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4つの交錯  作者: 幡賀 吉紗
~覇魔歌 編~
34/67

Chant of crush

 

「…こんなに強大なチカラ、見たこと無いわ…」

さすがに、泉美の異常なオーラ値を身体で感じ取った智歌は、こう呟いた。



ーーーーー………


この時、その戦場から離れた地にて。

「こ、この感触……」

こう同時に呟いたのは、復興支援に励んでいるまる亜久未つぐみだった。

「…間違いなく、能力マイトの暴走…」

二輝幻将ツインフラッシュの円はすぐに気づいた。しかし、その彼女と同時に、亜久未も気づいている。


「…? 円も分かった? この感じ」

「分かったよ。亜久未も?」

「うん…」


円は“多属性マルチチェンジ”で二輝幻将の一員だから当然だが、亜久未は一体……


「…行こう。こっちまで被害が広がったら大変だよ…!」

一緒に戦場へ向かおうと提案する円に、亜久未も乗り、

「復興支援するにしても、ここにまた戦場が出来たら元も子もないからね…」

と、復興支援を後にした。


ーーーーー………



泉美は少しずつオーラ値を跳ね上げていき、それを測ろうとした測定機器を破壊した。

「は、初めてだ……まさか測定機器が壊れるとは、な」

羅生は、あまりにも娘の泉美が強すぎて硬直していた。

「…凄まじいわね、羅生の娘…泉美ちゃん…」

その凄さに智歌さえも足が止まる。


「…羽多浜さんのチカラ、手に入れた…」

半ば脅迫に聞こえなくもないが、実は本当に身につけていた。

泉美は、脳内に描かれた・・・・歌を唱える。

すると…


「…ま、待って!? それを歌ったら…ッ!」

智歌は気づき、止めに入る。


…なんと、歌ったのは“破砕の詠クラッシュ”という、禁忌の詠唱。

これを歌ったとき、表世界と魔源域ダークオリジンが融合し、世界を破滅へと導く…といった、とんでもない表現詠唱うたを歌い始めてしまったのだ。

そのチカラの代償として、自分の身体を破壊してしまう。


「これで世界が平和になるのなら…」

という強い想いが暴走し、この歌を泉美の脳内へインプットしてしまった・・・・・・のだ。



ーーーーー………


戦場へと向かっている最中の、円と亜久未。

さすがに気づき、ペースアップする。


「まずいよ、円! 一刻も早く…ッ!」

「そうだね、亜久未…!」


そう話し合った時、亜久未は、

「円、ボクに掴まって…?」

と言い、

「えっ!? あ、うん…」

掴まったことを確認すると、円をも“煌めく閃光”の中にくるめ込み、雷速で戦場へと向かった。

(雷速=1,500km/h《時速1,500km》)


ーーーーー………



「ッッ…! あっ、が……ぁっ…!」

だんだん身体がむしばまれていき、苦しみ始める泉美。

しかし、異変が起きたのは彼女だけでなく、

「…っぐぉ!? ぅあ…」

羅生にもダメージが何故か・・・分からないが同調ユニゾンしていて、瀕死に陥る。


泉美は気を失い、羅生も瀕死状態…そして、彩夏も大ダメージで立ち上がれない。

智歌だけが正気を保っていて、能力者マイターは敗北した…かと思われた。


が、しかし!


「泉美さん! だめ、意識を取り戻して!!」

と、ようやく円が戦場へ着き、

「泉美…、泉美…!」

ここへ円を連れてきた亜久未も、泉美の容態を心配した。


この2人がここに着いた時、智歌は違和感を感じていた。


「…今、雷をまとっていたわよね…彼女…」


どうやら智歌は、亜久未とどこかで会ったことあるようだった………


 

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