scenario.37 君の前なら
皆様お疲れ様でございます〜!そして読もうとして頂きありがとうございます✨️今回はscenario.37!かなり怒涛の展開ですね〜最後はお知らせがございますので最後までぜひお読みください〜
「なんでそんなことすんだよ!!」
ドレイブは瞳を震わせて、叫びながら、必死に止める。
「私は、この世界に向いていないのかもしれない」
シオンは脱力し、銃を床に置いた。そして、切なげな表情を浮かべる。
「一瞬だけ知ったんだ、”幸せ”でも失うのがこんなに痛いだなんて知らなかったんだ……!家族が無事であることを知ることすら、できないのよ……」
シオンは、穏やかだけど、苦しい笑顔を見せる。
「忘れんなよ、その刹那の幸せをな……!」
ドレイブは、そう言い、歩き出した。
「ルナビットに乗って、エアルのところ向かおうぜ……」
クレイスが次の行動を提案する。それに納得した第二部隊は、エアルのところに向かうために、ルナビットに乗り出した。
一方、ゼイルを倒したエアルは──
「殺しちゃった……」
自分の手を見つめ、囁く。ずっとフラッシュバックが脳内を流れ続ける。
エアルはもともと、プネウマだった。異星から、生命が生きられる星を探すために実験され、電子体にされ、セルロイドとして旅立った。
しかしエアルは、人格を失う運命に反抗し、電子体として宇宙を彷徨った。そうしてクレセントの一人の胎児に宿った。
それがエアル。そして、異星人の頃の名前が「ミュトス・アルゲリア」
それが本当の名前だった。
『思い出してくれてよかったです、エアルさん』
ハーベスが穏やかな口調で喋る。
「戦闘のとき、一切しゃべってなかったが、大丈夫か?」
戦闘のとき、あまりハーベスが喋っていなかったことに違和感を覚えていた。
『すみません……通信状況が悪かったです……』
「そうか、なら仕方ないな〜」
エアルは覚悟を決め、拳を握る。そして、自分に言い聞かせるように呟く。
「ジエルの安否確認しよう……!」
ジエルの胸が貫かれた機体の中に恐る恐る入る。
「誰か……来たのかぁ……?」
ジエルにはまだ意識があり、喋れる気力があったのだ。
「ジエル……!生きてたのか!すまない……私の意識を失っていたから……!」
「この声は、エアルか……ったく、自分を責めるんじゃ……ねーよ……エアルは、すごいんだからよぉ……本当にすごいんだぁ」
服には血が滲み、段々と広がっていく。
エアルのことを誇らしげに言った。どこかそれは幼く、切ない声色だった。
その時、ジエルは、エアルに銃を手渡した。
「俺を……殺して」
エアルは銃を持つが、手が震えだす。
「なぜだ!ジエルは今生きてるんだぞ!」
ジエルは、エアルの手をギュッと握り、囁いた。
「俺はもう目が両目ともに見えない……俺の役目は、ここまでなんだよぉ……エアル」
エアルは、必死に訴える。死んでほしくないよと。
「死ぬのは時間の問題……なんだ。俺……一人で死ぬのは怖いよ……置いてかないで」
「それでも……!そんなことなんて……」
するとジエルは、今までのことを打ち明け始めた。
「俺……エアルのこと……好きだったんだー、はじめて第二部隊で会ったときに一目惚れしたんだ……でも勇気がない俺は……結局最期まで伝えられなかった。この戦が終わったらなんて思ってた……でも……最後にエアルの前で死ねるのなら……エアルが俺を殺してくれ」
エアルは手を震わせて、銃を持ち、ジエルの方へと向ける。
「……」
エアルは、驚いたような目をして、黙り込んでいた。エアルの頬からは、気づけば大粒の涙が流れていた。
「俺のことについては、忘れてくれよ」
ジエルは、普段見せないような、緩めた表情をしていた。
「そんな顔……普段しなかったじゃん」
「伝えられたから十分だぁ……撃ってくれ」
エアルは、決断し銃を再びジエルの方へ向ける。手からは冷や汗がぽたりと落ちる。
「俺は、小澤蒼汰、最後くらいエアルの本名……聞かせてくれよ……」
「君嶋葵、ごめんなさい、そしてありがとう……!ジエル」
エアルは、発砲した。銃声が宇宙の冷たさに溶け込んでいた。涙が一滴落ち、コックピットの座席に染み付いていた。
今回のscenario最後まで読んで頂きありがとうございます✨️
お知らせ〜
ムーンライター最終話が54話で完結決定!
最後まで応援よろしくお願いします〜
明日も19時半に公開させて頂きます!
作者の一言
毛布温かいなー笑




