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4つの交錯  作者: 幡賀 吉紗
~破壊神 編~
24/67

最強

 

「天世…そして泉美…。悪かったな…ずっと隠していて」


“開かずの扉”の真実の事を謝る羅生。


「隠すも何も、開けてないから知らなかったよ?」

と、親切さを見せて返す泉美。

しかし、率直に質問する。

「でも…ついてこようとした人を“殺す”必要あったの…?」


少し黙り込み、羅生は答えた。


「…私と同じ“修羅の道”を歩ませるワケにはいかなかったのだよ。死にまみれた世界へと行くのは、私だけで良かったからな…」


「…?」

終矢とバルミは、何のことだか分からなかったが、

「…“修羅の道”…」

と、天世と泉美は気づいた。


「…分かっていない倉井とバルミのために語ろう…」

と、教えてもいない名前を、いつの間にか記憶していた。


「な、なぜ俺とバルミの名前を…?」

終矢でさえ驚きを隠せなかったようだ。


「…悪いが、それは後に回す。先に私の話を聞け…」

と、羅生は話題を戻す。



「考えても見ろ。世界平和なんて完全には遂行できない。その理由は、例えば…


等しく与えられた能力があったとしても、それを“護身”で使う者と、悪用して“破壊”に使う者が必ず現れる。その周りに居る者も、どちらが正しいかを見て、結局のところ和解なんてしようとせずに対立し、和解しようとする“第三者”を邪魔者扱い…。


そんな世界を変えるには、その全ての考えを改めさせるために、


全ての3派閥の矛先を自分に向けさせて、意志を統一させる事を目的に、全人類へ“宣戦布告ファイナルコード”を送り、そして“見えぬ者に破インビジブル壊される世界レジスタンス”を実行したのだ…」



それを聞いていた天世も、泉美も、バルミも、終矢も、


(…そんな重役を担っていたのか、羅生は…)


と、世界のバランスを保とうとする命がけの戦意に、賛辞を惜しまなかった。


…ここで、真実にたどり着いた泉美は、語り始める。



「まさか…“破壊神ダークマター”って……


能力者全員が矛先を向けるように仕向けた団体


……の事だったのか…っ!」



ここで、鉄雄やバルミ、終矢…天世。

この4人が“破壊神ダークマター”の中で派閥が出来ていて、それぞれのリーダーだったという事に気づかされた。


「…オレや鉄雄、そしてバルミッフェ…更には天世…。こうして破壊神ダークマターが生まれたのは…必然…だったとでも言うのか…?」


「その通りだ。私が、その必然を創り出したのだから」


終矢が投げかけた質問に対して、さらっととんでもない告白をしていた。


「創り…出した…!?」

真っ先に反応したのは、泉美。


「…そうね。泉美は知らなくて当然だったわね…」

天世は、羅生の“必然を創り出した”能力を知っている。


「…まさか…そんな能力が…っ!? でも、それは今まで伝説として語り継がれていただけのハズ…ッ」

バルミは、魔眼で見透かしていた。


「……っ!? まさか、その能力って…!」

終矢は、心当たりがあった。





羅生は、自発的に言い出す。


「…“能力創成クリエイト”…それが私の能力だ…」


 

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