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17歳の俺は未来を選ぶ  作者: 黒宮弥勒
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俺と『あいどる』 1

「ああ、君か。悪いな、こっちから呼んでおいてなんだがまだ仕事が終わっていない。アレの説明はもうしばらく待ってくれたまえ」

「またやってしまった・・・・・・また真面目に会議なんか仕切ってしまった・・・・・・」

 俺は俺に落胆した。この几帳面な性格どうにかしたい・・・・・・会議でまとめた書類を持って言う言葉じゃない、そんなのは重々承知だ。だが切実な願いである。だが現実は残酷である。俺はへこんでいた。

「お疲れ様です、議長」

 そんな俺にニコニコ笑いながら近づいてくるそれ。さすがにそれ呼ばわりはひどいのでやめるが、とにかく。

「・・・・・・泣かすぞ」

「はっ、ご、ごめんなさいっ、でも悪気はないのですっ」

 一睨みでおろおろしだす小動物。俺はあいどると呼んでいる。

 隣のクラスの委員長兼マスコットをしており、クラスごとの委員長が集まる学年会議で顔を合わせるうちにすっかりなつかれてしまった。

「私だって知らないうちにマスコットになってたんですよぅ・・・・・・」とか言っていたか。

 そもそも俺は不真面目なのだ、なんで委員長やら議長やら真面目にやっているのだ。

「だって、議長は頼りになるし・・・・・・」

「俺なんぞを頼りにするな愚か者が」

「みんな言ってるよ?『議長パネエッス』とか『議長マジ議長』とか」

「お前の言うみんなはどこのねらーだよ・・・・・・」

そしてその言葉の意味をなぜお前が知っている。お前もそうなのか?

「でもホントに頼れるし・・・・・・」

「わからん奴だな、よし。なら今度からお前が議長な。ちょっとくらい俺のめんどくささを知るがいい」

 俺が言って、何故か一拍置いた後。

「え、えぇ!?」

 驚いた。

「別に驚くことじゃない。なに、お前のカリスマ性なら楽勝だろう。なあ、『・・」

 そして俺がその言葉を口にしようとした瞬間。

「待って待って待って!やるから言わないでよ・・・・・・」

 態度が豹変する。悪い感じで言うと計画通りだ。

「それでいい。これで俺は存分にサボれる」

「うう・・・・・・自分のクラスの委員長はどうするのさ」

「どうするかな、お前に任せるのもアリだし、逃亡すれば誰か他の奴を代理にするだろうし」

「それは嫌ですっ!議長ならいくらでもやりますから委員長の仕事はしてくださいっ!」

 いきなり耳元で大声を出されて(いや身長差があるから耳元ではないが)俺は少したじろいだ。それを見てあいどるもはっとして「ごめんなさい・・・・・・」と謝った。

「別に謝ることはないだろ。俺のサボり宣言注意したんだから」

「でも、大声出しちゃったし・・・・・・ごめんね?」

「気にするな。自分の事気にしろ」

「え?何が?」

「声としゃべり」

「・・・・・・あ」

 口を押さえ周囲を見回す。

「今どっかで聞いたような声が・・・・・・」

「!!」

「どこだったかなぁ・・・・・・テレビ・・・・・・?」

「・・・・・・!!(あわあわ)」

「アイドル・・・・・・なわけないか。さっさと帰ろ」

「・・・・・・」

「この学校がバカばっかで助かったな?」

「・・・・・・うう」

「さて、仕事も一段落ついたことだ、ちょっとだけアレについて話そう。ん?会議の時間か、仕方ない。また次回に期待してくれたまえ」

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