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「清っちおはよぉー!」

「…… おはよう、朝から元気だな。 ん? まだ4時半!? おやすみ」

「寝ちゃダメよ」

「勘弁してくれ、まだ眠いんだよ」

「修羅場にする?」

「はい! 何かご用でしょうか?」



このヤロー…… また脅しやがって。



「うむ、聞き分けが良くてよろしい! 私も一緒に入ろうっと」

「はぁ!?」

「あったかーい!」

「朝から何やってんだよまったく」

「相変わらずつれない反応。 まぁいっけどね!」



篠原に背を向けて寝ていると俺の寝姿にピッタリと身体を密着させてきた。 誘ってんのかこいつ!? いやいつも誘ってるような奴だが……



すると首筋に吐息が掛かりカプッと甘噛みされた。



「お、おい!」

「あ、やっとこっち向いた。 シカトするならキスマーク付けてやろーと思ったのに」

「ふざけんなよ、そんなもの付けられた暁には……」

「にししッ、でも麻里はわかんないかもしれないわねぇ。 あ、弥生さんは気付くと思うけど」

「お前はマジで厄介事ばっか増やそうとするな」

「あはははッ、だったら私なんかに優しくしなきゃ良かったんだよ? 自業自得欲張り清っち」



よ、欲張りだと!? 俺はこの女3人の状況で上手く適応し生活して行こうと思っただけだ、それにこんなに身近に居る奴らと関係性を悪くしてどうするんだよ?



「でも今みたいなごちゃった関係ってのも面白いね」

「全然面白くないどころか迷惑だ」

「もう遅いよ!」



そして篠原の下らない話を聞いているうちにだんだん眠くなってきていつの間にか寝てしまっていた。



「清人起きて」

「しの…… 日向か」

「何今の? なんかこの部屋彩臭い」



ギクッ!! それはさっき一緒に居たし…… って今もどっかに隠れてるわけじゃねぇよな? 



「彩ここに居たの?」

「なんか朝っぱらに俺の部屋のゲーム漁ってたような気がする……」

「ふーん」



日向はバサッと俺の布団を勢いよく剥ぎ取った。 い、居ないぞそこには。



「…………」

「な?」

「うーん」



少し気掛かりそうな顔をする日向だったが俺の手を掴んだ。



「ご飯出来た」

「ああ」



キッチンへ行くと篠原はそこに居た。



「おはよー清っち」

「おはよう」

「彩いつの間に来たの?」

「あんたが清っち起こしに行ったの聞こえたからご飯出来たんだなぁって思ってついさっき来たのよ」

「そう」



朝からハラハラさせんなよ。 変な意味で目が覚めたわ!



「柳瀬さんおはようございます」

「おはよう」

「昨日の残りですけど食べて下さいね」

「麻里楽できてよかったね」

「うん」

「まぁ昨日の残りでも美味しかったしな」

「そ、そうですか。 気合入れて作った甲斐がありました」



だが悲しいかな、味わう余裕は今の俺にはないがな。 いつもの食卓、だが日向と篠原と俺の関係は変わってしまった。 多分悪い方向へ…… だってそうだろ? 俺はこいつらと付き合う気もないのに2人から好きと言われその気がないって言ってるにも関わらず諦めてくれない。 



そして篠原はいつ爆弾発言するかわからない奴だから余計に怖い。 



「あーーーーッ!!」

「うおッ!?」

「うっさい」

「ほんと……」



いきなり神崎が大声を出したのでビックリした、お前静かに食事をとかよく言ってたくせに!



「彩奈!! 思い出しましたけど……」

「何よ?」

「あなたが言った賢者モードってそういう意味だったんですね!?」

「うん? ああ…… 今頃?」

「どういう意味?」



それかよ! 今はマジでどうでもいいわ! って日向が食い付いた。 



「むふふッ、麻里が気になってるから教えたげなよ? 調べたばっかの莉亜の口からさ。 ほら、いつもの口調で丁寧に詳しく教えてね?」

「むぐぐぐ……」

「? 莉亜、なんなの?」



神崎の顔が紅潮している。 お前マジで篠原に遊ばれてんなぁ。 人の事言えないけど同情するぜ。 つーかそうつっこまれるんだからこの場で言うなよな、公開処刑だろ神崎にしてみれば。



「賢者モードって何?」

「麻里、それは言ってはいけません! 調べてもいけません!」

「そうなの? じゃあどういう意味?」

「そ、それは……」



え? 神崎、なんでそこで俺を見つめるんだよ…… 何を求めているんだ? 俺から言わせたいってか? 



「柳瀬さん…… に聞いて下さい」



はいそう来ると思いました! もういいよ、そうさ、よくよく考えたらここで自分を下げて軽蔑されたらいくらかマシになるんじゃないか?



「日向ちょっと耳かせ」



そう言うと日向は耳を傾けてきのでゴニョゴニョと説明してあげた。



「ふぅん、そうなんだ? へぇ、そういう事なんだ」



日向の目が座る。 ほらやっぱりだ!



「まったく酷いですよね、知らないからといえそんな事平気で言ってくるなんて!」



まったくだ! お前も俺に投げたくせによく言うぜ。 



「清人もそうなるの?」

「へ?」

「してるの?」

「ま、麻里…… あなたなんて事を」

「あははッ、まさかの追及! 私も気になるなぁ」



日向の奴軽蔑してないのか? そんな好奇心旺盛な目で聞いてくる事じゃないぞ……



「ねぇ清人」

「ダメです! 朝からするような会話じゃありません! 精神衛生上悪いのでこの話は終わりです、柳瀬さん!!」

「なんで俺になるんだよ!? もとあと言えばお前が振り出した話題だろ?」

「ぐ…… 彩奈! 元凶は彩奈です、彩奈が悪いです!!」

「たかがそんな事で騒ぐあんたらって見てて愉快ねぇ。 朝がダメなら夜ならいいわけ?」

「夜もダメです! 屁理屈やめて下さい!」



これから先大丈夫なのか? 俺の自律神経おかしくなりそう……





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