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『凡人修仙伝』: 不死身を目指してただ逃げてたら、いつのまにか最強になってた  作者: 白吊带
第二卷: 煉気編一初めて世間に·血色禁地
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損失

「青石嶺(せいせきれい)百薬園(ひゃくやくえん)一箇所を引き継ぎ、毎年規定数量の珍稀薬材(ちんきやくざい)を納入すること」


竹簡(ちくかん)上のこの一行の金漆(きんうるし)文字を見た韓立(かんりつ)は、心中大いに喜んだ。そこで竹簡を指さし、顔を上げて于執事(うしつじ)に言った。

「この仕事が気に入りました。于師兄(うしけい)、少し詳しく説明していただけませんか?」


韓立の言葉を聞いて、于執事は笑顔で近づいてきた。しかし韓立が選んだ仕事をはっきり見ると、その笑みはすぐに苦笑(くしょう)に変わった。

「師弟、やはり他の仕事に変えたほうがいい。この園引き継ぎ任務は難しすぎて、師弟には合わないぞ!」于執事は誠実に言ったが、韓立が理解できない様子を見ると、さらに説明を続けた。

「この任務は数年前にここに掲示されて以来、多くの者が引き受けたが、どの弟子も失敗した。彼らは報酬を得られなかったばかりか、逆に多額の霊石(れいせき)を罰せられ、ここで最も達成困難な仕事の一つと言える。また韓師弟に笑われるのを恐れずに言うが、毎年私も師兄弟たちにクジを引かせて、ようやくこの仕事を押し付けているのだ!」


韓立はこの話を聞き、内心少し可笑しく思ったが、同時に心の中でつぶやいた。それでも諦めるつもりはなく、非常に謙虚に教えを請うた。

「師兄、この仕事が一体どこが難しいのか、どうしてそんなに多くの師兄が失敗したのか教えていただけませんか?園内の薬草を管理するだけでしょう?それも難しいのですか?」


「まさか師侄(してい)が選んだのは、馬師兄(ばしけい)のあの薬園の任務か?」傍らにいた葉姓(ようせい)の老人は二人の会話を聞き、中年の執事が答える前に眉をひそめ、口を挟んだ。

「その通りです!韓師弟は馬師伯(師匠の兄弟子)のあの超難関の仕事を気に入ったのです」中年の執事は泣き笑いのような表情だった。

老人はそれを聞くと、似笑非笑(にしょうひしょう)の表情に変わった。


「ははは!韓師侄は本当に選ぶのが上手だな!一目でここで最も厄介(やっかい)な仕事を見抜いたとは。しかし、この仕事は本当に頭痛の種だ。すでに何人か任務を押し付けられた者が、私に苦情を言いに来ている。馬師兄(ばしけい)が簡単に賞罰条件を変えようとしないため、私もどうしようもないのだ!もし韓師侄がこの仕事の詳細を知りたいなら、私と一緒に内殿(ないでん)へ行き、関連する巻宗(かんそう)を見てみるといい。他人の口から聞くよりずっと良いぞ!」この百機堂(ひゃっきどう)の葉堂主(ようどうしゅ)はなぜか韓立に対して非常に豪快で、彼のために便宜を図ろうとしていた。


韓立は内心眉をひそめた。この葉師叔(ようししゅく)は少し熱心すぎる!確かに自分は築基丹(ちっきたん)を相手に譲ったが、表面上は平等な取引に見えたはずだ。それほどまでに親切にされる理由があるだろうか?


心の中の疑問を必死に抑え、韓立は恐縮した様子を見せ、竹簡を受け取った老人に従って大殿(だいでん)の奥にあるある部屋に入った。その部屋には様々な巻宗(かんそう)が山積みになっていた。

老人は部屋の中で竹簡を軽く一振りした。すると簡(かん)に青光(せいこう)が一閃(いっせん)し、一つの巻物(まきもの)が自動的に彼の手の中へ飛んできた。彼はそれを手に取り、韓立に渡した。


事ここに至っては、韓立も遠慮せずに巻物を受け取り、素早く広げて細かく見た。

巻物の内容は長くなく、前任の薬園を引き継いだ弟子たちの自叙(じじょ)経歴と、彼らが失敗した弁解理由が記載されているだけだった。そのため韓立は素早く読み、しばらくするとこの仕事の内容と困難な点をほぼ理解した。


「どうだ?やはり他の任務に変えたほうがいいだろう?この仕事の報酬は確かに豊かだが、普通の弟子には到底達成できない」この葉師叔は心配そうな様子で言った。


韓立はこの言葉を聞くと、しばらく考え込んだ後、断固として首を振った。

「葉師叔、ありがとうございます!しかしこの仕事は私の好みにぴったりです。他の任務に変える必要はありません。これを選びます!」


老人は韓立の言葉の中の断固たる意思を感じ取り、少し驚いたが、それ以上は何も言わず、うなずいて承諾した。しかし彼はすぐに韓立を部屋から連れ出そうとはせず、しばらく躊躇(ちゅうちょ)した後、やや不自然に一言を口にした。

「韓師侄、先日私たちが行った築基丹(ちっきたん)の取引だが、取引品の一部の引渡しを少し待ってもらえないだろうか?師叔(ししゅく)は最近合気丹(ごうきたん)を一釜(ひとかま)煉(ね)ろうとしていて、手元が本当に厳しいのだ。恐らくあまり都合が良くない。しかし師侄はどうか安心してほしい。一年半も経てば、師叔は不足分をすべて弁済(べんさい)できる」


韓立はこの言葉を聞き、最初はぽかんとしたが、すぐに笑い出した。

「葉師叔は何をおっしゃっているのですか?師叔がご不便なら、できる範囲で結構です。これ以上『後で返す』などと言う必要はありません。これは弟子として師叔へのお心遣いです!」


韓立は今の自分が実に偽善的(ぎぜんてき)だと感じた。内心では異常なほど落ち込み、相手の契約違反を激しく恨んでいるのに、顔は笑顔を保ち、相手が喜ぶような言葉を言わなければならない。これが弱者としての悲哀(ひあい)なのだろう!彼は苦々しく考えた。


「師侄のその言葉はどういう意味だ!まさか老夫(ろうふ)が契約を破り信義(しんぎ)を守らないような人間だと思っているのか?老夫が約束した物は、師侄から一欠けらも減らすつもりはない」葉姓の老人は韓立の言葉を聞いて喜ぶどころか、むしろ顔を引き締め、「私は正人君子(せいじんくんし)であって、決して小人(しょうじん)のような真似はしない」という表情を見せた。


韓立は元々必死に保っていた笑顔が、この言葉を聞いて怒りでほとんど崩れそうになった!

この年長者の厚かましさは度を越している。明らかに大部分の品物を反故(ほご)にするつもりなのに、それでも端正(たんせい)で信義を守る偽りの顔を見せようとするとは、まさに典型的な偽君子(ぎくんし)だ!


韓立の心の中の我慢は限界に達し、ひそかに呪いの言葉を浴びせ続けた。しかし顔の笑みはわずかに止まっただけで、自然に誠実な表情に変わり、自分でも鳥肌が立つような口調で続けた。

「葉師叔は弟子を誤解されています!実は弟子は思うのですが、入門したばかりで、これほど多くの物は弟子には贅沢(ぜいたく)すぎるのです。ですから大部分の品物は、しばらく師叔のところに置かせてください。弟子には今のところ全く必要ありません」


韓立のこの心にもない言葉を聞いて、葉姓の老人の表情はようやく和らぎ、軽くうなずいた。

「韓師侄のこの言葉には、いくらか道理がある!新入弟子がこうした身外(みがい)の物に依存しすぎるのは、確かに修行に大いなる妨げとなる!それではお前の言う通りにしよう。一部の品物を一時的に私のところに預けておくが良い。もし後で必要があれば、遠慮なく取りに来い!」


「では葉師叔、お手数をおかけします!」韓立は無理に笑いながら、心の中で何度も自分を慰めた。これらはただの身外の物だ。今この老人を怒らせるわけにはいかない!後で機会があれば、元本(がんぽん)に利子(りし)をつけてすべて取り戻せばいいのだ。

「ははは、これは何でもない!さあ、出よう!」老人の気分はさらに良くなったようだった。


そしてその後の手続きは、はるかに簡単だった。この葉師叔の助力により、韓立は極めて順調にすべての手続きを完了し、この仕事を引き受けたことを示す玉牌(ぎょくはい)を手に入れた。そして于執事の親切な案内で、金蚨嶺(きんふれい)の百薬園(ひゃくやくえん)へと向かった。


葉姓の老人は百機堂の堂口(どうこう)に立ち、韓立の徐々に遠ざかる姿を見つめながら、顔色を曇らせ、黙り込んでいた。何かを考えているようだった。


「葉師弟(ようしてい)、少し心が弱くなったか?」低い声が突然彼の背後から聞こえた。

「心が弱い弱くないの問題ではない。こうした手段で入門したばかりの弟子を扱うのは、どうも少し不適切な気がするのだ。それにこの韓師侄は、表向きは言う通りにしていても、裏では別の行動をとり、掌門(しょうもん)に告発したりはしないだろうか?」老人は振り返らずに言ったが、その言葉にはかすかな心配の色がにじんでいた。


「へっ、告発?」背後にいる者は冷笑(れいしょう)した。


「どうした、呉師兄(ごしけい)は心配しないのか?」葉姓の老人はついに体を向き直し、背後にいる陰険(いんけん)な呉師兄(ごしけい)に言った。


「何を心配する必要がある?あの小僧は、我々が事前に仕組んだ通りに『品物を預ける』と言ったではないか。『返さない』とは明言せず、ただ一時的に保管しているだけだ!彼に告発する理由などあるものか?」呉師兄は確信に満ちた様子で言った。


「しかし、この小僧はなかなか気に入ったぞ!若くしてこれほど進退(しんたい)の道をわきまえているとは、並大抵(なみたいてい)ではない!もし資質(ししつ)が悪くなければ偽霊根(ぎれいこん)の身でなかったなら、本当に弟子にしたいと思ったほどだ!」呉師兄は続けて言い、惜しむような表情を浮かべた。


「幸いにもこの者は頑固(がんこ)な頭ではなかった。さもなければ別の手段を使わねばならず、それはずっと厄介(やっかい)だったろう!」葉姓の老人はゆっくりと言った。


「よし、この小僧は心配する必要はない!我々二人が彼を潰(つぶ)すのは蟻(あり)一匹を潰すようなものだ。むしろ葉師弟は今回大金を失わずに済んだのだから、事前に約束したことを忘れるなよ!」呉師兄は突然話題を変え、言葉に別の意味を込めた。


「忘れはしない。今回煉(ね)り上がった合気丹(ごうきたん)は半分を分ける。はあ…正直言って、もし私の甥孫(おいまご)が築基の過程で大量の貴重な丹薬の補助を必要としていなければ、私は厚かましくも後輩の品物を横取りしたりはしなかっただろうに!」葉姓の老人は軽く首を振り、晩節(ばんせつ)を汚したような様子だった。


呉姓の老人はこの言葉を聞くと、含み笑いを浮かべて何も言わなかった。心の中で得意満面に考えた。


「この葉師弟がこうした下劣(げれつ)なことをした以上、それは我が手に弱みを握ったことになる。今後の会議で彼が自分に味方しないことを心配する必要はなくなった」


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