15分間
房の扉が開いた瞬間、クリスとドミニクはフランコの房へ向かった。
その行動をある一人の男が見ていた。
「他の囚人に見られないように入り口を隠してくれ!」
「シーツでも干すか?」
フランコは入り口にシーツをかけた。
そしてクリスは穴を隠している物をどかして、穴に入って行った。
続けてドミニクとフランコが入り、三人が房を抜けた瞬間に呼びかける声が聞こえる。
「お前等何してんだ?」
クリスはシーツのかかっている方をとっさに見た。
そこにはクリスの同居人が立っていた。
「ラッチ・・・」
「何だこれ?まさか脱獄する気か?」
「お前も一緒に来い!ここから出してやる」
クリスはこの言葉しか思いつかなかった。
しかしラッチはその誘いを拒否した。
「冗談じゃねぇ!脱獄がバレたら懲役が延びちまう」
「大丈夫だ、必ずここから出してやる」
「何を根拠に・・・それよりか看守にこのことを伝えた方が一日でも早くここから出れるんだ」
「待て!落ち着け」
二人の会話にフランコが割って入る。
「お前には会いたい人はいないのか?家族、恋人、親・・・」
ラッチはフランコの言葉にも動揺しなかった。
「俺に外で待っていてくれる者はいない」
フランコは自分の事を口にした。
息子が死にかけていること、クリスの弟が人質になっていることも
「ラッチ・・・看守に言いたければ言え。でもな、お前の刑期が短くなる代わりに人の命が奪われるんだ」
ラッチは下を向き言った。
「必ずここから出れるのか?」
「あぁ、約束する」
「じゃぁ、俺も連れて行け」
ラッチはしゃがみ穴を潜った。
4人はここから地下通路を通りC塔へ向かい、二階へ向かった。
看守の巡回を潜り抜けて、B塔へ行き地下二階へ階段で降りた。
4人は緊張と走ったせいで激しく息があがった。
「あとはこのマンホールから表へ出てフェンスまで向かうだけだ」
何も知らないラッチはクリスの言葉に驚く。
知っているドミニクとフランコもここに来ると、改めて無理な方法だと思う。
「3人はここで少し休んでいてくれ」
「お前はどこに行く?まさか一人で逃げる気じゃないだろ?」
「ちょっとすることがあるんだ」
クリスはそう言うと一人でその場を離れる。
ここまでおよそ5分が経っている。
さらに3分経っても、クリスは戻ってこない。
3人にとってこの短い時間は長く感じる。
しばらくしてクリスは戻ってきた。
「何してた?」
「準備だ」そう言うとクリスは囚人に調達を頼んだシーツとホースを3人に渡し、ホースの周りをシーツで覆うように言った。
「何に使うんだ?」
「壁をよじ登る時に使うんだ」
「それじゃ、もう上に出ようぜ」
「いや、まだだ」
「こんなところでのんびりしてる暇はないんだよ」
「まだ駄目だ。待ってるんだ・・・」
「待ってるって何を?」
その時、刑務所中に大きな警報音が鳴り響く。
「バレた!俺達の脱獄がバレたぞ!!」
「いや、違う。俺はこれを待ってたんだ」
看守や警察がグラウンドや監獄に集まって来た。
4人は息を潜めて、下からマンホールの隙間から外の様子を窺った。
「この警報はなんだ?」
「どうやら誤作動だったみたいだ」
マンホール下で看守の話を聞いた4人は顔を見合わせた。
「誤作動だって・・・どういうことだ?」
クリスは笑って言った。
「俺が鳴らした」




