文章にもならない超短編 Ⅲ
ホームページ「文月の朝になる」に載せている超短編のまとめです。
二本分載せておきます。
《もしも幼児化したら》
幼児化は大体三歳ほどです。
精神的にも幼児化しているので、記憶はありません。
籠目×ダーク(幼児化)と紫信(幼児化)×彼方(成人済み)にしてみました!
①籠目とダークの場合。
「ダーク?」
「あ゛? なんだ、女」
「……うわぁ、見た目は可愛いのに口はもの凄く悪いね」
「何だと? お前こそ口の聞き方がなっていないだろう! おれを誰だと思っている!」
「…魔王様なんじゃないの?」
「魔王? なんだそれは…って、女! 何をする!」
「何って、抱っこだけど?」
「離せ! 馴れ馴れしいぞ!」
「わぁ! ほっぺぷにぷにだね。可愛いなぁ」
「なっ!? 頬を擦り付けるな! おれは可愛くなんてない!」
「何言ってるの? すっごく可愛いよ。…あぁ、持って帰って抱き枕にしたいなぁ」
「だから、おれが可愛いわけがないだろう! それと誰が抱き枕などになるか!」
「あっ! そうだよね。男の子に可愛いなんて失礼だもんね。ダークはとってもカッコいいよ」
「そういう問題ではない!」
「まあまあ、怒らない、怒らない」
「怒ってなどいない!」
こんなやり取りを十分ほど繰り返す。
籠目はひたすら穏やかな笑顔。抱っこしながらダークの背中を優しく叩き続ける。
怒鳴り疲れたのか、ぼーっとしてくるダーク。
「うう、この変な女め」
「うん。そうだね。いいこ、いいこ」
「ん。…女、お前いい匂いがするな」
「それはありがとう。ダークもいい匂いがするよ」
「おれはいい匂いなんてしない」
「ダークは全部否定するね」
「…カッコいい、は否定してない」
「そうだった。ふふふ、でもやっぱりダークは可愛いよ」
「……うるさいぞ、女」
「とっても可愛い」
目を瞑って黙ってしまったダークをそのまま寝室に連れて行く籠目。
有言実行。ダークを抱き枕に熟睡。
「……この女、本当に寝たぞ。俺を放って眠るなんて生意気だ」
抱きつかれて苦しいと思いながらも、寝てしまった籠目にされるがままのダーク。
眠ることは出来ないが、籠目に抱きつき目を閉じた。
幼児化しようが、記憶がなかろうが、ダークは根本的に籠目に甘いです。
籠目は子供が特別好きなわけではありません。
ダークだから可愛いのです(*^-^*)
あまりラブラブになりませんでしたが、これでご勘弁を!
②紫信と彼方の場合
「……」
「おにいちゃん、だぁれ?」
「…えっ! あ、彼方と言います」
「彼方おにいちゃん? あたしは、しのぶっていいます!」
「うん。やっぱりそうなんだよね? 紫信さん、だよね」
「…? 彼方おにいちゃん、どうしたの?」
「いや、なんでもないよ」
「ふうん? じゃあ、遊ぼう! あたし、トランプしたい!」
「いいよ。何のゲームがいいかな?」
「ポーカー! このあいだね、おばさんにおしえてもらったの!」
「そんなんだ。よかったね。じゃあ、ポーカーをしよう」
笑顔満開の紫信に、幼児化なんてどうでも良くなった彼方。
優しそうで、遊んでくれる彼方にご機嫌な紫信。
十分後
「……紫信さん、もうイカサマが使えるんだね」
「イカサマ? それ、なあに?」
「えーと、手わざでカードをすり替えたりする事かな?」
「あ! それはしっているよ! おばさんがね、しょうりをかくじつにするしゅだんっていってた!」
「…そっか。紫信さんは物知りなんだね」
「ありがとぉ!」
「……どういたしまして」
イカサマについて教えるか否か、一瞬悩んだものの、大したことじゃないかとスルーする彼方。
単純に褒めて貰ったと喜ぶ紫信。
喜んでいるしいいか、とそれをまた笑顔で流す彼方。
永遠ループ。
彼方は高校生&大人の紫信では、滅多に見られない無邪気な笑顔に内心悶えてます。
籠目と同様、彼方も特別子供が好きなわけではありません。
相手が紫信だからこその甘さです(笑)
《トランプ対決。イカサマは有りですが、何か?》
分かり辛くなると思うので、鍵カッコの前に頭文字を置いておきます。
籠目→籠 ダーク→ダ クラッド→ク 彼方→彼 紫信→紫 ルルーシュ→ル
彼方は十七歳の設定です。
籠「第一回トランプ対決! 開催! はいっ拍手」
ダ(ぱちぱちぱちぱち)
ク(ぱちぱちぱちぱち)
籠「ダーク、クラッド、ありがとう。他の皆はノリが悪いね」
紫「いや、叔母さん。集まって急に言われても理解が追い付かないよ」
彼「取りあえず、トランプを皆でするということですよね。面白そうです」
籠「あっ、そうだったの? 驚かせてごめんね、シノちゃん。彼方君、その通りだよ。勿論イカサマ有りだから、張り切ってね」
ル「籠目様、こういう事はご家族や友人としてください。私は帰ります」
籠「何言ってるの。ルルーシュは大事な友人だよ」
ル「……ありがとうございます」
ク「ルルーシュ様、意外と初心ですよね」
ダ「こいつは友人が少ないからな。慣れてないんだろう」
ル「お二人とも、五月蠅いですよ!」
紫「(ルルーシュさんって大人な人だと思ってたのに。意外だなぁ。ちょっと可愛いかもしれない)」
彼「紫信さん。浮気は許しませんよ?」
紫「(悟られた!)…彼方、段々皆に似てきたね」
籠「はい、はい。皆ストップ! 話し始めたら永遠と話しちゃうからね。そろそろゲームを始めるよ」
その言葉を皮切りに、ゲームが始まった。
一戦目「爺抜き」
ル「ダウト。引いたカードをすり替えました」
ク「…当たりです」
籠「クラッド、残念。ペナルティは後でね」
紫「じゃあ、次は私が引く番」
ダ「ほら、引け」
籠「ダウト!」
紫「えっ?」
籠「ダークがカードをすり替えた」
ダ「当たりだ」
彼「もう、僕のついていけるレベルではない気が」
紫「大丈夫だよ、彼方。私も全然わからなかったから」
一戦目の結果
一位ルルーシュ・ダウト三回・ペナルティ零回
二位籠目・ダウト二回・ペナルティ零回
三位紫信・ダウト零回・ペナルティ零回
二戦目「大貧民」
ク「ダウト。貴方は二を持っていませんでした」
ル「覗きですか。良い趣味です」
ク「負け惜しみ醜いですよ」
ク・ル「「……」」
籠「喧嘩はゲームが終わった後に外でしてね。上がり!」
紫「叔母さん。早いね。私も上がりだけど」
ダ「彼方、ダウト。山のカードとすり替えた」
彼「当たりです。…今さらですが、イカサマなしにしませんか?」
籠「運に頼るなんて詰まらないから却下だよ、彼方君」
二戦目の結果
一位ダーク・ダウト四回・ペナルティ一回
二位籠目・ダウト一回・ペナルティ零回
三位紫信・ダウト零回・ペナルティ零回
三戦目「ポーカー」
紫「ダウト! 彼方、十と五をすり替えた」
彼「当たりです。紫信さんも相変わらず強いですね」
籠「ダーク、このカードチェンジして」
ク「ダーク、ダウトです。籠目様に渡すカードをゴミと替えましたね?」
ダ「ハズレだ。すり替えていない。山札を確認しろ」
ク「…フェイクですか。引っかかりました」
ル「……」
籠「どうしたの? ルルーシュ」
ル「いえ、イカサマを探しているだけです」
籠「ははっ、そうなの? でも残念。もう準備は終わったから。じゃあ、皆、カードを出してね」
籠目はスペードのストレートフラッシュ。
ダークはダイヤのストレートフラッシュ。
クラッドはハートのストレートフラッシュ。
ルルーシュはクローバーのストレートフラッシュ。
紫信はフルハウス。
彼方はフルハウス。
彼「ストレートフラッシュが四人って」
紫「家族の年長組でやると、全員がストレートフラッシュって事もあるよ」
籠「彼方君は人のこと言えないでしょう? 五が三枚なのは普通だけど、ジョーカーが二枚は普通ないよ」
ク「ストレートフラッシュを狙っているならジョーカーは要りませんからね」
三戦目の結果
一位紫信・ダウト一回・ペナルティ零回
二位籠目・ダウト零回・ペナルティ零回
三位ダーク・ダウト二回・ペナルティ一回
最終結果
一位籠目
二位紫信
三位ダーク
ダ「相変わらず、籠目は強いな」
紫「そうだね。叔母さんは毎回ペナルティがないよね」
彼「紫信さんもないですよ?」
ル「嫌な予感がします」
ク「ルルーシュ様もですか、私もです」
彼「どうしたんですか?」
ダ「まぁ、ルール違反じゃない」
彼「? ……あっ!」
籠「タッグを組んじゃいけないなんてルールはないからね」
紫「久しぶりに組んだから不安だったけど、上手くいってよかったよ」
彼「僕、お二人を敵に回すことだけは、絶対にしません」
ル「それには同意します」
ク「私はいつでも籠目様の味方ですよ」
ダ「それはゲームとして終わってないか?」
籠「まぁまぁ、皆お疲れ様! ペナルティの支払いはまた今度ね! じゃあ、皆、お疲れ様でした!」
なんだかよくわからない話になってしまいました。
まぁ、暇つぶしにでもなってくれれば嬉しいです(*^-^*)