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4つの交錯  作者: 幡賀 吉紗
~破壊神 編~
10/67

激増強(クロス)

 


先ほどの大きな衝撃で、破壊神ダークマターの仮面が取れて、鉄雄の顔が露わになる。

その露わになった顔を見た時、彩夏は何かを察した。

「その眼…まさか、霧龍くんって…」

気づかれてしまった鉄雄は、少しニヤケて、こう言った。


「…“激増強眼クロスアイ”って、知ってるか?」


その単語を発言した直後、鉄雄の筋肉がムキムキと膨張していく。

それと同時にオーラ値も跳ね上がった。

そんな鉄雄を見てもなお、彩夏は冷静さを取り戻した。

「知ってるよ。その眼で分かったけど…」


激増強眼クロスアイとは…

怒りが覚醒した時に自身の能力を暴走させ、数倍に膨れ上がらせる禍々しき呪いの眼エンシェントブラックアイ

その前兆として、眼にエックス字の赤いマークが具現する。

この時の鉄雄は、パワーが4倍くらいまで跳ね上がった。それと同時に、肉体もムキムキに膨れ上がらせたようだ。


「なら話は早い…。俺の前にひれ伏すがいい!」

右手で拳を作り、彩夏めがけて振りかざす。それと同時に、禍々しいオーラを纏いながら、同時に左足でコンクリートをえぐり、彩夏めがけて蹴り飛ばす。

「…ちっ」

舌打ちして、彩夏はコンクリートのかたまりを避け、拳を受け、そして反撃した。

「…右だけじゃ無理か・・・・・・・・……」

そう発言した彩夏は、もう一つの能力を使い始める。


実は、今まで使っていたのは…


逆応げきおう”という

能力を正反対にして返したり、瞬間的だが相手の能力を正反対にして体内の能力回路ネットワークを逆流させる事が出来るチカラ。


「な、何だ……?」

何らかの気配を察した鉄雄は、彩夏から距離をとる。

「悪く思わないでね? 命を懸けた闘いだから…」


…その直後だった。

何をされたか分からないまま、鉄雄はいつの間にか・・・・・・地上に出ていて、なぜか地に伏していた。


「っ……!? お、俺は何をされたんだ…??」

そこには、倒された奈那と、綾巻に芝狐村、そして役員達が居た。

それは間違いなく現実なのだが、彩夏は鉄雄に何かをした。

「何されたか分からないなら、霧龍くんは私に勝つことは絶対に無いよ」

勝利宣言をする彩夏に、さすがに屈した鉄雄。

「……俺の負けだ、破壊活動は辞める…」

激増強眼クロスアイを発動して強さを増したハズの鉄雄だったのに、彩夏には到底歯が立たなかったようだ。


「お疲れ様ね、彩夏。…あとは私がやるわ。明日の生徒会で、霧龍くんに処罰を与えておくわ」

「うん、よろしく」

こうして破壊活動は終わったと思われた。


ところが、鉄雄が帰宅したあとだった。

誰か分からない破壊神ダークマターが裏世界に出現する。

居るはずのない破壊神が、たった1人で破壊活動を始めた。


彩夏に屈した鉄雄と奈那は、本当に裏世界へ飛ばなかった。

もう一人の隊員『滝宮たきみや 亜久未つぐみ』にも休戦命令を強いた。

なのに、それでも破壊神は出現した…。


それを表世界で感じ取った綾巻は、すぐさま鉄雄に電話する。

だが、鉄雄の返事は確かに、


『俺は約束したら守ります。さっきの今で破壊活動したりしないですよ。なんなら俺の空間に来ますか?』


と、綾巻を自前の空間に招待する。



そこに、ちゃんと綾巻も現れ、そして確認した。

「…霧龍くんじゃ、ないのね…」

これが出会ってすぐに出た一言だった。


いったい誰が破壊神ダークマターとして活動しているのか……-----

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