座り込んでいる男が目に入った。私はその男がどうしても気になって話しかけてしまった。

彼との出会いが私の今後を左右するものだとは気付かずに。話しかけなければ、辛い思いをすることなんてなかったとは知らずに。


「ねぇ、あなたはだぁれ?どうしてこんなところに座っているの?」

「…お嬢ちゃん、お花は好きかい?」

「…?うん、大好きだよ。とっても綺麗で、きらきらしているもん。」

「…そうだね、僕も好きだった。でも今はもうお花は好きじゃないんだ。」

「どうして?」

「それはね、このせいなんだよ。」


そういうと、彼は地面にそっと触れた。その途端、淡い光が灯って、触れた地面の先に小さな白い花が咲いた。


「わぁ、すごい!おじちゃん、すごいね!」

「…怖くないのかい?変だとは思わないのかい?」

「びっくりしたけど、私は好き!お花をたくさん見られるって幸せだもん!」

「…そうか、じゃあ、これはお嬢ちゃんにあげよう。お嬢ちゃんなら、きっと…。」


そう言って、彼は私の首筋に触れ、何かを呟いた。それがどんな呪文だったのかは知らない。彼の低い声を聞いたのを最後に、私は意識を失った。

意識を失った私は近所のおばさんに保護されていて、目を覚ましてしばらくしてから、家まで送ってもらった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ