泉美の過去、そして…
ここで振り返るのは、2部の、子供の頃の話…
確か泉美は、『白く輝くクリスタル』と『紫に輝く結晶』…2つの“能力源球”を見つけた。
しかし、それを見つける前の日にさかのぼる。
ーーーーー……
海に出掛ける前の日。深夜2時頃。
楽しみで目覚めてしまった泉美は、便意を催してお手洗いへ。
そして終わってお手洗いを出た時、玄関先の光が妙に眩しい事に気付く。
「なんだろう? 街灯…?」
それを見に行くため、靴を履き、扉を開ける。
すると、凄まじい風圧が泉美を襲うが、それは瞬間的に終わった。
そこにあったのは、何だか分からない青い球体。
それを手にした泉美は、家の中へ行き、自分の部屋に戻り、じーっと、その球体を見つめる。
すると、それに何かが映り始めた。
そこに映った何かは、こう言っていた。
『ある能力は世界を壊し、また、ある能力は世界を平和へと導く。しかし、ある能力が破壊と平和の2つを中和し、無きモノにする…』
この言葉の意味が子供の泉美には分からず、ただ分からぬまま再び眠る。
…翌日。
母親の天世、それから霧龍家と一緒に海辺へと車で出掛け、海へ着き、すぐに水着に着替え、泉美と鉄雄が勢いよく海辺へと走っていく。
泉美は、少しフリルがある水色ビキニ、鉄雄は、水に浸かると柄が変わる柄パン水着。
そして水遊びを始める。
水遊びをしてから数秒後、昨日手に入れた青い球体が、少し離れた岩壁の裏に飛んでいって、泉美に来るように指差していた。
「ん? なんだろう、あれ…」
その球体が差した方向へ、いきなり走り出す。
しかし、それを追う鉄雄には、そんな青い球体は見えていなかった。
…この時、その球体が見えたのは、泉美と天世、ただ2人だけ…
天世は見えていたのだが、気のせいだと思い、軽く無視していた。
……ーーーーー
そして、泉美と鉄雄は、能力を手に入れた。
「…もしかして、海に行く前日に見た“青い球体”は、導きの光…だったのかな…?」
それを知っていたかのように、羅生は語る。
「そうだ…。私と天世から産まれた泉美は、必然的に能力が付与されるのかと思っていた。だが、それは間違いで…能力あっても“普通の人間”として扱われていたのだ…。何せ私も天世も、人間から始まった超能力者なのだから…」
そこまで語った時、
「その中でも圧倒的なチカラを生み出したけど、そのチカラは人間に付与すると肉体を破壊するほど強力だったために“作り出した人間を”媒体にして付与した。それが、全逆応……」
と、いつの間にか復活していた彩夏が語り始める。
ここで泉美は、衝撃的な事実に気づかされた。
「…えっ? ということは、清海先輩は…お父さんが作った人間…!?」
なんと、人造人間だったのだ…!




