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『凡人修仙伝』: 不死身を目指してただ逃げてたら、いつのまにか最強になってた  作者: 白吊带
第二卷: 煉気編一初めて世間に·血色禁地
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万宝楼

坊市(ぼうし)**:修仙者が物品を売買・交換するための専用市場。門派が管理するものと独立したものがある。

 

 黄楓谷(おうふうこく)の坊市(ぼうし)は、韓立の故郷の青牛鎮(せいぎゅうちん)によく似ていた。坊市全体は一本の通りだけで、それは南北に延びている。南端には大小様々な数十棟の建物が立ち並び、高かったり低かったり、中には二階建てもあれば小屋のようなものもあり、非常に不揃い(ふぞろい)だった。


 これらは全て黄楓谷の所有物だが、ほんの一部だけが黄楓谷の弟子自身によって管理されており、残りの大半はここで常に商売をしている修仙家族(しゅうせんかぞく)や散修(さんしゅう)に貸し出されていた。そのほとんどは原料、符箓(ふろく)、そして法器(ほうき)を売買する店舗で、初級法決(ほうけつ)を専門に扱う五行書店(ごぎょうしょてん)や、人々の飲食や休憩に便利な酒楼(しゅろう)と宿泊施設(しゅくはくしせつ)が一軒ずつあった。


 さらに、坊市全体には低階執事弟子(しつじでし)の他に、一定数の築基期(ちくきき)の高手(こうしゅ)が常駐し、秩序を維持し、騒乱(そうらん)を防いでいた。


 通りの北側の大部分は空き地で、思いつきで露店(ろてん)を出したい修仙者のために特別に確保されていた。この区域を管理する黄楓谷の弟子に低級霊石一枚を渡せば、外部の者はその両側の空き地に一日中露店を出しても妨げられることはなく、露店を出している間はこれらの弟子たちの保護も受けられ、仇敵(きゅうてき)がその機会に報復する心配もなかった。


 このような外部の修仙者を招き入れる施策と、坊市の特殊な地理的環境が相まって、黄楓谷の坊市は年々繁栄し、時折坊市から珍しい品々が流出するため、さらに多くの修仙者が「掘り出し物」を探しに訪れていた。


 しかし韓立は嫌疑(けんぎ)を避けるため、最も便利な南の入口からではなく、大きく迂回(うかい)して北側から入った。さらに通りに入る前、彼は頭に青いマントをかぶせて顔を隠した。ここに自分を知る者がいるかもしれないからだ。


 時はすでに午後。坊市の大通りを一目見渡すと、まばらに人がいるだけで、さほど多くはないようだった。しかしこれは当然のことだ。何しろこの坊市は世俗の賑(にぎ)やかな市場とは違い、一日中ごった返しているわけではない。ここに来る者は万人に一人の修仙者なのだ!これだけの人数がいるのは、むしろ良い方だった。


 この点を理解した韓立は自嘲(じちょう)し、通りの両側にある小さな露店に向かった。まずこれらの露店に注目すべき物があるかどうか確かめ、それから大きな店舗に行くつもりだった。


 一通り見て回った後、韓立は少し失望した。これらの露店の品々は、三、四点が辛うじて見られるものと言えるだけで、他の法器や符箓は彼にとって全く役に立たず、買っても霊石の無駄遣いだった。もう時間を無駄にするつもりはなく、振り返って真っ直ぐに大きな店舗へ向かった。


「七巧閣(しちこうかく)」

「引風斎(いんぷうさい)」

「天工楼(てんこうろう)」

 ……


 韓立は今回は軽率にも適当な店を選んで入ることはしなかった。通りに沿ってゆっくりと歩きながら、これらの店舗の名前と規模を注意深く記憶し、最も威勢(いせい)が良く、頻繁に他の修仙者が出入りしている建物——万宝楼(ばんぽうろう)を選び、中へと足を踏み入れた。


 この店の名前を聞くだけで、店主が自らの商品に強い自信を持っていることがわかる。韓立もここに本当に珍しい逸品(いっぴん)があることを願った。がっかりして帰りたくなかったからだ。


 中に入ると、韓立はわずかに驚いた。


 数十人を収容してもまだゆとりのある明るい広間、高級な紅桐(こうとう)で作られた長々としたカウンター、そして制服を着た七、八人の青い服の従業員たち。これら全てが、絶対的なスケール感と迫力を感じさせた。


 広間では、そのうち二人の青衣(せいい)の従業員が、客らしき数人の修仙者に何かを説明していた。


 カウンター内には様々な品々が並べられており、その様式からして修仙者専用の品ばかりだった。最低級の各種原料から最も一般的な符箓や法器まで、ありとあらゆるものが揃っていた。


 韓立はほほえんだ。どうやら彼は本当に正しい場所を見つけたようだ。


 その時、一人の青い服の従業員が迎えに来て、満面の笑みを浮かべながら言った。「お客様、何をご覧になりますか?私がご案内しましょうか!当店の品々はきっと全てのお客様を満足させて帰らせます!」

「法器と符箓を見たい。ただし、最高級品だけだ。二流品は見せなくていい!」韓立はマント越しに淡々と言った。


 青衣の従業員はその言葉にわずかに驚いたが、韓立の気配をよく観察し、相手が冗談を言っているのではないと確信すると、笑顔はますます真剣になった。彼は大物の顧客に出会ったことを悟り、急いで韓立を店内に招き、自ら二階の貴賓室(きひんしつ)へと案内した。


 二階の設えは下の広間とはまた違っていた。面積はずっと小さく、古風な趣のあるテーブルや椅子などの家具が置かれ、優雅で落ち着いた雰囲気に整えられ、快適で心地よかった。最も驚いたのは、部屋の隅に一つの高級な香炉(こうろ)が置かれ、炉の中では一筋の薫香(くんこう)がゆっくりと燃えており、部屋中にほのかな白檀(びゃくだん)の香りが漂っていた。


 温厚で上品な中年の男が古書を手に持ち、部屋の中で朗々(ろうろう)と読み上げていた。彼にはまったく法力(ほうりき)が感じられず、完全な凡人だった。


 韓立は少し言葉を失った。ここは商売の場所というより、むしろどこかの大金持ちの家の居間のようだった。


 読書中の男は韓立が上がってくるのを見ると、慌てずに書物を閉じた。韓立と一緒に上がってきた青衣の従業員は素早く彼に近づき、耳元でささやいた。


 男はそれを聞き終えると、拱手(きょうしゅ)して迎えに出て、微笑みながら言った。

「わたくし、万宝楼(ばんぽうろう)支配人の田卜離(でんぼくり)と申します。お客様のお名前は?」

「厲飛雨(リ・フェイユ)」韓立は遠慮なく親友の名前を借りた。

「厲兄(れいけい)様ですか。お兄様、どうぞおかけください!」

「さあ、上等の碧雲茶(へきうんちゃ)を一服持って参れ!」中年男は韓立を席に案内すると、小僧に命じた。

「厲兄様は当楼が初めてでいらっしゃいますか?」中年の支配人は韓立が腰を落ち着けると、丁寧に尋ねた。

「ははっ!田支配人、お見通しですね。確かに初めて貴楼に来ました」韓立はわざと声を低く太く変え、いかにも大柄な男のように聞こえるようにした。

「初めてかどうかは問題ではありません!お客様がここに来てくださっただけで、当万宝楼へのご愛顧(あいこ)です。当楼は必ずや兄様を満足させます!」田支配人は自信満々に言った。

「一軒で欲しい物が揃うなら、わざわざ何軒も回る面倒はかけたくない!貴楼の品が本当に良いことを願っています」韓立は半信半疑(はんしんはんぎ)の口調だった。

「はははっ!その点は厲兄様、ご安心ください。当楼の信用はこの通りでも指折りです。もし当店で兄様がご満足いただけなかったら、他の店舗など見る必要もありません!」この支配人はゆっくりと言い、胸を張って確信に満ちた様子だった。


 その時、女中風の人物が急須(きゅうす)と湯呑みを数個持って二階に上がってきた。まだ二人に近づく前から、上品な茶の香りが部屋中に漂っていた。

「これは当楼特製の香茶(こうちゃ)で、他の場所ではなかなかお目にかかれません。香りが素晴らしいだけでなく、飲んだ人を元気百倍にさせます。厲兄様、まずお召し上がりください」田支配人は女中が茶器を整えて下りるのを待ち、得意げに一口すすってから笑顔で言った。


 韓立は目の前の香茶を見て、軽く首を振り、やや焦った様子で言った。

「田支配人、お茶はゆっくりと後で結構です。まずは本題を済ませましょう!」

「お兄様はお急ぎの方だったのですね!よろしい、少々お待ちください。すぐに戻ります!」田支配人は少し残念そうに立ち上がり、韓立に拱手(きょうしゅ)すると、彼を一人残して先に階下へ下りていった。


 およそ一服の茶を飲むほどの時間が過ぎ、田支配人が再び韓立の前に現れた。しかし彼の腕には大小様々な錦箱(にしきばこ)がいくつか抱えられていた。

「下の者から、厲兄様が最高級の法器と符箓をご所望だと聞きました。そこでわたくし、わざわざ下の蔵室(ぞうしつ)へ行き、長年秘蔵(ひぞう)していた宝物を幾つか持って参りました。厲兄様の目にかなうかどうか……!」田支配人は錦箱を軽く叩きながら、にこにこと言った。


 韓立はそれを聞いて目を輝かせた。これらの錦箱の中身に大きな好奇心が湧いた。相手が宝物と呼ぶものが一体どんな珍品なのか、自分の期待を超えているのかどうか。


 田支配人はすでに錦箱を一つずつテーブルに並べ、開けて彼に見せるよう促した。しかし韓立は、錦箱が開くにつれて、どこからともなく二つの——明らかに自分よりはるかに強い——法力の霊圧(れいあつ)が現れ、自分の一挙一動をしっかりとロックしたことに気づいた。


 韓立はまず驚いたが、すぐにこれが万宝楼の保安対策であり、これらの宝物に対する伏兵(ふくへい)で、彼が突然暴れて錦箱の中身を奪うのを防ぐためだと理解した。そこで彼は体の力を抜いたが、万宝楼の実力に対してさらに一目置いた。


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