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「あ、おかえりー」



日向とのドライブから帰ると風呂上がりの篠原がちょうど廊下に居た。



「もう風呂入ったのか?」

「うん、ちょっと自分の部屋掃除してたからね。 ん?」



篠原は日向に近付いた。



「何?」

「ふふーん、上手くいかなかったでしょ?」

「うるさい」

「やっぱりね。 こりゃあ微妙かもなぁと思ったけど」

「何言ってんだお前ら」

「ううん、清っちには関係ないよ。 あ、清っちもお風呂入ったら? 私が入った後だからって興奮するなよ、あははッ」

「…… あたしダメダメだ、お風呂はもういいや」



日向はガクッと肩を落として部屋に戻って行った。



「お前何日向の事落ち込ませてんだよ」

「うえ!? 私のせい? それはないよー、清っちったら。 私は麻里にアドバイスしてあげようと思っただけなんだから、清っちはもっと麻里と向き合ってあげなきゃダメよー?」

「え? 日向と?」

「ありゃりゃ、麻里も麻里だし清っちも清っちだわ」



すると篠原は頭に巻いてたタオルを取って俺に近付いたと思ったら俺の目の前に来て手を握った、その握った手を篠原は自分の頬に当てた。



「は!? 何してんだ?」

「しッ! 静かにしないと莉亜や麻里に聞こえちゃうよ? それとも私が大声出そうか?」

「う……」

「いい清っち、私ら確かにまだ年齢的には子供だけどちゃんとした女の子なんだよ? 差はあったってさ、清っちはそこら辺わきまえてないよね?」

「だからわきまえてるからやめろって言ってんだろ? こういう事はもっと大事な人としろよ、お前の悪い癖だぞ?」

「あはは、そうだね。 でももうひとつわきまえてない事あるよね?」

「ん? 柳瀬さん帰ってたんですか」



神崎が部屋から出て来た。 その瞬間に篠原は俺の手をパッと離した、危ねぇ…… 神崎にまた騒がれると厄介だしなぁ。



「ああ、ついさっきな」

「そうですか。 …… 彩奈! なんですかその格好? 床に水垂れてます、ちゃんとタオルで頭巻いて下さい!」

「あ、ほーんと! 怒られちった」

「おい篠原、さっきの話の続きは?」

「私から言わせる気? それはないんじゃないかなぁ、んでもって私がそこまで義理立てするつもりないし。 強いて言えば麻里に失礼だし? あ、失礼でもないか、そこまであの子に味方する気もないわけで。 まぁてことで」



篠原はそう言って部屋に戻って行った。



「なんの事です?」

「さぁ?」



そういえば……



「お前今の状況で悲鳴あげなかったな?」

「え?」

「風呂上がりの篠原に密着されてたんだけど」

「ああ、どうせ彩奈が柳瀬さんに余計なちょっかい出してたんですよね?」

「ま、まぁそうなんだけど」

「私だってあなたをこれまで見てきてそんなことする人じゃないってもうわかりましたから」



な、なんだと?! 神崎ったら大分態度が軟化してきたな。



「だからって調子のならないで下さいよ!! 行き過ぎた行為はダメですからね! …… そういえば柳瀬さんは明日から仕事ですよね?」

「そうだけど?」

「休みボケして寝坊しないで下さいね」

「お前こそな」

「私はちゃんと起きれます! バカにしないで下さい」

「はぁ……」

「どうしたんです? ため息なんかついて。 仕事に行くの嫌なんですか?」



なんか日向との接し方がよくわからなくなってきたな…… なんて言ったら怒るだろうか?



「なんか日向の奴最近おかしいんだ。 機嫌良いと思ったらいきなり悪くなったりして」

「麻里がですか? …… 何かしました?」

「何もしてないって! するわけないだろ? あいつはまだ女子高生だぞ? それにまだお前らの事だってよく知ってるわけじゃないし」

「…… そうですね、柳瀬さんが来てからいろいろありましたし何かと私も言いましたけどキチンと節度を持って接してくれてると思います」

「そうしているつもりだし」

「はい、今は私も結構柳瀬さんを信頼してるつもりです」

「まだ半年も経ってないのにか?」

「確かにそうですけど柳瀬さんを見ててわかります。 それに付き合いの長さと深さは違います、いろいろありましたが」



神崎がそんな事言うもんだから俺は呆気に取られた。



「…… やっぱり私らしくなかったですかね?」

「あ、違うんだ。 そんな事ないさ」



ポンと神崎の肩に手を置いた。



「それセクハラです」

「…… やっぱり神崎だな」



ガチャッと日向の部屋のドアが開いたので俺はサッと手を退けた。



「邪魔……」

「あ、悪い」

「今からお風呂ですか?」

「うん…… 清人はあたしの後に入ればいい」

「そうするよ」



通り過ぎようとした日向は俺を一瞥し通り過ぎると振り向いた。



「清人」

「ん?」

「ドライブに連れてってくれてありがと」

「お、おう」



…… さっきより機嫌は良いみたいだ、さっきはなんか落ち込んでたからな。 日向が風呂場へ入って行くと神崎はハッとした顔になった。



「ああッ!!」

「なんだよビックリするわ!」

「夕飯の支度今日は麻里でしたのに! ちゃっかりお風呂に行ってしまいました」



お風呂はもういいやとか言ってたのにホントちゃっかりしてるよな日向は。



「ああ、そういう事か。 まだ時間あるしいいだろ?」

「もう…… 明日は柳瀬さん仕事なんだから早めに寝てもらおうと思ってましたのに」

「いいよ、お前ら冬休みなんだから」



そうして俺の休みはこいつらより一足早く終わった。


この場を借りました( ´∀`) クリスマスですね、皆さんいいクリスマスをお過ごし下さい。

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