脱獄
警報が止むとクリス達は動き出した。
誰もいないグラウンドに出るため、マンホールを開け一人づつ外へ出て建物の影がある場所へ行き隠れた。
「どうしてこのままフェンスの方へ行かない?」
「まだ早いんだ・・・今行けば確実に見つかる」
「ここにいてもいずれ見つかっちまうぞ」
「もう少しなんだ・・・」
先程の警報で看守達は一応一つずつ房を見て回ることになった。
一階にあるフランコの房が調べられ、穴の事が看守達にバレた。
「なんだこれはっ?まさか・・・警報を鳴らせ!!」
ウゥゥゥゥゥゥ!!!
再び警報が鳴り響く。
クリスは三人に言った。
「これを待っていたんだ」
あっという間に警察や車がグラウンドに集まる。
「やばい、ばれちまうぞ!」
「大丈夫だ、30年前ここから脱獄した男がいたのを知っているだろ?その後、この刑務所は二度と脱獄されないよう構造を見直し監視カメラや塀などを改善した。でも、一つだけ変わらないものがあったんだ。それは・・・人、看守自体だ」
「そうか、結局機械や物に頼り過ぎて見回りは変わってないってことか?」
「そういうことだ。さぁ、おしゃべりはここまでだ!行くぞ!」
四人は停車している車の下に隠れ、周りに誰もいなくなったらまた別の車の下に隠れるを繰り返し、徐々にフェンスの方へ進んだ。
そして車から出て、フェンスまでダッシュしシーツで覆ったホースを上に投げた。
重みで壁の上にある大量の針は潰され、向かい側にホースの先が落ちた。
「さぁ!登れ」
「おいおい、待てよ!向かい側は垂れてるだけで、ひっかかってないぞ!」
「安心しろ!俺の仲間が向かい側でしっかり掴んでいるから」
「そういうのは早く言ってほしいな」
まずラッチが登り、向かい側に降りた。
次にクリス、そしてドミニクが登り最後にフランコがシーツを掴み登った。
フランコが登っている時に、銃を持った数人の警察がやってきた。
「シェフ・フランコ!!止まれ~!止まらんと撃つぞ!」
警告を無視してでも、フランコは登り続けた。
フランコが頂上まで来た時、クリスは「とべ~!」と叫んだ。
フランコが飛んだ瞬間、警察の一人がフランコを狙い撃った。
ドミニクたちは落ちるフランコを捕まえた。
フランコは脇腹を撃たれ出血している。
「おい!しっかりしろ」
「俺は・・・もう・・・ダメだ」
セシルが送り込んだ部下がシーツに火を点け、登れないようにした。
そして車に乗り込み、クリス達に急ぐように命令した。
クリスは倒れてるフランコの上半身をかかえ、息耐えそうなフランコの言葉を静かに聞いた。
「おれは・・・長くない、だから頼む・・・俺の代わりに息子に伝えてくれ・・・お前は一人じゃない、愛していると・・・」
ドミニクは瞳をゆっくり瞑るフランコに言った。
「安心して眠れ・・・必ず伝えてやるから」
クリスは壁際にフランコを座らせ三人は車に乗り込み、刑務所を脱獄してみせた。




