二番手
………その頃、シェガンゾフ帝国。
無事に帰宅したフォゲウスとエミナス。
それを迎え入れるシュロナとヴァルバ。
「おかえり、父さん!」
我を忘れ、フォゲウスに抱きつくヴァルバ。
「あぁ、戻ったぞ。無事に…」
息子や娘、妻の無事を確認し、フォゲウスは安堵した。
「あんたが無事で良かった…」
目を潤わしながら、彼を見つめるシュロナ。
「ほんとに、ね…っ」
母親につられ、涙ぐむエミナス。
「しかし、夢芽と初めて会った時は優しそうな顔してたんだがな…。我が輩は勘違いしていたようだ…」
印象とは裏腹に腹黒かった夢芽を思い出し、とっさに憤怒の感情が高ぶってくるフォゲウス。
「しかも、そこがアジトではなかった事にも驚きを隠せぬよ…」
オーラを解放し、怒りを露わにする。
「落ち着きなさい? 何もない所に怒りをぶつけても、どうにもならないから…」
肩に優しく手を置き、フォゲウスを慰めるシュロナ。
「それより、俺とエミナスは早く修行したくてたまんねぇんだ! 父さん、頼む!」
修行が待ち遠しいヴァルバとエミナスに、彼は答えた。
「そうだな。総力の底上げといくぞ」
そして、すぐに修行に入った。
………
向かってくる泉美と夢芽の気配には気付かずに…………
…………泉美と夢芽。
「王国の次は…」
泉美はボソッと言う。すると、
「必然的に帝国っ♪」
と、夢芽が乗せてきた。




