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4つの交錯  作者: 幡賀 吉紗
~破壊神 編~
16/67

分かち合う2人

 

ーーー…泉美vs鉄雄、綾巻vsバルミ。

このような組み合わせで戦闘が始まった。



泉美vs鉄雄


「っ…! 絶対に許さない…」

泉美は怒りに震え、軽く暴走しながら呟き、その刹那、鉄雄の背後に蹴りを入れ、その後瞬時に鳩尾に蹴り入れる。

速すぎて全く何も見えていない鉄雄には、この神速たる泉美の攻撃を全然防げずに、全てを直に喰らった。

「っぐぁっ!!」

覚醒して激増強眼クロスアイを使っているのに、泉美には全くかなわず、太刀打ち出来ずにいる。

「…っ。オレは…世界を、壊す…んだっ…!」

死に物狂いで呟きながら、少しずつ士気を高めていく。

「壊す必要なんて、無いんだよ…鉄雄…」

そう言い、気力を最大に込めた拳を鉄雄に振りかざす。

チカラを振り絞ってガードする鉄雄。しかし、それでも防ぎきれずに大ダメージをくらう。

「うぐぁ…っ!」

力尽きた鉄雄は、壁に追いつめられ、そして、壁に寄りかかるカタチで地べたに座り込んだ。

そんな彼にも容赦なく、彼の頭の横スレスレで壁を思い切り殴り、そして言う。


「人々を容赦なく殺して…世界を壊して…。そんな方法で平和を望んでなんかいないよ、私は…。私の考える平和な世界は、争いの無い安全な世界…。誰だって話し合えば分かってくれるわ…」


「そんなの、お前の理想だろ…。話したところで分からない事だってあるだろ…? だからオレは、分かるように破壊活動を…」


そこまで鉄雄が言ったとき、泉美は彼の頬をビンタしていた。


「…ぃってぇ…」

あまりに痛かったため、頬を押さえる。


その彼を見ながら、泉美は続けた。

「だからって世界を破壊したら、自分の住む世界が無くなるんだよ!? そうしてまで壊す必要なんて、無いの…」


鉄雄は、泉美の優しい言葉を聞いて、少し殺害衝動を抑え込んだ。

そして、能力を解除し、無抵抗で泉美の前に座る。

そして…


「…すまなかった」と、土下座して謝罪した。

そうして謝ったあと、鉄雄は語り始める。


「俺は…最強だと認めて欲しかった…だけ、なのかもしれないな…。実際、終矢が出てきた時…アイツの異常なオーラが見えて“俺は最強じゃない”って思ってた。…けど、それを超えて強く…って考えてたら、いつの間にか破壊活動がエスカレートしてたな。世界っていう規模で破壊活動するようになってた。もちろんそれは泉美にバレたくなくて、ずっと隠してた…。悪かった」


「…分かってくれたなら、それでいいよ。テッちゃん」

前までの呼び方に戻し、彼に手を差し伸べる。

その手を優しく掴み、立ち上がる。そして…


「…バルミを…止めないとな…」


破壊神ダークマター”としての鉄雄は消えた。

平和への一歩が進み、あとの問題は、バルミだけ……ーーーー


 

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