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「私は柳瀬さんにどうしたらいいんでしょう?」
…… どうしたらって聞かれても無理にどうにかしてくれなくても結構です。 てか重い、この体勢でいきなりシリアスっぽく聞いてくるなよ。
「別になんにもしなくたっていいよ」
「え?」
「もともと篠原の思い付きでやった事なんだし誰も見てないなら守る必要ないだろ?」
「それはそうですけど…… 柳瀬さんは知ってます。 それに決まった事を反故にするのは」
そうだった、こいつはそんな奴だ。 はぁ〜、とため息をつくと肩が下がりグラついたと思ったのか神崎に髪の毛を鷲掴みされる。
「いててて!」
「はうッ…… ご、ごめんなさい!」
「おーい大丈夫? てかまだぁー?」
「だ、大丈夫です! もう少々お待ち下さい」
篠原はチラッと俺達を覗き「頑張ってね」と言って同じく覗こうとしてた日向を引っ張って行った。
「大丈夫ですか?」
「思い切り引っ張るなよ、ハゲるだろ」
「すみません……」
神崎に急かされたのでさっさと蛍光灯を交換する。
「これ古い方です」
「おお、ほら」
新しい方を渡して神崎の手に触れるとめちゃくちゃ汗ばんでいた。 4月半ばだけどそんなに暑いか今日? いや、どっちかっていうと俺がもう疲れてきてるから早く降りてくれ。
「終わりました」
「じゃあ降ろすぞ?」
「はい」
ようやく肩の荷が降りた。 女子と言っても人ひとり肩車するのは疲れるな。 感触とかももうどうでもよくなってたし。
終わったしそろそろ行こうと思うと神崎が前に居てぶつかりそうになる。
「もう行くぞ、ちゃんと点くか確かめたいし」
「…………」
無視? そう思った瞬間バフッと神崎の匂いに包まれた。
「は!?」
「静かにして下さい! こんな所見られたら恥ずかしくて死にます」
声を押し殺して俺を抱きしめる神崎はすっかり汗だくになっていた。
「あのー……」
「これではご不満ですか? 彩奈のような事は私には到底出来ないのでこんな事しか……」
「いや、なんかお前罰ゲームみたいになってないか? 嫌々こんな事しなくてもいいんだぞ」
「嫌々ではありません!」
「え? そうだったの?」
「あうぅ…… 嫌々です…………」
「ねぇー、まだぁ? 麻里ったら面倒くさくなってトリートメント付けたまま髪乾かそうとしてんだけど?」
「今終わりました!」
試しにスイッチを押してみるとちゃんと点く、大丈夫みたいだな。
「って莉亜凄い汗だくじゃん!」
「こ、これは…… なかなかバランスを取るのが大変で」
「それに重いもんね莉亜は」
「そ、そんな事ありません!」
「じゃあ日向が風呂から上がったら神崎が先に入れよ」
「はい……」
篠原が日向を呼びに行くと眠くなっているのかボーッとしながら出て来た。
「麻里もう大丈夫ですよ。 待たせてごめんなさい」
「ふあ〜…… ふぁい」
日向は大きな欠伸をして両手を上げた途端バスタオルがハラリと落ちた。 俺と多分神崎はその光景に唖然とした。
「や、柳瀬さん!!」
神崎は俺の肩を掴んで自分の方へと俺を向けた。 うわー、神崎も風呂入ったみたいに汗だくだなぁと今あった事を忘れようと現実逃避する。
「あははははッ、ひぃひぃッ! あんた達焦りすぎ! こうなるだろうと思って私が履かせときました! じゃーん!」
「「え?」」
日向を俺と神崎は見ると履いてるって下着姿じゃねぇーか!!
「柳瀬さん!!」
「またかよ!?」
再度神崎は自分の方へ俺を向ける。
「ほんと清っちと莉亜はコントするの好きだよねぇ、ほら麻里行っといで」
「はぁ〜い……」
「あ、彩奈! 履かせてるって下着じゃないですか!」
「だってお風呂の途中だし。 スッポンポンよりマシでしょ? それに麻里なら寝呆けてるから見られたって気にしないって」
いや、そこは気にしろよ……
「そういう問題じゃありません! 柳瀬さんが居るんですよ?」
「そうだぞ、マジで心臓に悪い」
「JKの下着姿見れて清っちラッキーだったね! しかも麻里のだよ、麻里の事気になる男子からしてみたら清っちは羨ましい男ですなぁ」
「そんな目で見られてるなんて麻里もいい迷惑ですよねまったく」
「いや、あんたもそう見られてるの気付かないの?」
「私も迷惑してます。 あ! 別に柳瀬さんはそういう目で私達を見てない事はわかってますから!」
「お、おう…… なんで急に?」
「なんでもありません」
「私は別に構わないからね? 清っち」
こいつは本当に…… 引っかけでキスしてくるしとんでもない奴だ。
「何が構わないのです?」
「んふふー。 なんでしょう? それにしても莉亜はそんな汗だくで真っ暗な中清っちと何してたのかなぁ?」
「だから言ったでしょう? バランス取るのが大変で!」
「本当かなぁ? ねぇ清っち」
「ん? ああ」
神崎をチラッと見て言うと神崎は真っ赤になっていた。 わかりやすい…… から篠原のおもちゃになるわけだ。
「彩ー」
風呂場から日向が篠原を呼たと思えばまたバスタオル姿で出てきた。
「あたし下着付けてたんだけど? 気付かないで濡らしちゃった」
「お前またそんな格好で……」
「あ、清人……」
「私が履かせてあげたんだからありがたく思いなさいよねぇ? じゃなきゃあんた今頃全裸見せてたわよ清っちに」
「そうなんだ?」
俺をジト〜ッと日向は見つめた。 見てないからな! 下着しか。 もう大分あれだな、日向の親御さんに申し訳なくて顔向け出来ない……




