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最強高校生ゲーマー、現実と異世界を彷徨う  作者: マーサン
第六章 訪問者編(中編)
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6-15 ノートPCあるある

前回の続きになります。

故障したノートPCで盛り上がる回となります。

ノートPCでのトラブルに遭っている体験をしている人であれば実感できると思います。

「皆様、私が使用しているパソコン。使用途中、突然ブラックアウトしたのですが……」

 と困り顔のミネルバが訴えると、ノートPCを客席のテーブルに差し出す。

 差し出したノートPCは、ミネルバのアップデートに貸し出した代物である。

 確認のため、ノートPCのスイッチを入れる巧実。

 ミネルバの言うとおり、ノートPCが全く動かない。

「ブラックアウト? 参ったな、新品のノートPCでよく起きるトラブルだな……」

 と巧実が言ってポリポリと頭を掻くと、何も映らないノートPCの画面を見て顔を曇らせる。

 彩は何を言っているのか意味が分からず、

「ノートPCで起きるトラブルって何っ? しかも、新品で起きるってどういう事っ?」

 と言って顔を曇らせる巧実に説明を求めた。

 すると、顔を曇らせる巧実は自分の経験談を交えて彩に説明する。

「電源を差したままノートPCを使用し続けると、突然電源が落ちて液晶画面が消える現象の事だよ。特に、新発売のノートPCで発生しやすいトラブルだ」

「タク兄っ、ボクも同じ経験があるっ! でも、その原因って一体何っ?」

 と彩が説明を求めたら、原因が何か知り尽くした巧実が出来るだけ分かりやすく答える。

「原因はバッテリの帯電。電源繋げた状態でノートPCを長時間使用すると、突然電源が落ちて何しても起動しないブラックアウト現象は発生する。特に、新品のノートPCによく発生する現象のことだよ」

 すると、巧実と彩のやり取りに割って入るように香苗が質問してくる。

「巧実、その対処方法はっ? 当然、知っているのよね?」

 香苗の質問を聞いた瞬間、巧実はトラブルの対象方法を説明する。

「簡単だよ。まずは、電源やバッテリを一度脱着して十秒くらい放置。十秒くらい放置後、再度バッテリを装着する。その後、電源を入れたら復帰する」

 巧実の説明を聞いた香苗は、安堵した表情で催促してきた。

「なら、話は早いわね。巧実、早速やってちょうだい」

 ところが、巧実は渋い表情でノートPCの裏返すと現在販売されるノートPCの問題点を指摘する。

「だけど、コレを見れば一目瞭然だけど今は着脱できないバッテリ内蔵タイプが主流。例え、ネジを外しても勝手に裏蓋を外せないよう加工が施されているから下手に外さない方が賢明かも……」

 巧実の指摘を聞いて気になった香苗は、故障中のノートPCを裏返し底面を観察する。

「ホントだ……。このノートPC、裏側にバッテリの継ぎ目がほとんどない……」

 と言って香苗は、ノートPCの裏側を観察しながら巧実の指摘が本当だと実感する。

「親父のノートPC、アウトレット専門店の展示処分品か新品でもバッテリ着脱タイプをよく選んで愛用しているよな」

 と巧実が言って、自分の父である勝也が好んで愛用しているノートPCを思い出す。

「展示処分品っ? 何で勝也オジサンが展示処分品を? どうして?」

 と彩が言って気にすれば、

「店頭で展示するノートPCって、営業中に常に電源を繋げた状態でデモをする。当然、ブラックアウト現象は発生するから店側で対処している。一度放電すれば、ブラックアウト現象は再び発生しない」

 と巧実が理由を分かり易く言い返す。

 その返答を聞くと、香苗は納得した表情をしながらも気になる点があり巧実に質問する。

「ところで、何で新品のノートPCを購入したのっ?」

 すると、半年前の記憶を思い出し淡々と言い返す巧実。

「簡単だよ。年末セールで安かったから」

 巧実の返事を聞いて、誰もが納得してしまう。

 だが、問題は今ミネルバに貸出中のノートPCがトラブルで使用できないことである。

 当然、ミネルバのアップデートが出来ない。

「こうなると、購入したメーカに送るのがベストかな……。多分、購入して半年も満たないから無償で修理対応してくれると思うけど……」

 と言って顔を曇らせる巧実を見て、何か問題があると察した彩は気になって自分の思ったことを言葉にして質問してくる。

「でも、無償サポート受けられるでしょ? 何か問題あるの?」

「恐らく、メーカに送ると最低でも一週間程度。そうなると、代替え品を探さないと……」

 と返事する巧実は、顔を曇らせて新たな問題を指摘する。

 そう、ミネルバのアップデートを定期的に行うためにはネット環境が整った機材が必要。

 提供されたノートPCが故障した今、代替え品品を探さなければならない。

「そんなの簡単よ。学校に行っている間、巧実の部屋にあるパソコンを借りれば一発で解決っ!」

 と無神経な香苗が提案するが、巧実のパソコンには未成年ならではの制約があった。

「確かに、巧実様のパソコン環境は十分整っています。しかし、何らかの制約が設けられておりアップデートの支障を受けました」

 とミネルバが証言すると、巧実は現在契約しているプロバイダーからの制約を説明する。

「今の俺は未成年だから、ファイアーウォールで制約を受けている。もちろん、学校側が悪質なサイトや違法ダウンロードなどを防止する名目で。当然、彩も同様の制約を受けているはず」

 すると、本気なのか冗談なのか定かではないが香苗が怖い顔で巧実を問い質す。

「巧実っ、まさか怪しいサイトにアクセスしていないわよねぇ?」

「してないっ! 絶対してないっ! 如何わしいサイトにアクセスなんてっ!」

 と言って巧実は、何度も首を横に振って必死に無実を訴える。

 まるで、身に覚えがない容疑を掛けられ警察に無実を訴える犯人のように。

「香苗様、巧実様が怪しいと思われるサイトにアクセスした形跡は全くありません」

 とミネルバが無実を証明した瞬間、なぜか巧実は顔を赤く染めて訴える。

「ミネルバ、俺のプライベートまで履歴を追っかけないでくれ……」

 その瞬間、居合わせた人達が笑いに緊迫した雰囲気が一気に和む。

 そう、香苗は緊張した雰囲気を変えるために巧実を利用したのだ。

 利用された巧実は、顔を赤くするのみで何も言えなくなる。

 唯一、ミネルバだけが真顔で首を傾げ雰囲気に馴染む様子が見られない。

「盛り上がっているところ誠に恐縮ですが、現在使用しているラップトップPCのトラブルの原因が判明しましたが……」

 とミネルバが割り込むように言い出したら、彩が『ラップトップ』のワードを聞いて気になり巧実に質問する。

「タク兄っ、ミネルバが言った『ラップトップ』って何っ? 『ノートパソコン』じゃないのっ?」

 すると、巧実は彩に分かりやすく説明する。

「残念だけど、『ノートパソコン』は和製英語。海外では、膝の上に置いて使える『ラップトップ』が一般的だ。因みに、英語で『ノートブック』はノートか手帳の意味だから」

「どうして、『ノートパソコン』が日本に多く広まったのっ? タク兄っ?」

「とある日本の大手メーカが、『ノート型パソコン』で売り出したのが始まりだよ」

 と巧実が答えると、質問した彩は納得したのか疑問に思ったのか首を傾げるばかり。

 そんな中、本題である故障したノートPCの代替えをどうするか。

「ミネルバ、渡したスマホを使いなさい。そのスマホのスペックなら、アップデートは十分の実行できるはずだ」

 と金秀が言って指示を送ると、ポケットからスマホを取り出すミネルバ。

 金秀が渡したスマホは、誰が見ても最新で高スペックモデル。

 最新型のスマホを見た瞬間、さすが研究員だと感心させられる巧実。

 それでも、ミネルバは不安な表情を見せる。

 不安な表情をするミネルバを見た瞬間、

「大丈夫だ。こまめにアップデートすれば、回線の混雑は回避できるはずだから」

 と金秀が言って安心させるようにアドバイスを送る。

 ノートPCが故障した今、金秀が渡したスマホがミネルバの唯一の生命線。

 もし、ミネルバがアップデートを実行しなければ確実に消滅する。

 深刻な表情のミネルバは、金秀から受け取ったスマホを静かに見つめ不安を感じる。

 不安に感じるミネルバを見た瞬間、何を言えばいいのか分からず見るのみの巧実と居合わせた人達であった。

 翌日、故障したノートPCは販売メーカへ送られ無償で修理されることに。

 巧実の言ったとおり、ノートPCが戻ってくるのは一週間後。

 ミネルバは、開発者の金秀に指示通り支給されたスマホでアップデートを行う。

 しかも、一時間か二時間置きのアップデート。

 出来るだけ、消滅から身を守るためアップデートを徹底するミネルバ。

 だが、彼女の身に想定外の新たなトラブルが待ち受けていた……。

ご覧いただき有り難うございます。

次回は来週の火曜日の予定にしています。

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