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ギブ・マネー・バック  作者: yiyi
21/30

家族

「いやまだだ・・・」

クリスはドミニクとフランコを見て言った。

「ここはまだスタート地点に過ぎない。ここから一度地下通路を通り、俺達がいる建物の西側にあるC塔へ向かう」

「C塔は看守の休憩場があるところか?」

「あぁ、そこで一度建物の二階まで行き、B塔とつながっている廊下を通りB塔の地下2階に行く」

「ここから直接B塔には行けないのか?」

「残念だが、構造からして無理なんだ」

「その地下2階に行った後は?」

「ある下水管を通り、表へ上がりフェンスから外へ出る」

フランコは焦りながら言った。

「なぁ!はっ?表へ上がるだと?つまりグラウンドの真ん中にあるマンホールからか?」

「それしか脱出方法はない」

「自殺行為だ!」

「ここに入った時点でもう死んでるさ」

「ここから外までどのくらいかかる?」

「およそ10分ってとこかな」

「いつ決行する?」

「二日後だ・・・二日後の夕方6時の休憩時間が勝負だ」


クリスは一人で先にルートの確認をしに向かった。

その間、フランコとドミニクは話し合っていた。

「お前さんは何故、ここから逃げる気になった?」

「俺の息子は事故に合い、もう長くないんだ・・・」

「何歳だ?」

「9歳だ。まだ若いのに・・・」

「人生というものは残酷だな。生きる必要がある者、生きようとする心がある者に死は近づき、生きる必要のない俺達が堂々とこうして生きているんだからな」

「俺はここから必ず出てやる!息子の命が尽きる前に必ずこの手で抱きしめてあげるんだ」

「殺人鬼とは思えないな・・・」

「俺は殺人鬼なんかではない。たしかに俺は金を借りた相手を殺したが、そいつは不法な返済を俺に要求してきて、俺達家族を崩壊させようとしたんだ。俺は守ろうと必死になり、この手で殺してしまった。俺は妻に捨てられたんだ・・・息子に会えれば、その後は死んでも良いさぁ」

フランコは囚人たちを見ながら言った。



必要な物を同じ受刑者から調達してもらい準備は整った。

二日後・・・ブザーが鳴り、休憩の時間になった。

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