幸風の日記2
カルレシアには珍しい雨が降った朝、私は何となく思い立って散歩に出かけた。
少し大きめの傘を差して、どこに行くでもなく、ふらふらと歩く。何気なく見上げるとそこには彼女の店があった。寄る予定はなかったはずなのに、近くまで来てしまっていたんだろう。何だか恥ずかしくなってしまった。
どうせ近くまで来てしまったなら誘ってみよう。そう思ってドアをノックすると、彼女はすぐに出てきた。寝起きだったのか、少し跳ねている寝癖を押さえて、驚いたように私を見ている。散歩に誘うと快く承諾してくれて、支度をしている間に紅茶を出してくれた。一緒に持ってきてくれたお菓子も手作りらしく、どれも美味しくて感動した。
支度を終えて急いで来てくれた彼女は、前に送ったネックレスを付けていてくれて…とても嬉しかった。
家を出て少し歩くと、彼女はバランスを崩して転びかけて。その時思わず抱きかかえてしまったのはやっぱりまずかったか…。
真っ赤になった彼女に目を合わせることが出来なくて、見なくても大丈夫なように、彼女が転んでしまわないように手を繋いだ。
ただ私が繋ぎたかったというのもあったが、照れながらも繋いでくれた手は小さくて暖かかった。
その後はゆっくりと、彼女の歩幅に合わせるように歩いて、彼女の好きそうな場所に向かったり…何気なく出てきた散歩だったが、彼女がいると何でも楽しく感じた。
どうか、この願いが叶うのならば。この雨が全て流してくれるなら。彼女に伝えたい想いがある。
いつでも彼女のことを考えてしまう。彼女が喜んでくれることが私の幸せだ。
出来れば、彼女のそばにいて、ずっと幸せにしてやりたい、と思う。…やっぱり、私は彼女…華琳が、好きだ。




