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『凡人修仙伝』: 不死身を目指してただ逃げてたら、いつのまにか最強になってた  作者: 白吊带
第二卷: 煉気編一初めて世間に·血色禁地
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強者たち

  数多の強豪たちが牙を剥き始め、近くの弱者たちを大規模に**粛清(しゅくせい)**し始めた。中心地帯に近づくほど、殺戮(さつりく)はより頻繁に、より血生臭くなっていく。


 もちろん、時折実力が拮抗(きっこう)した「**高手(こうしゅ)**」同士が出会うこともある。その場合、彼らは非常に**黙契(もっけい)**のもとに互いを無視し、すれ違う。今はまだ彼らが激突する時ではないのだ。


 言うまでもなく、禁地(きんち)にいる各派の弟子たちは、大まかに三つのタイプに分けられる!


 第一のタイプは、実力が極めて弱く、功法(こうほう)が十一層、あるいは十層に過ぎない者たちだ。


 彼らが禁地へ入る理由は様々だ。やむを得ぬ事情で追い込まれた者もいれば、**僥倖(ぎょうこう)**を願い、混沌(こんとん)に乗じて利益を得ようとする者もいる。だが目的が何であれ、彼らは**血塗られた試練(ちぬられたしれん)**の最底辺に位置し、他者に殺戮される役割を演じるしかない。


 往々にして禁地一日目が終わる頃には、最も機転が利き特殊な自衛手段を持つ数名を除き、この類の弱者たちは他者によってほぼ一掃されてしまう。


 もちろん韓立のように、異宝(いほう)を頼りに他の凶悪な者たちと直接対決できる者は、例外と言える!


 第二の類は、頬髯(ほおひげ)の男のように法力はそこそこあるが、自らの総合実力が他の高手には遠く及ばないと自覚し、霊物(れいぶつ)の獲得が絶望的な者たちだ。彼らは禁地内のトップクラスと命懸けで戦い、霊薬(れいやく)を謀ることを望まない。代わりに、第一のタイプや同類の者たちに目を向け、この好機に人を殺し宝を奪い、**密やかに大儲け(ひそやかにおおもうけ)**しようと企む。


 これらの者たちは、血塗られた試練の最初の二日間は比較的活動的だ。しかし三日目からは、勝ち残った者たちは自動的に禁地から姿を消し、二度と現れなくなる。


 彼らはよく理解している。後の三日間は「高手」同士の狂気の対決の日であり、その期間に遭遇すれば、彼ら中堅クラスの実力者は絶対に死ぬ、と。


 もちろん、その中には自惚(うぬぼ)れ屋や自己実力を認識できていない者もおり、霊薬争奪の渦(うず)に飛び込み、**屍すら残らない末路(しかばねすらのこらないまつろ)**を辿ることもある。


 しかし大部分の者は、時機を早く見極め、素早く身を引く。彼らこそが、血塗られた試練で最も生存率の高いタイプなのだ。一方、強大な実力を誇った者たちは、次々と惨死していく。これは皮肉と言わざるを得ない。


 最後のタイプは最も少ない。


 彼らはピラミッドの頂点に立ち、各派が禁地へ送り込んだ最精鋭(せいえい)の子弟だ。各派の上層部が真に期待を寄せる存在であり、他の同門弟子たちは、せいぜい他派の注意をそらすための**捨て駒(すてごま)**に過ぎない!


 この精鋭たちは法力が深く、驚異的な威力を持つ**頂級法器(ちょうきゅうほうき)**を装備している!彼らの目的はただ一つ、他派の者を殺し、十分な霊薬を奪うことだ!


 そしてこの最初の大規模殺戮の開始は、彼らの黙契のもとに同時多発的に行われた。水を濁して漁夫の利を得ようとする雑魚(ざこ)どもを排除し、彼らに手足を縛られたり、余計な枝葉を生じさせたりしないためだ。


 さらに、誰かが一足先に中心区域へ入った事実に対し、彼らは焦りも慌てもしない。結局のところ、入るのは容易だが、霊薬を持ってそこから出ようとすれば、それは極めて困難だからだ!


 殺戮は続いていたが、韓立は中心区域からまだ距離があったため、法力(ほうりき)を回復中の彼に波は及ばなかった。


 しかし他の弱者たちは、韓立ほど幸運ではなかった。多くの者が殺戮に巻き込まれ、必死に抜け出そうと苦闘していた。何とか一命だけは取り留めようと!


 そして**化刀塢(かとうう)**の**蕭二(しょうじ)**もその一人だった。


 今の蕭二は恐怖で顔面蒼白(がんめんそうはく)となり、目前の人物を怯えた様子で見つめていた。それは銀色の巨剣を背負った、**裸足(はだし)**の大男だった。


 この男は、蕭二の目の前で、集まった他の二人の化刀塢の同門を次々と殺害していた。男の銀色の巨剣の前では、どんな上級法器(じょうきゅうほうき)も防御の護幕(ごまく)も、薄紙(うすがみ)のように一撃で破られ、最後には人間そのものが真っ二つに斬り裂かれた。


 しかし、他の同門が足止めしてくれたおかげで、危険を察知した蕭二はその隙に逃げ出し、必死に走り続けることができた。


 だが残念なことに、大男は彼を見逃すつもりはないようで、数時間も執拗(しつよう)に追跡し、ついにここで再び行く手を塞いだ。蕭二は完全に絶望した!


「自決(じけつ)するなら、全屍(ぜんし)で死なせてやる」大男は冷たい目つきで、無表情に言い放った。


「貴様…死んでしまえ!」


 命も長くないと悟った蕭二は、絶望の中、死に物狂いの凶暴性(きょうぼうせい)を爆発させた。持っているわずか二つの上級法器を一気に祭り出した。


「愚か者め!」


 大男は言葉を惜しむように言うと、背中の銀色の巨剣が天へ舞い上がった。二つの法器をいとも容易く粉砕し、その勢いで蕭二を真っ二つに斬り裂いた。


 これらを終えると、大男は蕭二の死体を一瞥(いちべつ)することさえなく、即座に振り返って去っていった。相手の収納袋(しゅうのうたい)に手を出す気など微塵(みじん)もないようだった。彼にとっては、この銀色の巨剣という一つの法器さえあれば十分なのだ! 他の法器や宝物はかえって注意を散らし、彼の修行に大いに悪影響を及ぼすだけだ!


 ……


 同じ頃、中心区域近くの小川のほとりで、**掩月宗(えんげつしゅう)**の女弟子が香汗(こうかん)を流しながら、**羅帕(らはく)**のような法器を操り、二つの赤く光る飛刀(ひとう)を必死に防いでいた。どうやってもう耐えきれそうにない。


「こちらの化刀塢の師兄(しけい)、どうか妹を逃がしてはいただけませんか? 妹は一晩、師兄にお仕えすることをお約束します!」


 この女は生死の境に立たされ、ついに羞恥心(しゅうちしん)を顧みず、女の最大の武器を使った。相手を誘惑したのだ。だが成功するか? 相手の手口を目にした後では、女の心には全く確信が持てなかった。


「よし、お前が法器を収めるなら、承諾しよう!」そう言ったのは、十八、九歳の青衫(せいさん)の男だった。眉目秀麗(びもくしゅうれい)で、唇は紅(くれない)、歯は白く、颯爽(さっそう)とした美男子(びなんし)の風貌(ふうぼう)だ。


 そう言うと、男は二振りの飛刀を空中で静止させ、微笑みながら女を見つめた。


 掩月宗の女は大喜びし、慌てて男へ媚態(びたい)を二度ほど投げかけ、わずかに躊躇(ちゅうちょ)した後、羅帕をゆっくりと降ろして手に収めた。そして胸を張り、何かを言おうとした。


 しかし彼女の桜色の唇が開くより早く、美男子の顔に突然殺意が走った。指が鋭く前方を指し示すと、二振りの赤い飛刀が雷鳴(らいめい)の如く速さで交差しながら鋏(はさみ)のように襲いかかり、女は無言のまま地面へ倒れた。血が辺り一面に流れ広がる。


「淫売(いんばい)め! お前のような凡庸(ぼんよう)な化粧(けしょう)の跡が、この**寒天涯(かんてんがい)**を惑わせると思うか!」


 美男子は嫌悪の表情を浮かべ、声は突然鋭く甲高くなった。続けて腰から香ばしい手帕(しゅはく)を取り出し、優雅に顔の埃(ほこり)を拭った。その動作は非常に女性的で優雅、まるで良家の令嬢(れいじょう)のようだった。


「急いで先を急がねば。道中、気晴らしになる相手に何人か出会えるかもしれん」


 独り言の後、男は使い終えた手帕を女の顔に投げ捨てると、腰をくねらせながら去っていった。


 ……


 山林の中では、霊獣山(れいじゅうざん)の弟子が地面に横たわり、その近くに黄衫(おうさん)の中年男が立っていた。彼は首を振りながら空を見上げ、何かを呟いている。背後には数頭の凶悪極まる怪獣(かいじゅう)が地面に伏せ、微動だにしない。どうやら息の根は止まっているようだ!


 ……


 荒れ山の上で、醜悪(しゅうあく)な容貌(ようぼう)の緑衫(りょくさん)の男が、群れをなす巨大な蜂を狂ったように操り、道士(どうし)風の格好をした数名を包囲攻撃していた。


 ……


 このように、禁地内では強者が弱者を虐殺する事件が今や至る所で起きていた。韓立はこれらを目撃していなかったが、空気に微かに漂う血の匂いを感じ取っていた。


 しかし彼は原因を追究している暇はなかった。樹冠(じゅかん)の上に微動だにせず座り、体内の法力が徐々に満ちていくのを待っていた。


 時間は速く過ぎ、禁地内の最初の夜は大半が過ぎ去っていた。韓立が驚いたのは、この地の夜が昼間と同じく明るく、空全体が常に灰色がかっていることだ。見る者にどこか不快感を与える。


 法力がほぼ回復し、内心ほのかな喜びを覚えたその時、突然、慌ただしい足音と重い息づかいが遠くから近づいてきた。どうやら誰かが韓立が座禅(ざぜん)を組む大樹へ向かって走っているらしい。


注釈**


**粛清(しゅくせい)**: ここでは弱者を組織的に排除する行為を指す。


**高手(こうしゅ)**: 修仙者(しゅうせんしゃ)の中でも特に実力が高い者。


**黙契(もっけい)**: 言葉を交わさずとも互いに了解し合うこと。


**僥倖(ぎょうこう)**: 偶然の幸運、まぐれ当たり。


**血塗られた試練(ちぬられたしれん)**: 禁地探索の別称。殺戮が頻発することから。


**密やかに大儲け(ひそやかにおおもうけ)**: 目立たずに大きな利益を得ること。


**屍すら残らない末路(しかばねすらのこらないまつろ)**: 完全に消し去られるほどの悲惨な結末。


**捨て駒(すてごま)**: 戦略的に犠牲にする者。


**頂級法器(ちょうきゅうほうき)**: 最上級の法具。圧倒的な威力を持つ。


**化刀塢(かとうう)/掩月宗(えんげつしゅう)/霊獣山(れいじゅうざん)**: 修仙者の派閥名。


**蕭二(しょうじ)/寒天涯(かんてんがい)**: 登場人物の名前。


**裸足(はだし)**: 靴を履かず素足であること。


**羅帕(らはく)**: 絹のハンカチ状の法器。防御や拘束に用いられる。


**飛刀(ひとう)**: 空中を飛び回る刀型の法器。


**師兄(しけい)**: 同じ門派の先輩弟子に対する敬称。


**媚態(びたい)**: 男性を誘惑するような態度や仕草。


**樹冠(じゅかん)**: 木のてっぺんの枝葉が茂った部分。


**法力(ほうりき)**: 修仙者が操る神秘的な力。

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