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『凡人修仙伝』: 不死身を目指してただ逃げてたら、いつのまにか最強になってた  作者: 白吊带
第二卷: 煉気編一初めて世間に·血色禁地
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禁地開封


 各派の引率者たちが禁地(きんち)開封の手順を協議している間も、韓立は手を休めず、各派の厄介(やっかい)な人物たちを観察していた。


 功法(こうほう)が第十三层の頂点に達している強者たちに対しては、韓立は「避けられるなら避け、逃げられるなら逃げ、どうしてもダメなら背後から仕掛ける」という考えを持っていた。彼はもう二度と「陸師兄(りくしけい)」とのあの大戦のように、法力(ほうりき)を一滴残らず使い果たすような真似はしたくなかった。


 ここは前回とは全く違う。今回直面するのは一人の相手ではなく、目を血走らせた大勢の修仙者(しゅうせんじゃ)たちなのだ。余力を残さず、常に反撃の力を維持しなければ、真っ先に脱落する者の一人に自分がなるのは必定(ひつじょう)だった。


 そんなことを考えながら周囲を見回していると、韓立は突然、誰かに見られているような気配を感じ、少し驚いて、その視線を感じた方向へと目を向けた。


 霊獣山(れいじゅうざん)の女性弟子が、韓立を少し避けるように見つめていた。その端麗(たんれい)な顔立ちは、どこか見覚えがあるようだった。


 韓立は心の中で訝(いぶか)りながら、自分が知る女性たちを頭の中で次々と思い浮かべた。すると、一人の細身(ほそみ)の少女の姿が浮かび上がった。


「彼女か! 太南会(たいなんかい)で金竺筆(きんちくひつ)を売ってくれたあの少女だ。なぜ霊獣山(れいじゅうざん)の門下(もんか)に入り、しかもこの血色試練(けっしょくしれん)に参加しているんだ?」 韓立は以前よりも一層美しくなった少女をようやく思い出したが、心の中には疑問が渦巻(うずま)いていた。


 しかし、彼女のすぐに顔を真っ赤にするあの様子は、今でも鮮明に記憶に残っており、彼女には大いなる好意を抱いていた!


 そう思うと、彼は思わず少女に向かって微笑んだ。


 少女はそれをはっきりと見たようで、両頬が「サッ」と真っ赤に染まった。やはり相変わらず、すぐに照れてしまうのだ!


 少女の背後に立っていた顎鬚(あごひげ)の濃い男が、少女と韓立(かんりつ)のやり取りに気づいたらしく、顔を曇らせて、突然少女に何か厳しい口調で言った。すると少女はすぐに顔色を失い、うつむいて黙り込み、二度と韓立(かんりつ)の方を気軽に見ようとはしなくなった!


 その男はまだ引き下がらず、悪意に満ちた目で韓立を強く睨(にら)みつけた。その警告の意図は、極めて明らかだった。


 韓立は眉をひそめた。どうやら少女は霊獣山(れいじゅうざん)でひどい目に遭っているようだ。この顎鬚(あごひげ)の男は、さっき韓立が注意していた厄介(やっかい)な人物の一人で、第十三层の功力(こうりょく)を持っていた。少女がこんな男に目をつけられては、きっと散々苦労しているに違いない。


 しかし、韓立は自分が霊獣山(れいじゅうざん)の者ではないと自負していた。それに、禁地(きんち)に入れば、敵でなくとも敵になるのだ。当然、相手の顔色など伺うつもりはなく、全く気にせずに突然、相手に向かって舌をべーっと出した。


 韓立のこの行動に、顎鬚(あごひげ)の男は顔を真っ赤にして激怒したが、韓立をどうすることもできず、仕方なくまた少女の方を向いて低く怒鳴りつけた。そのため近くの霊獣山(れいじゅうざん)の弟子たちは皆、そちらを振り返り、ほとんどが少女に侮蔑(ぶべつ)の色を露(あら)わにした。


 韓立は内心で怒りを感じ、少女への憐憫(れんびん)の情が強く湧き上がった。しかし、あまりにも距離が離れていたため、顎鬚(あごひげ)の男が具体的に何を言っているのかははっきり聞き取れなかった。


 少女にこれ以上つらい思いをさせないために、韓立はこの憐香惜玉(れんこうせきぎょく=美しいものを慈しむ心)を知らない乱暴者をこれ以上挑発しないことにした。さもなければ、韓立は自信を持っていた。彼には、この男を怒りで七つの穴(七竅)から煙を出させながらも、どうしようもなくさせる十分な手段があるのだ。


 その時、各派の師祖たちは協議を終え、それぞれ自派の隊列に戻った。そして弟子たちを連れて空中に舞い上がり、伝説の禁地(きんち)へと飛んでいった。


 今回は時間が短かった。元武国(げんぶこく)との国境の方向へ、わずか数刻(すうじかん)飛んだだけで、広大で果てしない黄土(おうど)の丘の前に降り立った。この場所は石の塊(かたまり)が点在しているだけで、一本の草さえ見当たらない。見渡す限り、一面に黄(き)ばんだ茫々(ぼうぼう)たる景色が広がっていた。


「まさかここなのか?」


 韓立も他の者たち同様、大いに意外に思った。これは天地の霊物(れいぶつ)を育む場所にはとても思えなかった。


 数人の結丹期の高人は再び集まって何か話し合い、すると巨剣門(きょけんもん)の体格の良い高人が一人で前に進み出た。十数歩前に進むと、立ち止まった。


 彼は左手を差し出し、その手のひらに黄(き)い光が湧き上がると、地面に向かって掴む(つかむ)ような動作をした。すると黄龍(こうりゅう)のような泥の流れが吸い上げられ、彼の手の中で黄(き)い泥でできた巨剣へと凝結(ぎょうけつ)した。


 もう一方の手の指は、柄(つか)から剣先(けんさき)へとそっと撫でる(なでる)ように動いた。指が通るたびに白い光が輝き、泥の剣は瞬く間に灰白色に変わり、重々しい巨石の剣となった。

 この泥を石に変える中級法術に、七派の弟子たちは感嘆(かんたん)の声を上げ、大いに見聞(けんぶん)を広めた。


 しかし、これで終わったわけではなかった。巨剣門(きょけんもん)の高人は両手で剣を握り、腰を落として大喝(だいかつ)一声、石の剣を流星のように放り投げた。それは真っ直ぐ前方の空中へと激しく飛んでいった。


 そして、心を震わせる光景が現れた。石の剣はわずか数十歩飛んだだけで、何かに触れたかのように突然震え、粉々に砕け散った。すると虚空(こくう)に大面積の青光(せいこう)が湧き出て、天を覆い地を尽(つ)くさんばかりに広がり、全員の肌を青く染めた。


 弟子たちが肝を冷やしていると、青光(せいこう)が理由もなく激しく渦巻(うずま)き、唸(うな)り声を上げながら無数の風刃(ふうじん)へと変化し、狂ったように吹き荒れ始めた。それは風雨すら通さぬ風刃(ふうじん)の壁を形成し、その壁に沿って左右を見渡すと、どちらも果てしなく続いており、どこまで延びているのかわからなかった。辺り一面に青くぼんやりとした風の唸(うな)りが響いている。


 もし誰かがこの壁の中に入れば、間違いなく凌遅刑(りょうちけい=千切りにされる刑)の味を味わうことになるだろう。無数の刃に切り刻まれるに違いない。


 これこそがこの場所の禁制(きんせい)だ。確かに見た目は恐ろしい。いったいどんな神通力(じんつうりき)を持った上古(じょうこ)の修士(しゅうし)が、これほどまでに巨大で強力な法陣(ほうじん)を設置できたのだろうか。黄楓谷(こうふうこく)の護門大陣(ごもんたいじん)と比べれば、まるで子供の玩具のように思え、取るに足らないものだった。韓立(かんりつ)は心の中で感嘆した。

 その時、巨剣門(きょけんもん)の高人は首を振ると、振り返って戻ってきた。一方、他の引率者たちは、まだ時機(じき)が熟していないと告げ、弟子たちにしばらく休息を取るよう命じ、すぐに禁地(きんち)を開封すると言った。


 こうして、およそ一時間ごとに、巨剣門(きょけんもん)の高人は同じことを繰り返し、禁制(きんせい)の強さをテストした。四本目の石剣を投げた時、ついに禁地(きんち)から湧き出る青光(せいこう)と風刃(ふうじん)が明らかに弱まった。


 この光景を見て、他の六人の結丹期の修士(しゅうし)たちは申し合わせたように飛び出し、一列に並んで立った。


 李師祖(りしそ)は手を伸ばし、掌(てのひら)から戒尺(かいじゃく)のような物をゆっくりと出現させると、銀色の光を放って激しく射出した。道士(どうし)は自分の後頭部を軽く叩き、口を開くと、一寸(いっすん)ほどの長さの青光(せいこう)を吐き出した。それは風を受けて伸び、数尺の長さの飛剣(ひけん)となった。


 残る五人もそれぞれの体から眩(まばゆ)いばかりの物を飛び出させた:桃色(ももいろ)の帯(おび)、龍形(りゅうけい)の杖(つえ)、黒く鈍(にぶ)い巨剣、赤い光を放つ長刀(なががたな)、黄(き)い光を閃(ひらめ)かせる大きな印(いん)。


 七人、七つの物が互いに輝きを競い合い、円環状(えんかんじょう)に並んで風刃(ふうじん)の大陣(たいじん)へと突進した。


 これらは、彼らが結丹期に入ってから、長年の苦修(くしゅう)と鍛錬(たんれん)を経てようやく少し形になった法宝(ほうぼう)だった。


 各派の弟子たちはおろそかにせず、他の築基期(ちくきき)の先輩たちの指示のもと、七人の背後に立ち、七つの列に分かれて、禁地(きんち)へ入る準備を整えた。


「ゴオオオオッ!」という轟音(ごうおん)が響き渡り、七つの法宝(ほうぼう)と風刃(ふうじん)が激突した。各色の光が飛び散り、時折「ウーン」という奇怪な唸(うな)り声を発し、傍観(ぼうかん)する弟子たちは緊張で息を詰(つ)まらせた。


 李師祖(りしそ)の戒尺(かいじゃく)はくるくると絶え間なく回転し、その上の銀色の光は大きくなったり小さくなったりしながら、まるで意志を持つかのように無数の風刃(ふうじん)を粉々に打ち砕いた。


 青色の飛剣(ひけん)は、十数丈(じゅうすうじょう)の蛟竜(こうりゅう)へと変幻(へんげん)し、一振りごとに奇怪な鳴き声を伴い、人の心魂(しんこん)を揺さぶった。


 残る五つの法宝(ほうぼう)も、それぞれの神技(しんぎ)を発揮した。特に天闕堡(てんけつほ)の高人の黄(き)い大印(だいいん)は、威勢(いせい)が最もすさまじく、一撃ごとに小さい山ほどの大きさに膨張(ぼうちょう)し、同時に風雷(ふうらい)の音を爆発させた。しかし戻る時は元の形に縮むが、動きは少し鈍重(どんじゅう)で遅いようだった。


 七つの法宝(ほうぼう)の威力(いりょく)は驚異的だったが、弱まったとはいえ風刃(ふうじん)の大陣(たいじん)と比べると、依然として苦戦(くせん)を強いられ、風の壁の中を一歩進むごとにしばらく時間がかかった。間もなく、七人の額(ひたい)には薄っすらと汗の跡が浮かび上がった。


 激闘(げきとう)が三、四刻(さんよじかん)続き、七人は汗が滴(したた)るほどになったが、ついに操る法宝(ほうぼう)たちが優勢(ゆうせい)に立ち、風の壁に丈(たけ)ほどの高さの円形の通路を無理やり打ち開いた。通路の中は真っ暗で、何も見えなかった。


「早く入れ! 我々は長くは持たん!」 道士(どうし)が真っ先に叫んだ。七人の中で彼の法力(ほうりき)が最も浅く、流す汗も最も多かったからだ。


 七派の弟子たちはその言葉を聞き、おろそかにせず、互いに入り混じりながら、次々と通路へと飛び込んでいった。


 その時、誰もが黙り込み、表情は陰鬱(いんうつ)だった。誰もが知っていた。禁地(きんち)に入れば、全員が即座に生死をかけた大敵となり、同門の師兄弟ですら信じられなくなることを。

 韓立は列の中盤よりやや後ろにいた。前は巨剣門(きょけんもん)の弟子、後ろは化刀塢(かとうう)の者たちだった。


 通路は長くなく、二十丈(にじゅうじょう)ほどの距離は一瞬で通り過ぎた。韓立(かんりつ)が出口から飛び出し、目の前の状況を見る間もなく、天地がぐるぐると回るような感覚と目がくらむような感覚を覚えた。次の瞬間、彼は出口の場所から消え、跡形もなく姿を消していた。


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