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「いやぁー、動物園かぁ。 幼稚園児以来ねぇ」
「あるなんて意外だったわ。 あそこのデパートからちょっと行ったところにあるなんてな」
「じゃあなんで言ったの?」
「うぐッ…… ま、まぁ楽しもうぜ?」
神崎は行った事ないらしいし篠原も日向も動物園素人みたいなもんだ! よって少しくらい規模が小さくても大丈夫だろう。
「清っち! 前々!」
「うおッ!!」
思いにふけっていたら危ねぇ…… ガードレールに突っ込むとこだった。 プリ○スミサイルとかバカに出来ねぇな俺も。 俺の給料じゃ買えないけど。
「まったく気を付けてよねぇ? 私らみんなで心中してめでたしにしようとしてるんじゃないの?」
「不吉な事言うなよ……」
「麻里は平気そうですね」
「清人の運転いつもこんなんだもん」
「お前はいきなりここに停まってとか寄りたいとか言うからだ!」
「むぅー」
でも変わったところに行くせいか日向もなんだか機嫌良さそうだ。 ついこの間までは険悪だったからな、言ってみて良かった。
「ねえねえ莉亜、あんた動物園行くの初めてなんでしょ? 何が見たい?」
「ゴリラです!」
「ゴリラ…… 小難しそうな顔してるからあんたにピッタリじゃない」
やっぱ神崎ゴリラ好きなのかよ……
「彩奈こそうるさい外見は孔雀みたいじゃないですか」
「結構結構! 孔雀に例えてくれてありがとう」
「日向は何が見たいんだ?」
「カピバラ…… アルパカ」
「ぶッ! あんたに雰囲気そっくりじゃん」
「うるさい」
良かった、そいつら居るわ。 日向はおっとりしてるからそういうの好きなんだろうな親近感か?
動物園に着くとやはり俺が子供の頃行った事のある動物園よりは規模が小さいが思ったよりかはマシだった。 親父結構デカい所に連れてってくれたんだなと思う。
「へぇ、思ったよりボロい」
「そ、そうだな」
「そうなのですか? でも私ワクワクします!」
「清人と来れるならどこでもいい」
入場券を買って順々に回って見て歩いた。 篠原もボロい言ってた割に楽しんでるみたいだ。
「清っち、あそこ入りたい!」
「爬虫類館か」
「昔トカゲ飼いたかったからさ」
篠原はトカゲ類に目を輝かせていた。
「うう…… なんだか私トカゲとかヘビ苦手です、ヌメッとしてて」
「脱皮するから彩みたい」
「ちょっとぉ〜、どういう事よ?」
「よく顔パックしてるから」
「美容をわかってない奴は10年後に痛い目見るわよ。 清っちは見たいとこあるの?」
「お前らが見たいとこで楽しめてるからどんどん行ってくれ」
次に日向の見たがっていたカピバラを見に行く。
「やっぱあんたに雰囲気そっくりねぇ」
「これはこれで可愛いじゃないですか、食べる姿もお行儀良くて」
日向ニンマリしているな。 どうやら係員に聞くと餌やりが出来るし触れるらしいので日向に言ってみた。
「清人も来て?」
「いいよ」
餌を持って入ると何匹か寄ってきた、デカいなこいつら……
「おっきいね、それにタワシみたい」
めっちゃ満足してるな日向。
「可愛いかったね」
「ああ」
「そこは麻里の方が可愛いよとか言ってあげなきゃ清っち。 てか大体見て回ったねぇ」
「ゴリラがまだです!」
「あー、そうだったね」
ゴリラを見に行くとなんだか荒れ狂っていた。
「おお、ごっついなぁ」
「凄いです本物のゴリラです!」
何が神崎にそこまでゴリラに魅了されるのか…… う○ち投げてくるので注意という看板が気になる。 でも楽しんでくれて何よりだけど。
「あのゴリラ柳瀬さんに似ています」
なん…… だと?
「あ、本当メスに追いかけまわされてるじゃん清っちにそっくり」
耳が痛い。 俺はあんな風に逃げ回っているように見えるのか。 てかあのゴリラう○ち持ってるんだけど……
その後動物園から出て昼食を摂って帰って来た。
「あー疲れた」
「お疲れ清っち。 楽しかったよ」
「私もです。 今日はありがとうございました」
「また連れてって」
「麻里ったらすっかり機嫌良くなったわね、この前の不機嫌モードはどこ行ったの?」
「別に。 まだ怒ってるもん」
「まあ…… でも私達同じ人を好きになってしまうなんてとても仲良しじゃないですか?」
「まぁそういう事ね、もともと弥生さんとの争奪戦に私らが加わっただけなんだし難しく考えなくてもいいのよ、あんた1人で今まで清っちを堪能してきたんだし私らにも分け与えなさいよね。 それにこんなんだと清っちに嫌われるわよ?」
「うう…… 清人」
「そ、そうだな。 お前らが仲良くしてくれるのが俺にとって1番嬉しいよ」
「…… うん」
つーか言ってる事むちゃくちゃだぞ篠原…… 日向は渋々という感じだけど納得したのかな? いやそもそも俺が仲良くしろと言って仲良くするのは違うのはわかるはずだし日向も落とし所がつかなくなってたのかもしれないな。
「清人どこ行くの?」
「とりあえず部屋に行って寝ようかなって」
「あたしも」
「私も行こうっと」
「…… わ、私も」
「いや、狭いだろ? てかお前らが来ると眠れないから勘弁してくれよ」
なのに3人は俺の部屋に押し掛けてきた。
「とりあえず莉亜も清っちに告った事ですしみんなで清っちをシェアしようと思いまーす!」
「シェアってなんだよ?!」
「だって麻里ばっかりいい思いしてたでしょ? 私らも同じ土俵に立たないとフェアじゃないじゃん」
「というよりシェアって何をすればよろしいのでしょうか?」
「決まってんじゃん、まずこの場は……」
「は?」
篠原は俺に飛び付いてベッドに押し倒してギュッと抱きしめた。
「清っちと寝まーす!」
「彩どいて」
「嫌だね!」
「お前ら寝る気ないだろ!?」
「あ、あの…… ふぐッ」
ドタバタしているうちに誰かの足が神崎に当たった。
「い、痛いです!」
「あんたがトロいのが悪いのよ」
「私も、私も! 痛い!」
「早い者勝ち…… 莉亜のスペースもうない」
「つーか暑苦しい、暴れるなよ!」
「…… うぐぐ。 わ、私お茶でも飲んできます!」
「俺も! 俺もやっぱそうする」
「あ! 逃げた、清っちー!」
3人とも折り合いが付いたのはいいけど先輩になんて言おう……




