終矢と鉄雄
夜が明け、翌日。いつも通りに朝を迎える泉美。
「おはよ、泉美」
「ん、おはよ」
いつも通りに挨拶を交わす。その時、鉄雄に質問する。
「そういえば、昨日どこ行ってたの?」
「えっ?」
感づかれたか!? と言わんばかりの鉄雄。
それが顔に出てしまうが、隠す。
「裏の世界に行ってきただけだよ」
とだけ言い放つ。
「そっか。……気を付けなよ? そっちの世界は本当に危険だから…」
少しだけ言葉に含みを込めて、鉄雄に注意を促す。
「ああ、もちろん!」
堂々と胸を張って言ったものの、鉄雄は、どこか少し暗い表情をしていた。
「?」
泉美は首を傾げるが、この時は軽く流した。
---…昼休み。
泉美と鉄雄は、いつも通りに屋上で昼を一緒に食べに行く。
するとそこに、イレギュラーの終矢がいて、のんびりと1人で食事していた。
「…」
終矢も驚いていた。2人が屋上に来たことに。
それ以上に、違うことに驚いていたようだ。
「よく一緒に居られるな、あんたら…」
彼からすると、相対する2人が一緒に過ごしていることに驚きを隠せないとのこと。
そんな彼に、鉄雄は反論する。
「お前には関係ねぇだろ。俺らカップルだしな」
「そうだよ! 好きだから一緒に……って、えっ!?」
それは突然の告白だった。
「て、鉄雄…? 幼なじみ…の枠、越えてるの?」
まるで自覚していなかった泉美は、そんな質問をする。
「え、うん……って、あれ!? まさか泉美……」
「ごめん、幼なじみだからってだけで仲良く…」
心のすれ違いが始まった。
泉美にとって鉄雄は、幼なじみ。
鉄雄にとって泉美は、恋人…のようだ。
「どっちなんだよ…」
と、終矢の冷静なツッコミが入り、その場は、あやふやに流れた。
空気が凍って静まった時、終矢は鉄雄を呼び出した。
「霧龍くん、ちょっと来てくれ」
この時も冷静に鉄雄に話しかける。
呼び出され、誰も居ない屋上の片隅に来た。
するとそこで突然、終矢は鉄雄に思いがけない言葉を発した。
「お前…“破壊神”だな?」
裏世界での鉄雄の呼び名のことだ。
それに鉄雄は、こう答えた。
「バレてたか…。てことは、お前は“真悪魔”か!?」
と、逆に質問してきた。
お互いに、その呼び名であることを肯定する。
そして終矢は、鉄雄にこう告げた。
「…俺は表にまで事件を持ってくる気は全く無いから、表では仲良くしよう。でも、もし鉄雄が事件のことを表に持ってきたなら、その時は泉美にも真実を語るしかなくなる…いいな?」
と、半ば脅迫じみた言葉で。
しかし、鉄雄は、
「…あぁ、分かった。俺も表には持ってこないことにする」
と承諾した。
このコードネームは、一体何なのか……-----




