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従妹と友人

 奈穂の巫女舞を見終え、恭一の自宅で麻人と悠と3人でくつろいでいた。そこへ、衣装のままの奈穂がやってきた。恭一が褒めてやろうと思っていたところ、

「奈穂さん。すごく綺麗でした。女神様にしか見えませんでした」

 と悠が興奮気味で奈穂に向かって感激を伝えていた。


「あ、ありがとう」

 奈穂は少し引き気味でお礼を言ったが、急に笑い出した。

「女神様って何よ」

と言いながら笑っている。その後ろで麻人も笑っている。そして、悠はきょとんとした顔をしている。


「奈穂ちゃん。本当に美しい舞だったぞ。悠も、かなり感動したようだ」

「はい。感動しました」

 恭一と悠は、奈穂に言った。


「悠。奈穂ちゃんに巫女舞を習ったら? ちょっとは女の子らしくなるんじゃない?」

「女の子らしくですか……できるかな?」

 麻人に言われ、悠は少し戸惑っているように見えた。


 麻人と奈穂がテーブルでお菓子を食べながら楽しそうに話している。悠は縁側に座りビハクを撫でていた。恭一は、悠の横に座った。


「悠。お前は、そのままでいいんだぞ。今は以前とは随分と時代が変わったんだ」

「はい」

「女らしさ、男らしさを意識しすぎなくていいと思うぞ。しかし、せっかく女の子として生まれてきたんだ。今世の人生を存分に楽しんでみたらどうだ?」

「そうですね。恭一様。ありがとうございます」

 恭一と悠は、お互い遠くを見ながら暫く無言だった。


「ねぇ。2人とも何を話してるの? こっちにきて一緒にお菓子でも食べましょうよ」

 奈穂に声をかけられ、恭一と悠はハッと我に返った。


 恭一と悠は腰を下ろし、麻人と奈穂と会話を楽しんだ。麻人の母親が持たせてくれたイチゴが美味しく、何個も食べる悠を見て奈穂が「食いしん坊すぎる」とゲラゲラと笑っている。奈穂が、あんなに声を出して笑う事は珍しい。恭一は、ほっとしたと同時に嬉しく思った。


 奈穂が両親に連れられ帰っていく時は、悠も奈穂も名残惜しそうだった。

「また来るね」

 と明るい表情で奈穂は帰っていった。


「麻人、悠。今日はありがとう。奈穂ちゃん、とても楽しそうだった」

 恭一は、2人に感謝した。

「僕も楽しかったよ」

「私も有意義でした」

 麻人と悠は、にこやかに言った。


「悠。奈穂ちゃんと友達になってくれないだろうか?」

「もちろん。私の方こそお願いしたいです」

「奈穂ちゃんは、小学生の頃に学校で孤立した時が一時期あってな」


 恭一は、麻人と悠に奈穂の事を話した。奈穂は、小学6年の頃に学校の女子に無視された時期があったそうだ。はっきりとした理由は分からないらしい。思い当たるとしたら、クラシックバレエの発表会が近く、日焼けをしたくないからと外でみんなと一緒に遊ばなかったからかなと言っていたことを話した。


「なるほど。集団生活は何かと大変です」

 悠が静かに言った。

「悠は、そんな経験はあるのか?」

 恭一は尋ねた。

「あったかもしれません。女子のあるあるかもしれませんね」

「そうか。お前は強いな」

 恭一は悠を頼もしく感じた。麻人を見ると、にっこり笑っていたが何か言いたそうな顔をしている気がした。

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