裏の裏は…
パワーアップしたバルミに戸惑いながらも、冷静に分析する綾巻。
すると、そこには…
「バルミ…まさか、貴女は…」
そこに泉美が口を挟む。
「…災厄の使者…この世で最も頭がキレて、なおかつ悪魔…そして破壊神でもある人物…」
それに続いて、鉄雄が語り出す。
「その災厄の使者に操られ、チカラを引き出して限界を超えた闘いをしている…」
と、そのとき。
鉄雄の背後に、とんでもない威圧感を纏った…
「…そんなことが出来るのは“生まれつきの悪魔”だけだ…」
…そう。終矢が居た!
「く、倉井…終矢!?」
背後に彼が居たことに驚きが隠せない上に、鉄雄は、何やら金縛りされたように動けないでいる。
「な、なぜ動けない!!?」
そのまま無惨に攻撃を受けるばかりの鉄雄。終矢の襲撃は凄まじく、計り知れないパワーで鉄雄を圧倒…抵抗できず、ただ喰らっていた鉄雄は、瀕死状態に陥った。
「て、テッちゃぁぁぁん!!!」
泉美は、鉄雄のもとへ駆け寄る。
しかし…
「スキだらけよ!!」
と、バルミが神速で泉美に襲いかかる。
それを予測していた泉美は、戦闘態勢になりながらも鉄雄に近づいた。
神速の攻撃を避け、カウンターが決まる泉美。それはバルミにクリーンヒットした。
それを喰らったバルミは、少し怯んでいた。
「ふっ…。霧龍 鉄雄も、その程度か…」
終矢は、他人に分からないくらい小さくあざ笑い、そうつぶやいた。
その言葉を発したとき、泉美は終矢に
「騙したね…終矢」
と、怒りを露わにする。そんな泉美を見て終矢は少し笑った。
「騙される方が悪いんだ。オレは悪くない…」
そう言い、悪魔のチカラを泉美に振りかざす。しかし彼女は、それを受ける態勢になる。
「…っ! 何なのよ、このパワー…ッ!!」
受けるのが限界に近づいた時、パッと閃いたアイデアを試した。
すると…
「……よし!」
なんと、押しつぶされることなく受けきった。
……実は、受け止めたのではなく、そのパワーが振りかざされた時、泉美は力量を分散させて受け流したのである。
「…終矢、あんたは私が倒……」
そこまで言いかけた時、終矢は不思議な方向を指さす。
すると、そこには…
「……っ!? せ、生徒会長!?」
その分散が直撃して、それを避けたにも関わらず“余波”を喰らい、重傷を負った綾巻の姿が。
「な、何なのよ…今の“余波”…っ!?」
綾巻ですら分析できず喰らうほどの攻撃を、終矢は繰り出していた…という事になる。
…今この時、泉美は窮地に立たされた。
鉄雄と綾巻がやられてしまった今、バルミと終矢を相手に闘うことになってしまったのだから……-----




