謎の少年の素顔
うわぁ…最悪。絶対今日のイケメン君だ。聞こえていないフリしようかな…。と考えているうちに隣に来やがった。最悪だ…俺人見知りだし、よりによって一番苦手なタイプの奴だぞ…
「藤川君!えっと確か冷人くん…だっけ?せっかくだし一緒に帰ろうよ!」
「別にいいけど。」
いやいやいや…今更…断れるわけねぇだろ!
「冷人君はこんな時間まで何してたの?」
「課題。家でやるのは面倒だからいつも学校で終わらせて帰るんだ。」
「へぇ~偉いね!だからあんなに頭良いんだ。学年で一番なんでしょ!深川らが言ってた。俺は屋上でボーッとしてた。」
別に聞いていないけどな。えっ!?でもちょっと待てよ?おかしくないか…?俺はつい聞いてしまった。
「こんな時間までか…?一体何考えてたんだよ…。」
「……えっ…とね。両親の事を思い出していたんだ。3年前事故で死んじゃって。…でももう今は大丈夫だよ?たまに思い出すだけ。」
そうだったのか…だから不登校だったのかな。こういう人達を見ていると、よく自殺する妄想ばっかしてる俺は情けない。バカだ。
「何か聞いてごめんな…。偉いな。お前は。尊敬するよ。」
次の瞬間イケメン君は何故か膨れっ面になった。…え?俺何かいけない事言ったっけ?
「ひどい!俺は冷人君の事名前で読んでるのに!」
あぁ…なんだそういう事か。ビックリした。
「分かったよ。ごめんな冬也。」
人の名前を呼び捨てで読んだのは久しぶりだな…俺いつの間に冬也に心開いたんだろう。あっ…そう言えば…
「そう言えば冬也は何で今日俺の方見てたんだ?」
すると冬也の顔が赤くなった。
「えっ?バレてた?何か話してみたいなって思ったから。」
「そうか。お前は女子にしか興味無いと思ったがな。」
「そんな事ないもん!どちらかというと女子は苦手だし。話さなきゃクラスに馴染めないかなって。」
「凄い楽しそうに話していたけどな。」
「もう!冷人君のバカ~っ!」
俺は久しぶりに笑った。まぁ少しだけだけど。俺、冬也の事は嫌いではないかもしれない。馴染むためには自分からも努力しなければならないんだな…




